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投稿者:はっちん
元記事⇒ 久留米大学医学部免疫学講座 https://www.med.kurume-u.ac.jp/med/immun/corona.html 定性抗原検査の長所と短所 定性抗原検査キットが通信販売で購入可能になり、発熱などのある方に無料で配布されている自治体も多くあります。様々な目的で使用されるため、定性抗原検査キットの長所と短所を簡潔に整理してみました。 (必ず使用方法の確認をお願いします): 定性抗原検査の長所は、「安価」で15分と言う「短時間で結果」が出て、さらに「特殊な技術が不要」で、誰でも簡単に行えます。簡単にできるのですが、初めて使う方は間違ってしまう場合もあります。検査キットの使用方法はビデオ等で丁寧に説明されているので、必ず使用する検査キットを製造する会社のホームページでご確認下さい。 (偽陰性がある事を理解して下さい): 完璧な検査は無く、必ず「偽陰性」が問題となります。感度が高いPCR検査でさえ、約10人に1人は偽陰性、つまり感染していても陰性の結果が出ます。定性抗原検査はPCRより更に感度が落ちます。PCR検査と比べて感度が下がる度合いは、各検査キットにより異なり約85%から約95%です。つまり、感染していても、10人に1人から2人が見逃される可能性があります。各社の抗原検査キットの感度は厚生労働省のホームページに示されているのでご確認下さい。https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11331.html よって、抗原検査やPCR検査は、症状がある方に「診断目的」で用いるのが原則です。もし、自分が感染していない事を示す目的で抗原検査を用いる場合は、最低でも2回行う必要があります。また、4学会が提言されたように、65歳未満で基礎疾患や妊娠中でない方は、症状があっても自宅療養による経過観察が推奨されています。つまり、自分で行った抗原検査で陽性となっても、不安を募りながら自宅待機を余儀なくされる結果となってしまいます。会社から欠勤のための陽性証明が必要なければ、症状がでたら新型コロナウイルス感染と思い、検査はせず自宅で2~3日様子を見られる事をお勧めします。また、感染者が爆発的に増えている期間は、会社側も陽性証明書無しでも欠勤を認める柔軟な対応も必要かもしれません。 (FOCUSED PROTECTIONのための重点的検査): 新型コロナウイルスの重症者や死者は高齢者に集中しますが、その中でも介護が必要な「臨床的フレイルスコアが中等度以上」の高齢者に集中します(委細は「BA.2株を含めた個人的意見のまとめ #2 (2022年2月24日)」の「重症化に影響を与える主要因」を参照下さい⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page3352#3357 )。よって、予防目的で抗原検査を行う場合は、FOCUSED PROTECTION に徹して「特別養護老人ホーム」などフレイルスコアが高い高齢者が多い施設の職員に対して隔日で継続して行う、更なる重点的抗原検査の活用が必要なのかもしれません。 (悪質な検査キットに用心して下さい): これまでも摘発されているように、需要が増えると精度が担保されていない悪質な検査キットが流通しはじめます。よって、厚生労働省が警告を発せられているように、「研究用」と記された抗原検査キットは絶対に使用しないで下さい。2022年8月18日時点で48種類の定性抗原検査キットが厚生労働省から承認を得ています。(画像⇒ https://www.med.kurume-u.ac.jp/med/immun/20220820.fld/image005.png ) 必要になった場合、これらの承認済み検査キットを用いるのが無難です。        
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