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投稿者:松本@GPF
諸元から合田機の垂直尾翼容積比を計算してみると 垂直尾翼容積比=(尾翼モーメントアーム長x垂直尾翼面積)/(主翼スパンx主翼スパンx主翼平均コード)=(28x33)/(50x50x6)=0.062 ちなみに長く飛ばしている私の30cmウイングレット機では (11x8)/(30x30x7)=0.026 です。 スパイラル降下(=螺旋不安定)もダッチロールも起こさない適正な垂直尾翼容積比の値は例えば勝山訳:こうすれば飛ぶ模型飛行機https://nieru.net/rubbermodel/5 では添付の表の通りです(付録1ページ)。 適正な垂直尾翼容積比の値は上反角の大小にも依存しますがこの表では上反角10度前後を仮定していると思われます。 表では適正値の推定値としてゴム動力屋外機では0.033、ガスパワー機(エンジン機)では0.023や0.027をあげています。数値の差はプロペラの大きさの差によると思われます。動力飛行時のプロペラは翼の働きをしますが、重心より前にあるため尾翼の働きを打ち消します。大きいプロペラほどこの働きが大きい、したがってエンジン機に比べてプロペラが大きいゴム動力機ではプロペラによる逆効果を打ち消すために大きな垂直尾翼容積比が必要になっているのでしょう。 合田機には小さいプロペラがついています。したがって上反角が10度に近い場合の適正値は0.033よりも0.023に近いと思われます。 上反角が小さい当初の構成では0.062はやや過大でこれが旋回を小さくした場合の不安定な飛行につながったのでしょう。 解決策は ・垂直尾翼容積比0.062にバランスする大きい上反角にするか ・垂直尾翼の面積を減らして垂直尾翼容積比を0.023に近づけるか の何れかですが、現在の対策は小半径の円弧翼による実質上反角増です。 もちろの第2の対策も可能です。 なお「こうすれば飛ぶ模型飛行機」では適正な垂直尾翼面積の決め方として「最高の滞空性能のためには、ダッチロールの兆候をギリギリで取除くのに必要な大きさよりほんの僅か(約5%)大きいのが、垂直尾翼の理想の面積)」としています。
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