投稿者:ウプサラタイムズ記者
本日のウプサラタイムズは、ウラディミル・ウリヤノフ候補との一問一答形式のインタビューを掲載した。
---まず伺いたいのは、暴力ではなく対話を主張されるあなたが、非暴力主義者とは言えない共産同盟のハンソン書記長についてどう思うかです。
「まず言いたいのは、ハンソン書記長は、誤解されがちな人物だということです。あれほど純粋に国家のことを思う人物を私は他に知りません」
「彼は思想のために人民を苦しめる男ではなく、純粋にスウェーデンの人民のために身を捨てて戦う闘士であると私は知っています」
「思想と立場が異なろうとも、死に瀕した老人が居れば命を助ける。スウェーデンを蝕む不正に対して、身を省みず戦い抜く」
「方法は異なれど、彼は尊敬するべき同志です。もしこの選挙で私が勝てば、共産同盟にもっと言論で戦う価値を伝えられるかもしれない」
---では、今の共産同盟の現状についてどう思われますか?
「暴力を捨てた私が、派の主要路線と意見を異にしたのは事実です」
「だからこそ同盟の立ち上げには加わらず、広義の左派連合を率いる形で、ウプサラ市のみの政治活動に従事していた」
「私の路線が、共産同盟よりは、むしろもっと穏健的な、例えば人民連合あたりに近いのは否定できないでしょう」
「……だが、ハンソン書記長は私をこの選挙の候補に選んだ、あくまで推薦という形で、無所属での出馬ではありますが」
「彼とて、何か変わる方法を探しているのではないかと思います」
---何かとは?
「この戦いは長く分裂していた左派が大同団結するチャンスでもあるのです。
団結を旨とする右翼に比べて、スウェーデンの左派の歴史は暴力と狭量の歴史でもあります」
「しかし、潮流が変わりつつある。この選挙では始めて左派が集結している。
ここで私の唱える、市民のための政治、自由で温かな対話が勝利すれば、左派団結の追い風になるかもしれません」
---対立候補のユーリア氏の政策についてはどう思われますか?
「彼女の弁論は爽やかで、若年であることを感じさせない。熟練した政治家であるところは認めざるを得ないだろう」
「だが、彼女の政策はとても危ういと言わざるを得ない」
「治安部隊をボランティアにするならば、彼らは生活の糧を他に求めざるを得ないだろう」
「必然、政治家と結びついた思想主義者が、治安部隊の大部分を構成することになるだろう。そんな不公正な街に首都を持ってきたらどうなるか?」
「彼女本人は分からないが、彼女の周りの人間はこれに気が付いていないとは思えない」
「責任ある仕事は、正しい賃金と豊かな生活から生まれるのだ。これを破壊しようとする邪悪な企みに対して、私は断固として戦わざるを得ない」
---ありがとうございます。ところで、市民の間で噂される「ウリヤノフ伝説」についてはどう思われますか。
「大変愉快なものもあるが、事実でないものもいくつかある」
「たとえば、ウプサラ大聖堂を夜な夜な手で押してストックホルムに向けて動かしているというのは事実ではない」
「大切な市民の心のより所を、いくら私が無宗教者とはいえ、首都に奪われるようなことはできないからね」
「だいたい、私なんかよりも娘はもっと腕っぷしが強いよ」
---冗談ですよね?
「共産主義者は嘘は言わない」(ウインクしながら)
---本日はインタビューありがとうございました。最後に一言。
「有権者のみなさん、ウプサラは一つ、ウプサラのために、どうか地方選挙は共産主義同盟はじめ左派同盟に投票してほしい!
清き一票をどうか、よろしく頼みます!」