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投稿者:フッジー
 通称シャークスフィン(サメのヒレ)とよばれる人類未登頂の頂に3名がチャレンジし、2回目で成功するドキュメンタリー映画なのですが、一度観てみたいと思っていました。  内容的には各登頂者の家族等のインタビューも多く盛り込まれておりその人間関係の絆やストーリーを読み取るも興味深いですが、自分がこの映画で、よりエキサイティングだと感じたのは、凄く過酷な世界、自分では到底体験出来ないようなシーンが続々と出てきたことです。観ていて非常にスリリングかつアンビリーバボーな世界が展開されております。  8000m級の岩盤をよじ登って行くのには相当な肺活量が必要かと思います。ロッククライミングの事など余り知識がありませんが、酸素ボンベみたいなのも付けずに登っているのが信じられません。それにリーダー各のコンラッド・アンカーという一人はテント内でタバコも吸ってるのです。  1度目の登頂で10日以上も崖に吊るしたポータレッジと呼ばれる特殊テント内で生活します。食料が底を尽きて朝飯はチーズのかけら1つを3名で分けて食べる。その後急角度の岩盤にクサビを打って登って行く体力がどこから湧き出るのか不思議です。    3名の内一人レナン・オクターズは初回チャレンジ後に頭部に大けがを負い脳に血流が半分しかいかない体になってしまったにも関わらず再度チャレンジを試みます。山頂直前で体調不良に見舞われます。もし異変が起こっても下ることもヘリを呼ぶ事も出来ない事態です。ですがついに3名は人類初登頂達成を成し遂げるところで映画が終わります。自分など女々しいですが3000m級の山でも息き切れ起こしそうだし高山病になったら怖いと思ってしまい山に登らず仕舞いでいる。  他にも「この人達良く生きてるなあ」と思うエピソードが色々出てきます。こういう世界になると当然仲間の死というものに直面しなくてはならない経験も出てくる。親友の不慮の事故を目の当たりにした後、メンタル面でどう克服したのかなど考えさせられる展開もあり色々と考えさせられます。  本作品の監督であり登頂者の一人であるジミー・チンは同時に映像クリエイターでもありますが、本業とはいえ撮影技術がすばらしい。自分も最近アクションカメラで色々取り始めたのですが、どうにも汚い映像しか撮れません。ですが彼等は電源が予備バッテリーかソーラー充電しかない環境で、それを雲の上の世界でやっている。自分もすこしかじってみて判るが、過酷な環境下では如何に無駄の無い短時間の撮影で済ませられるかが勝負だと思う。自分が北海道で撮った時など、車のシガーソケット充電でも無駄撮りが多くメモリーはパンパンになるし充電切れの連続であった。だからこの人達の撮影技術は素晴らしいと思ったのである。  という訳で返却期日まで何度も繰り返し観てしまいました。この映画は一枚買って持っておきたい位です。雪山のシーンが殆どなのでこのクソ暑い中に於いて一服の清凉を運んでくれる一枚かとも思います。
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