投稿者:美銀座美人
ふとしたきっかけで、ある1台の国産車について書き始めてしまいました。
すいませんが少しだけお付き合い下さい。
時代は私が高校生だった1967年(昭和42年)、まだ運転免許さえない年齢にも関わらず
車に対する興味は旺盛で(早く免許を取得して可愛いGFを助手席に乗せてドライブしたいというさもしい目的、笑)当時はまだ晴海で開催されていた自動車ショーにワクワク気分で行ったものでした。
そのモデルは会場で参考出品されるという情報を事前に掴んでいたので心躍る思いで銀座からバスに乗って私は駆け付けました。
その車は夢のロータリーエンジンを搭載したマツダRX-87というコンセプトカーです。
流れるような極めて美しい2ドアクーペボディは後年、ルーチェロータリークーペと
名を変えて市販されました。なお、同時に参考展示されていたのがRX-85、後のファミリアロータリークーペでした。
時代はまさに日本のモータリゼーションの幕開け、両雄トヨタと日産が構築した国産乗用車マーケットに参入する後発のマツダ・いすゞ・ダイハツ・日野はそれまでのオート三輪・バス・トラックに替えて市場参入するにはまずは優れたデザイン性が不可欠であった理由からそれぞれのメーカー首脳陣は競って欧州へ飛び、マツダはベルトーネ、いすゞはジウジアーロ、ダイハツもベルトーネ、そして日野はミケロッティにデザインを委託してここに国産車が【美】を競う時代が花開いたのでした。
話しは戻りますが、前述のRX-87 ルーチェロータリークーペはやがて市販されその美しいボディを見せ付けるように街に躍り出たのですが、まだ発展途上にあったロータリーエンジンの不具合やFFの詰めの甘さ等から比較的短命に終わる結果となったのは残念です。
おそらくは1000台にも満たない生産台数ゆえに当時でも街中を舞うように疾走する姿を見る機会は少なかったはずで、ましてや現代になってはたして何台のRX-87が生存しているか知る由もありません。
・・・そして、今からおよそ20年前、秩父に向かうドライブ中に偶然にも荒れ地の中で
今にも朽ち果てそうな【それ】を目撃したのです。
昔々、恋い焦がれた美しいひとに遭遇したのにも似て、私は急ブレーキと共にその車の元に駆け寄り所有者がいると思われる社屋に唐突に飛び込んだのでした。
・・・・to be continued