投稿者:南山鳥27
先に「AI生成」での絵がかなり一般化してきたということを書いたが、読
み返すと、勘違いしていた部分と、かなり不正確な部分があったので、追記
しようと思ったが、それを書いていると、どうもうまく書けない。
ここでは、何を勘違いしていたのか、簡単に記す。
勘違いというのは、「AI生成」画と他の絵を混同して考えていたというこ
とである。「AI生成」の絵も色々とあり、CGに似たできのよいものもあ
あるが、これはまだ例外的である。そこで、3DCGの出力の絵とAI生成
の出力の絵を混同していた。
AI生成は、もっと簡単なアルゴリズムで生成されているように思える。た
だ、そのプログラムに、3DCG製作の技術も使われていることは間違いな
いとは思うが、それほど高度なものが使われているようではないと思える。
他方で、3DCG製作の方が、敷居が下がったというか、簡易的に3DCG
が作れるようになったようで、かなり問題やバグのある3DCGの出力があ
った。AI生成の絵の高度なものと、簡易3DCGの問題のある出力が、か
なり似通っているので、混同が起こったのだと思う。
主観的な印象であるが、AI生成画は基本的には、膨大な絵のデータベース
から、目的に相応しい絵のグループを探してきて、これに変調(プログラム
によるモディフィケーション)をかけることで使用する絵を生成していると
思える。印象ではやはり、基本的に「主題像+背景像」の合成になっている
と思える。主題像がかなり貧困な絵でも、背景像が精密なできて、美しいで
きていると、全体の印象が非常によくなる。しかし、こういう絵を拡大して
見ると、主題像が、かなりラフで、変形操作がおかしな結果になっているこ
とが多々あるようである。また、背景画は、これは写真を画像にしている場
合と、色々な背景画の候補を、要素に分けて、オリジナルとは違った構成の
合成画を作っていると思える。
緻密で、非常に美しい背景画を複数(あるいは多数)見ていると、何か基本
となる背景画あり、それらに変形や変調を加えて、合成して作っているので
はないかと思える(つまり、一枚では分からないが、複数見ると、同じ絵が
元になっていると思えるが、変調しているので、違った絵のようにも思える
絵が多数出てくる)。一つの顕著な例は、環境汚染前のヨーロッパの美しい
風景画のような背景である。アルプスを背景にするスイスの理想郷のような
背景が出てくるが、どれも似ている。一つ一つ見ると違うが、元絵として、
同じものを使って、それを変調合成しているとしか思えない。
(添付画像二枚は、AI生成した「背景画」の一部であるが、この二枚は、
非常によく似ているが、細部を見ると、同じ絵ではない。しかし、背景に使
うのに、ここまで手間のかかる絵は人間だと描かない。昔は、この種の絵を
描く職人的な画家がいて、一枚一枚は違うが、全体的に同じスタイルの絵を
量産していた。ただ、その一枚一枚は手間にかかるだけの価格があった。い
ま、コンピュータが、こういう量産絵を、きわめてインスタントに高速に生
成していることになる)。
漫画調の人物画は、かなり簡単な3DCG技術を使っているのではないかと
思える。簡単なので、人体の色々なポーズを出力すると、そんなポーズはな
いというような絵が出力される。AI生成の絵に特徴的なのは、個々の絵に
作者の「個性」「個性的な絵の造形やタッチ」がないということである。下
手な絵でも、人間が描いたり、プロセス処理したものは、その人の個性や技
術のスタイルが出てくる。下手でも、こんな絵は、この人しか描かないとい
うような絵になる(複数枚を見ればの話である。一、二枚では分からない)。
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他方で、3DCG動画も、かなり簡単に製作できるようになったと思える。
ただ、問題が色々とある。簡単にできるものは、技術的な正確さを落として
いるとも言える。(簡単に作れる3DCG動画は、十年以上前からあったが、
やはり、3D像の造形が見劣りする)。
いま見る限りでは、背景の3DCGを、別の人が造ったものを流用するとか、
人物も、フィギュアのように、元になるデータがあり、これを、3D的に加
工して流用して、流用した背景3Dと合成するというような技術がある。こ
れだと、3Dのモデリングを最初から造る必要がないので、すでに存在する
元の3Dデータを流用変形して使うということになるので、比較的簡単に3
D動画が造れることになる。ただ、こういう方法で造ると、合成のときに、
合わなくなって、おかしなことが起こる。
(この3D動画で、元になったデータを使って組み合わせを行うと、おかし
なことになるという例は、3番目の絵を見て欲しい。人物が歩いて階段を昇
る動画CGから一枚を出力したものであるが、人物の右足(向かって左に見
える)の足首から先が、踏み板のなかに埋もれている。これは人物に変形が
加えられていて、背景の階段の3D構成と合わなくなっている。しかし、前
方にあるものと、後方にあるものは、前方にあるものを可視化するというア
ルゴリズムは働いていて、踏み板の向こうにある足首は見えないで、踏み板
が見える。しかし、足首の先にある水色の靴のヒール部分は、踏み板よりも
こちらに位置するので、これは可視化され、他方、その向こうの階段の木材
は隠れている)。
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大江健三郎氏が死去されたが、ここでは、その事実だけを記す。
多くの人が鬼籍に入っており、大江氏もまた、その例となった。
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添付画
1] AI生成の絵の背景
2] AI生成の絵の背景
3] 3DCG動画の合成における不整合