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投稿者:ロバート・アルドリッチ
[YouTube:Cth9aakWf38:R] 何がジェーンに起こったか?(原題: What Ever Happened to Baby Jane? 米国) 1962年 全世界年間興行収入ランキング16位 古い屋敷に一組の姉妹ブランチとジェーンが暮らしていた。ジェーンは可愛らしい名子役で一世を風靡したが、成長してからは仕事も無く、美貌のブランチの下で鬱屈した生活を送っていたのだった。そんなある日、ブランチが事故で半身の自由を失ってしまう。立場の逆転したジェーンは、押え付けられていた鬱憤を、陰湿ないじめで晴らそうとする。やがてブランチは、ジェーンのもとから逃げ出そうとするのだが…… 監督 ロバート・アルドリッチ 代表作 『ソドムとゴモラ』『北国の帝王』『ロンゲスト・ヤード』 脚本 ルーカス・ヘラー 代表作 『ふるえて眠れ』『飛べ!フェニックス』『死の追跡(1973)』 音楽 フランク・デ・ヴォール 代表作 『底抜け西部へ行く』『キャット・バルー』『女の香り(1968)』 主演 ベティ・デイヴィス(ジェーン) 代表作 『黒蘭の女』『情熱の航路』『イヴの総て』 原作 ヘンリー・ファレル 『何がジェーンに起こったか?』 上映時間 134分 登場人物 ジェーン・ハドソン: かつての子役スター。 ブランチ・ハドソン: かつての映画スター。ジェーンの姉。(ジョーン・クロフォード) 代表作 『グランド・ホテル』『ミルドレッド・ピアース』『大砂塵』 エルヴァイラ・スティット: ハドソン家の家政婦。(メイディ・ノーマン) 代表作 『風と共に散る』『スター誕生(1976)』 『ハロウィンIII』 エドウィン・フラッグ: 売れないピアニスト。(ヴィクター・ブオノ) 代表作 『ふるえて眠れ』『偉大な生涯の物語』『続・猿の惑星』 デリラ・フラッグ: エドウィンの母。(マージョリー・ベネット) 代表作 『殺人狂時代』『ライムライト』『麗しのサブリナ』 ベイツ夫人: ハドソン家の隣人。(アンナ・リー) 代表作 『サウンド・オブ・ミュージック』『リバティ・バランスを射った男』『アパッチ砦』 【起】 1917年、子役スター“ベイビー・ジェーン”の人気は絶頂を極めていました。父親もそんな彼女を甘やかすばかり。一方地味だった姉のブランチは、妹のそんな姿をうらやましく思っていました。 1935年、映画界の道へと進んだジェーンとブランチ姉妹。しかしその人気ぶりは子役時代とは逆転し、いまやブランチの方が押しも押されぬ大スターとなっていたのです。一方のジェーンは、端役ばかりをこなす日々でした。そんな時期に彼女たちに悲劇が降りかかります。映画関係者の話によると、泥酔したジェーンの乗った車が誤ってブランチを轢いてしまったのだそう。幸い命は取り留めたものの、半身不随となり一生車椅子での生活を強いられることとなってしまったブランチ。事故なのか故意によるものなのか、真相は藪の中でした。 【承】 それから長い年月を経たある日、ジェーンとブランチは同居生活を送っていました。泥酔状態だったためにあの事故の記憶がなかったジェーンは、ブランチに対して負い目を感じていたのか、嫌々ながらも彼女の世話しながら生活していたのです。 しかし、最近酒に溺れるようになったジェーンは精神的に異常をきたし始め、ブランチに辛く当たることが多くなっていました。そんな状況を憂いながらも、自分一人では生きられないブランチは2階の自室に籠り、今後のことについてを思いを馳せるばかりでした。 そんな折、隣に住むベイツ夫人が姉妹の邸宅を訪ねてきます。前日にテレビで放映していたブランチ主演の映画を観て感動したというのです。 勝手口で応対したジェーンはあからさまに嫌な顔をして、彼女は誰にも会わないとだけ告げ、ぴしゃりと扉を閉めます。