投稿者:chombo
4千坪の敷地に建つ茅葺の家…美山の「蛍庵」。
2014.6.1に訪ねました。もう9年も経ちました。
いただいたお昼は…おくどさん(竈:かまど)で炊いたご飯。
手打のうどんは すり胡麻を出汁に入れ、割竹に盛られた野菜・茸とともに
つけ麺でいただき…なんとも言えない香りとともに味わいました。
赤いえんどう豆もあり 訊くと「ツタンカーメンの墓にあった種から」と。
紀元前1400年の種から蘇ったえんどう豆…ファラオの味でした(笑)
「いくらでも居りやす、ここはゆっくりしてもらうんが値打ちやさかい」。
亭主にそう言われ 広い縁側でしばしゆっくり寛ぎました。
一緒にいたご夫婦に薦められ 抹茶とともに わらび餅もいただきました。
黄粉が程よく甘く、なんとも幸せな味と香りでした。
ここ「蛍庵」の亭主は 西陣の新しい織物技術で一財を成した方。
小さい頃からの夢としてこの地を手に入れ庵を結ばれた由。
掛軸には「本来無一物」… 無一物に生まれた人間の最期も無一物と…。
帰り際、81歳の庵主が外の垣根まで見送ってくださいました。
庵主「気ぃつけて帰りなはれや。それからご主人、せいたらあきまへんで。
ぼちぼち ゆったりしていきむなはれや」と。
偶々通りがかりに寄った蛍庵でしたが…実はこれが最後になりました。
亭主は病気をされ 閉じられたと伺いました。
なんどか訪ねましたが…最初で最後!ではありました