投稿者:ウプサラ市長 ウラディミル・ウリヤノフ
そうだ、アウグスト・ヤーネフェルトは殺された。
それも、人民連合の党員、当時の我が同志によってだ。
ヤーネフェルトはカリスマだった。誰もがあの笑顔に魅了された。
おそらくあと一年もあれば、あいつはウプサラの全てを魅了して、そのリーダーになっていただろう。
そして十年後には、スウェーデンを導く偉大な指導者になっていたに違いない。
ガチガチの共産主義者であった私ですら……
あの男に導かれるなら、それも良いかもしれないと思ったぐらいだしな。
それを危惧した我々の「同志」は、ヤーネフェルトを何人もでなぶり殺しにしたわけだ。
暴力を捨てるように私に説いた男は、丸腰だったのに、暴力で傷つけられ、やがて死んだ。
そして私は運動に幻滅して、左翼と右翼の対立の第一線から手を引いた。
国ではなく身近な人間を護るため、市議として地方自治に専念した。
だが、ヤーネフェルトは、最後には勝った。
ハンソンは一度は武器を取ったが、考えを変えて、この私を呼び戻した。
今や共産主義者同盟も人民連合も、完全に路線を転換し、暴力革命を放棄した。
奴が、ヤーネフェルトが夢見た、言論によって国家の発展を語り合う世が、おそらくこの戦争の先に来るのだろう。
お前には、あの愚かな暴漢どもでもなく、この父のようでもなく……
ヤーネフェルトのように歩んでほしい。そう思う。