あまりにつっけんどんな態度にあっけにとられるベイツ夫人。 「誰かいらしたの?」とブランチが尋ねましたが、ジェーンは隣の女が来たとだけしか言いませんでした。 その後、通いのメイドであるエルヴァイラがやってきます。ブランチにとっては、いつも味方でいてくれる彼女の存在だけが唯一の心の拠り所でした。 エルヴァイラはジェーンを医者に見せるなり何とかしないといけないと常々ブランチに忠告してきましたが、なかなか踏み切れないブランチ。この家を売りに出して、ジェーンは施設に入れるという考えをエルヴァイラと秘密裏に推し進めていたのです。いつか彼女に伝えなくてはならないのですが、なかなか切り出せずにいました。 するとジェーンが2階に上がってきて、ブランチが大事に育てていた鳥が逃げてしまったと勝ち誇ったように告げ、嫌味ったらしく謝って下へと降りていきました。 絶対わざとやったに決まってるとエルヴァイラ。ブランチは妹の異常さを理解してはいたものの、なかなか彼女をそこまで非難出来ずにいたのです。 その後エルヴァイラが仕事を終えて出て行くと、ジェーンが昼食を持って上がってきました。いい機会だと彼女に家の売却についての話を持ち掛けます。ブランチが財政的な問題が理由だと伝えるも、ジェーンは信じません。常にブランチを監視していた彼女はすでに知っていたのです。自分を追い出そうとしていることを。 ジェーンはブランチが外部と連絡出来ないようするため、電話を取り外し、不敵な笑みを浮かべて階下へと降りていきました。 途方に暮れるブランチ。仕方なくジェーンが持ってきた昼食を食べようと、覆いを外すと、なんとそこには大切にしていたペットの鳥の死骸が乗せられていたのです!思わず叫び声を上げ、震えるブランチ。もう限界だと感じていました。 ブランチはジェーンが外出したのを見計らい、かかりつけの医師に連絡しようと何とか階下にある電話の所まで辿り着けないかと試みますが、全く動かない両足を抱えていてはとても無理だと思い、諦めて自室に戻りました。 一方のジェーンは求人広告を出してもらおうと新聞社へ向かっていました。いまだに“ベイビー・ジェーン”時代の栄光を引きずっていた彼女は、再び表舞台に立ちたいという強い思いを抱いており、そのレッスンのためにピアノの伴奏者を募集しようとしていたのです。 自室へと戻ったブランチでしたが、ジェーンが戻ってきたらと思うと居ても立っても居られない様子でした。ふと外を眺めると、隣のベイツ夫人が庭いじりをしていることに気付きます。彼女は助けて欲しいといった旨のメモを丸めて外に放り投げました。 しかし、不幸にもベイツ夫人が気付くことはありませんでした。折しもジェーンの帰宅と重なってしまったのです。夫人と二言三言交わすジェーン。ふと丸まった紙が落ちているのに気づき、何となくそれを拾い上げて中を確認したジェーン。 その日の夜、ジェーンが夕食を持って上がって来ると、再び揉める2人。こんな身体になったのは誰のせいなのとブランチが切り出すと、一気に黙り込むジェーン。彼女は前々からこの話題を避けていました。 言い争いが続いた後、去り際にブランチが投げたメモを取り出してほくそ笑むジェーン。ゾッとするブランチ。彼女が出て行った後もしばらく放心状態が続きました。 空腹は感じていたものの、鳥の一件があったために夕食の蓋を開けられず、そのまま床についたブランチ。 翌日、ジェーンが出した求人広告が新聞に掲載されていました。売れないピアニストのエドウィンはこの求人を見て応募することにします。電話を受けたジェーンは、ぜひぜひと猫撫で声で受け答えし、その日の夜に家に来るようにと約束しました。 一方、結局夕食には手を付けなかったブランチ。そんな人には朝食なんて必要ないとジェーンが置きっ放しだった夕食の蓋を開け、むしゃむしゃと肉に喰らいつきます。恐怖で開けられなかった夕食でしたが実は何の細工も施していなかったのです。ブランチの行動を見透かしているようでした。 