投稿者:高森人
阿蘇山 火山の状況に関する解説情報 第57号
令和元年 5月 3日16時00分 福岡管区気象台
**(見出し)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>
中岳第一火口では、本日(3日)15時40分にごく小規模な噴火が発生しました。中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
**(本 文)**
1.火山活動の状況
中岳第一火口では、本日15時40分にごく小規模な噴火が発生しました。噴煙は火口縁上600mまで上がりました。噴火が発生したのは、4月19日以来です。
2日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が、1日あたり3200トンと非常に多い状態が続いています。
中岳第一火口では、2日夜から本日明け方にかけて、高感度の草千里監視カメラで弱い火映を観測しました。
阿蘇火山博物館提供の高感度の火口カメラによると、中岳第一火口では、夜間に火口底の一部が赤く見える赤熱を観測しています。
火山性微動の振幅は小さな状態で経過しています。
孤立型微動、火山性地震は多い状態で経過しています。
GNSS連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千里を挟む基線で、わずかな伸びの傾向が認められます。
火山活動が高まっていますので、中岳第一火口から概ね1kmの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性があります。