投稿者:KZ
☆自宅の庭に川が流れてたらいいなあ という願望を糸井重里が書いていたけれど(朝起きて庭に出たら そのまま釣りができる とか)、それどころか 床下を小川が流れているという家を子どもの頃に見たことがある。なにか夢の中みたいで 流石にすごいなあと思った。
その友だちの家は 川沿いの土手の上にある農家だった。上がり込んで遊んでいるうちに 床下の川の話になった。それを見せてくれるという。
広い台所の 黒ずんだ床板を数枚捲ると もうすぐそこを(1メートルくらい下)澄んだ水が うねるように滔々と流れている。深さは やはり1メートルくらいだったろうか。清流と言ってもいいくらいの 透明で豊かな流れだった。とはいえ床下の流れだから 見た目はやはり薄暗い。慣れない目には 流れが速くて なんだか怖い感じさえする。
さすがに飲み水には使っていないようだったが 食器も野菜も洗濯も ようするに洗いものは全てが この清流で十分まかなえる。台所の忙しい女性たちには とても重宝な流れだったことだろう。あと 金網とかで出入り口を堰き止めれば 床下で鯉やハヤを飼うこともできる。
冬は寒くないのだろうか、暗く太い流れを見ていると そんな心配が胸を過ぎった。夏は床下からとても涼しいんだよと 住人である友だちが教えてくれた。そこの石段に座って足を浸けてたら暑さ知らず。冬も 思うほどは寒くない。ほんとの川から分けてきた水だからさ そんなに冷たくはないんだよ。