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投稿者:はっちん
新型コロナのエビデンス 元記事URL⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/ 岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)  テレビでは語られない世界の最新情報を独自に分析  正しい情報を偏りなく 今週の新情報 (2024.1.8) Q&A コロナワクチン健康被害訴訟では何が争われるのか? 2つの国家賠償請求訴訟について、前々回と前回の記事で概要を報告しました。すでに原告の訴えを全否定する国側の姿勢もあきらかとなっていて前途多難です。その背景も踏まえて、コロナワクチン裁判では何が争われるのか、何で争うべきなのかを改めて考えてみることにします。 これまで当ホームページでは、皮膚、心臓、腎臓、肺、血管などの組織に対する免疫組織染色(2023年9月18日の当ホームページ記事(※1)参照)が、ワクチンとの因果関係を示す決定的な証拠になるはずと、繰り返し述べてきました。しかし、そのためには生検や病理解剖などが行われて、組織の一部が保存されている必要がありますが、この条件を満たす事例はほとんどないことがわかってきました。 (※1:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page4206#4255 ) では、接種した腕の側の半身に症状が認められた場合、因果関係を示す論拠となるでしょうか? 国家賠償請求の訴状のひとつには、接種したと同じ左半身にさまざまな症状が現れたと記されていました。これに対し、ワクチン接種会場を運営した地方自治体(市)は、裁判所に提出した答弁書の中で、「接種したのが左右どちらの腕か不明である」とあえて記しています。市側は何を言いたかったのでしょうか。 そこで、ワクチンを接種した側に副作用が起きやすいのかどうかを検証してみることにします。たとえばベル麻痺の症状は、ワクチンの副作用としても広く認識されていて、左右いずれかの顔面に生じるものですが、接種した腕と同じ側に多いかどうかは報告データがなく、残念ながら不明です。昔から左側に多いことも知られていましたので、たとえ左腕に接種したあと同側の顔面にベル麻痺が生じても、ワクチンのせいとは言えないことになります。 帯状疱疹も、その外見から左右差があきらかな病気であり、接種後の副作用のひとつであることも知られています。世界の統計によれば、右利きの人が約9割だそうですから、利き腕と反対の左側に接種している人が多いはずですが、ワクチン接種後の帯状疱疹をまとめた論文によれば、左側と右側の発生数はほぼ同じでした(文献1)。 つまり、接種した側にベル麻痺や帯状疱疹、あるいは眼症状などを認めたことをもってワクチンの副作用であるとする主張は、被告側(国など)の証人からみれば、簡単に反論ができてしまいそうです。 では今後、裁判を有利に進めるための絶対条件は何なのでしょうか? 残された論点のひとつは、新型コロナワクチンを評価した数々の学術論文に認められた分析法の誤りとデータの不正操作です。この点にこそ、国家を相手とする裁判の意義があるのではないでしょうか。 国も専門家も、後ろ向き調査、とくに「テスト・ネガティブ分析の結果」を正しいものと信じて疑いません。この分析法は、コロナの検査を受けて「陽性になった人たち」と「陰性だった人たち」の接種歴を比べるという単純なものですが、著しく信頼性を欠くことは2023年9月4日の当ホームページ(※2)で指摘したとおりです。 (※2:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page4206#4243 ) そして、この誤解こそが、ワクチンを信奉する「世論」を形作っています。当ホームページあてに届いたお便りの中に、「チャットGPTにワクチンの意義を聞いてみた」という興味深いものがありました。以下は、2023年3月6日の当ホームページ(※3)でも紹介したAIの回答ですが、そんな世論をまさに反映したものとなっています。 (※3:記事⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/index_part2.html#Pt2 の(2023.3.6)Q 討論:ワクチン問題はどう決着させればよいのか? を参照)、 (※3:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page3708#4016 ) <イラスト⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/AI_GPT.jpg > 当然、裁判官もこんな世論につられて、判決を下してしまうに違いありません。 論文データの不正や後ろ向き調査の欠陥を世に問うために必要な知識は、難しい数学の問題でなければ、医学の問題でもありません。よく考えれば誰にでもわかるはずの、この簡単な話を、人々の感性にどう訴え、誤りを正していくのか、という知恵くらべになるのではないでしょうか。 加えて、ワクチンを接種した人たちほど感染しやすかったという厳然たる事実があることも、争点として忘れることはできません(文献2,3)。 【参考文献】 1) Desai HD, et al., Can SARS-CoV-2 vaccine increase the risk of reactivation of varicella zoster? a systematic review. J Cosmet Dermatol 20: 3350-3361, 2021. 2) Subramanian SV, et al., Increases in COVID-19 are unrelated to levels of vaccination across 68 countries and 2947 counties in the United States. Eur J Epidemiol, Sep 30, 2021. 3) COVID-19 & Winter Statistical Report. Public Health Scotland, Feb 16, 2022.            
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