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投稿者:小心者
建物を支える主要な柱と壁の典型的な壊れ方 (NPO法人建築技術支援協会から) 【建物を支える主要な柱と壁の典型的な壊れ方】 * 玄関周辺の壁 廊下に面した玄関の周辺の壁は、壊れ始めの初期にひび割れが入り始めます。 開口の隅から開口の隅に向かって X 字型で亀裂が生じます。 玄関周辺の壁が壊れると扉が開かなくなる場合があります。 * 壁 窓のない壁は、一般的に柱と梁の接合箇所から柱と梁の接合箇所に向かって X 字型で亀裂が生じます。亀裂が柱にまで及ぶことがあります。 また、柱と壁が一体となって曲げ破壊する場合には柱脚とそれに連なる壁の部分に水平な亀裂が発生します。 * 腰壁・垂壁が付いている柱 腰壁・垂壁が付いている柱は、地震時に柱が水平に動ける長さが短くなります。開口部高さを柱せいで割った値が2以下の柱は「 極短柱 」とよばれます。 この「 極短柱 」は壁より先に壊れてしまう傾向にあります。 壊れ方は、窓の隅から窓の隅に向かって X 字型で亀裂が生じます。 * 壁が付いていない柱 壁が付いてない柱は、1981年以降 (新耐震世代) の建物では、柱と梁の接合に平行に亀裂が生じるものが比較的多く、このような現象を曲げ破壊と言います。 * ピロティ柱 ピロティの柱は、上部の戸境壁 (耐震壁) が柱を鉛直に押し込む軸方向力が大きく働き、柱が潰れる形で壊れるものが大多数を占めます。 1981年以降の建物であってもこのような破壊をするものがあります。 マンションがどのように壊れるかは一概には言えませんが、上記のような破壊が複雑にからみあって壊れます。 設計、材料、施工、監理、の何れにも “瑕疵” がないとすれば、1981年以降の建物で、柱梁壁で構成されるラーメン構造の建物は、 巨大な地震にあうと一般的に 1. 最初に 【 梁 】 が壊れ、 2. 次に 【 壁 】 が壊れ、 3. 最後に 【 柱 】 が壊れて、倒壊に至るような設計になっています。 ◆すなわち、これが、新耐震基準の 「即座に崩壊しない = 人命を守る」 ということです。
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