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投稿者:クレイジー・ユンカース
 こんばんは。クレイジー・ユンカースです。月末です。2014年1〜9月の作業後、昨年の12月から製作を再開しているユニクラフト72のウラルボマーJu89は尾翼部と格闘中です。  左の写真は製作している拡大ラダー型Ju89の尾翼部分アップです。一見するといわゆる双垂直尾翼なのですが、実はけっこう変わっています。まず、ラダーは垂直安定板と面一ではなく外側に飛び出ていて、垂直安定板外側のバルジ部分とラダー両端の細いロッドによって保持されています。従って写真では安定板とラダーの間に隙間が見え、下の方で隙間が消えるのは後方に胴体部があるからです。水平尾翼も一筋縄では行かず、エレベータは水平安定板の後方上部にやはり真ん中の主支持架と左右のロッドによって掲げるように保持されます。  真ん中の写真は仮り組みした垂直尾翼です。キットは垂直安定板とラダーは別部品でしたが上記のような「食い違い」配置になっていなかったので3ミリの角棒からバルジ部を切り出し、ラダーとバルジは0.8の真鍮線で繋いでいます。ただこのバルジはまだ試作品で、もう少し実機のように幅の変化にメリハリを持たせて新たに作る予定です。更にラダーと安定板は大変に分厚く、安定板の真ん中で厚みが4ミリもありました。それを、今回は相手が小さすぎてサンダーが使えないのでリューターとヤスリで削りまくり、半分くらいにまでしました。構造的にはラダーはバルジ部で駆動されるようで、動作機構はこの中に入っていると思われます。  右の写真は尾翼の内側です。89の写真でこの部分が詳細に分かる写真はありませんが、同じような仕組みのJu90は14機くらいが作られてルフトハンザにも旅客機として就航しているので写真や構造イラスト資料は多く、それらを参考にしています。ただ垂直尾翼は90の方が更に凝っていて、来年のお楽しみです。その90のイラストによれば、このようにバルジはラダーの内側にもありますが安定板では一旦途切れて水平安定板が出現します。従ってラダー外側を横に走るバルジは水平安定板の貫通したものというよりは、ラダーを保持するための造作と思われます。水平尾翼は安定板とエレベータが面一で一体だったためにエレベータを切り離し、するとここでも分厚いドーバーの崖が出現したのでこちらも削りまくってエッジ化しています。    ところでちょっと前になりますが、配信で映画「グレイハウンド」を観ました。グレイハウンドという映画はいくつかあるようですが、私の観たのは第二次大戦前期の大西洋を舞台とする米海軍駆逐艦グレイハウンドの映画で主演はトム・ハンクス、原作は「駆逐艦キーリング」です。原作の本も一度読んだのですがあまり印象に残っておらず、遥か昔に読んだ「高速戦艦脱出せよ!」や「戦艦ティルピッツを撃沈せよ!」あるいは「戦艦ビスマルクの最期」の方が面白かった気がします。特に「高速戦艦」での英軍偵察機パイロットの言葉「トム、フラーだ!フラーだよ!」は強烈に印象に残っています。因みに「フラー」とは海峡を突破するドイツ水上艦発見の暗号です。しかし、映画「グレイハウンド」で繰り広げられる英国向け輸送船団護衛の対Uボート戦は大変な緊迫感で、既に字幕と吹き替えで二回見ました。意外だったのは私が昔読んだ本ではUボートの集団戦術のことを「狼群戦法」と言っていたと思うのですが、映画では「群狼」になっていました。また観たい、と思うのですが明日から10月で大激作展まで二ヶ月。89の尾翼部はまだまだ手がかかりそうで、行く手には未知の長大な主翼隙間フラップやコクピットの製作が待っています。というわけで、また少し「ベルリンまで20キロだぞお!」の気分になってきています。
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