投稿者:はっちん
元記事⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/#prevent
岡田正彦 Masahiko Okada, MD, PhD
新潟大学名誉教授(医学博士)
新型コロナのエビデンス( https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/#prevent )メッセージ2021.9.14より
(2021.9.14)
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ワクチンパスポートは憲法違反
接種証明証(ワクチンパスポート)が憲法違反かどうかは、後日、考えることにして、当面、この政策が実施されることを想定した対策を考えておくことにしましょう。
極端な場合、接種証明書を提示しないと、飲食店、スーパー、デパート、映画館などに入れなくなり、スポーツ観戦や音楽鑑賞ができなくなるおそれがあります。それどころか、学校の授業や入学試験に行けなくなるのではないか、との声さえあります。すでに「発熱者お断り」という信じがたい病院もあることから、診療拒否に遭う事態も覚悟しておかなければならないのかもしれません。ここまでくると、もうブラックジョークの世界です。
では、ワクチンを受けなかった人は、どう対応すればいいのでしょうか。救いは「陰性証明」でもよい、としていることです。そこで現実的な対策として、新型コロナの検査法に対する理解をまず深めておきたいと思います。
テレビなどで報じられているように検査法は3つあります。以下、要点をまとめました。
1.PCR法
もっとも基本となる検査法。詳細は当ホームページのQ17に。
利点:精度が高い(ただしサンプル採取の段階で4割ほどの見落としあり)
欠点:医師の診察が必要。結果が出るまで数日かかる
2.抗体検査法
実際の感染かワクチン接種後、血液中にできる免疫(抗体)を測る方法。
利点:集団免疫などの調査に有効
欠点:いま感染しているかどうかはわからない。血液が必要で、痛い
3.抗原検査法
ウイルス自体(抗原)を測る方法で、鼻腔に綿棒を入れてサンプルを採る。
利点:自分でできる。15分で結果が出る
欠点:信頼性の高い製品ほど値段が高い
あきらかに「抗原検査」がよさそうです。私自身も、診療中に疑い例に出会うと、これを行うことにしています。もっとも広く使われている製品では、以下のような性能が学術論文として発表されていて、PCR法に匹敵する信頼性が確認されています。
価格は、業務用で1回分7,000円。ネット上で安いものは1回分500円ほどですが、信頼性は不明です。世界中の製品を比較した研究によれば、性能の差があまりに大きく、要注意だとしています。
[抗原検査の性能]
・陽性者を確実に陽性と判定する割合:86.4%
(ウイルス量が多く感染性が高い場合:100%)
・陰性者を確実に陰性と判定する割合:100%
【参考文献】
1) Takeuchi Y, et al., The evaluation of a newly developed antigen test (QuickNavi COVID-19 Ag) for SARS-CoV-2: a prospective observational study in Japan. J Infect Chemother, Mar 4, 2021.
2) Dinnes J, et al., Rapid, point-of-care antigen and molecular-based tests for diagnosis of SARS-CoV-2 infection (review). Cochrane Library, Issue 4, 2021.
3) Knizek Z, et al., Cribriform plate injury after nasal swab testing for COVIID-19. JAMA, Sep 9, 2021.
(2021.9.14)
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抗原検査を練習しておこう
「ワクチンパスポートなど絶対に認めない」という人も、いざというときの心の準備だけはしておきましょう。そのひとつが「自分でやる抗原検査」のイメージ・トレーニングです。やり方は、次の図(画像⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/antigen.jpg )を見ていただけば一目瞭然、簡単です。
あとの課題は、価格の適正化、信頼性の保証、証明書発行システムの確立です。需要が増えれば価格は下がり、信頼性のお墨付きは学会の仕事です。証明書の発行は国の責任。やるべきことはあきらかです。