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投稿者:ひこざ
重量床衝撃音(重量物の落下音や飛跳ね歩行音など)は、主に31.5Hz~125Hzの低周波数帯に分布します。 ◆低周波音(100Hz以下)についてはいわゆる「普通の騒音計」(以下、騒音計)では測定出来ません。 その理由は、いわゆる騒音計は“人間は低音は聞こえにくくなる”という人間の聴感覚に近づくように、低音に近づくに連れ一定の割合によりマイナス修正する(大きな音でないと聞こえない)様に作られているからです。 これを評価加重特性と言い、普通の騒音計ではA特性(環境省評価方式)と言われる“修正方法”が用いられています。 このA特性では低音部は、 ・100 Hzで約 19dB(デシベル) ・ 50 Hzで 30dB ・ 20 Hzで 50dB がマイナスされ、それ以上の大きな音が出ていない場合には、測定値は0(ゼロ)になってしまい、仮りにそれなりの騒音が出ていても、測定値的には”0”と言う事になり、計数的には“音はしていない”という事になります。 「ドスーン」「ドシンドシン」「ドーン」音などの重量床衝撃音(低周波音)を騒音計で測定した時の、 測定値40dB(A特性)は、実音量で59dB以上(100 Hzの場合)~70dB以上(50 Hzの場合)という事です。 ◆マンション騒音で最も問題となるこの低周波音に対して、「 屋内騒音許容値は40dB(A特性)だから問題は無い 」と言う入居者がいる限り、この騒音問題は決して解決されません。その理由が “ 実音量の存在 ” にある訳です。 ◆上記から、主に公害(工場騒音や交通騒音などの、広帯域空気伝播音)を対象にした環境省の評価方式(A特性値評価)は、マンション騒音では不適当な評価方式と言えます。 しかし、現時点では環境省基準しかない為、裁判等でもA特性値が使われます。 参考: ・人間の可聴音は 20 Hz ~ 20,000 Hz の範囲です。 ・公害等の騒音の評価においては、可聴音の範囲のうち、主要な帯域である 50 Hz ~ 5,000 Hz ぐらいを対象としています。
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