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投稿者:牛原清泉
忍容(にんよう) 忍容といふは物事に 堪へ忍ぶるにて堪忍(かんにん)するをいふなり  ただ世の中は 順逆二つの宿りなれば  彼に順なる時は 此れに逆なり  我に順なる時は 誰しもよろこび笑ひ 楽しめども 少しにても  我が心に逆らふ事あれば 怒り腹立つる 此の時 男女共に  堪忍の文字をもって 怒りの気を押さへ止れば 大事破れず 万の事成就する也  式部卿局の詞(ことば)に上(かみ)つかたは 無理のゐふものと思へば  我に恨みなし 下ざまなる者は おろかななる者としれば 我に怒りなしといへり 此の詞 万事の上にわたりて よきいましめなるべし 
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