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投稿者:小心者
 ピロテイ構造の建築物が地震に弱いと言われている原因は、耐震基準が大きく改正された昭和56年(1981年)の建築基準法改正以降のいわゆる「新耐震」でも、ピロテイ構造の建築物が大地震で被害を受けた例があるためです。('95年-阪神・淡路大震災、'16年-熊本地震など) ピロテイとは  *構造様式としての見方・・・1階部分を柱で持ち上げて壁の無い外部空間と一体化させた構造(その空間を指すこともあります)のこと。  *耐震診断としての見方・・・①建物が鉄筋コンクリート造(RC造)または、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)であること。②下の階に壁が無く、上の階に壁があること。この二つ(①と②)を満たしているときにピロテイであるといいます。  昭和56年(1981年)以降に建築確認が取れている建物は、「大地震で倒壊しないこと」ということになっています。しかしこの言葉は「大きな被害は出る(大きく損傷はする)が、一度の大地震では倒壊しない」と言い換えられるのが建築基準法なのです。つまりピロテイ構造の建物はこの考え方のもとでどんどん建てられてきました。  しかし、平成7年(1995年)の阪神淡路大震災でその前提に疑問が投げかけられました。ピロテイ構造の建物のうち新耐震基準で建てられたものも倒壊していたからです。これは、平成28年の熊本地震でも見られた特徴です。  しかし、この様な建物はごく一部であり、残念ながらどんな物にも絶対というものが無いため、その一部と考え建築基準法は今でも変更されず昭和56年のままとなっています。    ピロテイは、周囲に壁がないので1階にありながら剛性が小さくなります。ピロテイ構造の建物が倒壊しやすいのは、ピロテイ部分の柱のねばりが足りないからなのです。この不足分を如何にしてどの程度まで補強してあるのかどうかは『設計と施工の良否』であり、これは巨大地震が起きてみなければ分かりません。合掌  
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