その後エルヴァイラがやってきますが、今日は必要ないとその日の手当だけ彼女に渡し、出て行かせます。納得がいかないながらも帰宅するエルヴァイラ。 その後、再びジェーンが2階へ上がってきました。食事を持ってきたようです。最近ねずみがよく出るといった意味深なことを何故か口にして去っていったジェーン。その言葉に恐怖を感じながらも、あまりの空腹に我慢が出来なくなっていたブランチが蓋を開けると、そこにはネズミの死骸が横たわっていました。 恐怖に嗚咽を漏らすブランチ。それを聞いて高笑いをあげるジェーン。 夜、ピアニストのエドウィンが訪ねてきました。ご機嫌で彼に子役時代の栄光を語って聞かせるジェーン。“ベイビー・ジェーン”として復帰するという話をしていると、さかんにブランチから呼ばれます。 イラつきながらジェーンが上がっていくと、誰か来ているのと尋ねてきたブランチ。良い気分で話していたのにと怒りを露にしたジェーンはブランチを殴り、大人しくさせました。 そうして再び笑顔で戻ってきた彼女は、エドウィンの伴奏で“パパに手紙を”というかつてのヒット曲を歌い、踊りました。とても楽しそうな表情のジェーンは、この気持ちを思い出させてくれたエドウィンのことも気に入った様子でした。 彼女の気味の悪さを感じながらも、貧乏なために報酬さえもらえればと割り切っていたエドウィン。その後ジェーンの車で彼を家まで送り届けることに。 誰もいなくなったのを見計らい自室を出たブランチ。ジェーンの部屋に入り、何か食べ物は無いかと漁っていました。少量のチョコレートがあったので、むさぼるように食べていると妙なことに気付きます。ブランチのサインを何度も何度も書きなぐっている紙を発見したのです。どうやらブランチの名前で小切手を偽造していたよう。 【転】 もうこれ以上は耐えられないと、昨日は諦めた階下まで何とか降りようと決意します。手すりに全体重を預け、腕の力だけで少しずつ降りていくブランチ。汗だくになりながらも何とか下まで降り切ったブランチはかかりつけの医師に電話し、ジェーンの異常な状態を伝えました。 すぐに来てくれるという回答を得て、ホッとしたブランチの背後にはジェーンの姿がありました。怒り狂うジェーン。彼女を殴り、猿ぐつわを噛ませ、2階のベッドに縛り付けます。 その後、ブランチの声色を真似て医師に電話するジェーン。もう大丈夫だからと往診を断ってしまいます。 翌朝、エルヴァイラを家に迎えたジェーンは、もうこの家を引き払うからと彼女に暇を与えます。戸惑いながらも出て行くエルヴァイラ。しかし、どうも嫌な予感がした彼女は、一度は帰りかけたもののまた戻ってきて、ジェーンが家を出るのを確認してから合鍵を使って家の中へと入っていきます。 エルヴァイラが2階のブランチの部屋の扉を開けようとしましたが、鍵がかけられていて開きません。 そうこうしている内に戻ってきたジェーンが外でベイツ夫人に声を掛けられ、メイドの話題になりエルヴァイラが戻ってきたことを知ります。 血相を変えて2階へ向かったジェーン。エルヴァイラとの言い争いの末、仕方なく鍵を開けることにしました。しかし、エルヴァイラが縛られたブランチの姿を見て驚いてる隙に、ジェーンは彼女を撲殺してしまいます。 死体を始末しようとしていたその時、訪問者がありました。外を見るとエドウィン姿が。「悪いけど開けられないのよ…」と涙を流しながら、彼が諦めて帰るのを息をひそめて待ちました。 その後、死体を何とか車のトランクに運んだジェーンの下へエルヴァイラが行方不明だということで警察から連絡が入ります。焦りながらも何とか切り抜けると、なぜかブランチに今後どうすべき相談します。 ブランチの猿ぐつわを解いたジェーン。するとそこへ誰かが訪ねてきました。エドウィンがまた来てくれたんだと喜んだジェーンが玄関を開けると、そこにいたのは2名の警察官でした。 しかし、彼らの目的はエルヴァイラのことではなく、泥酔したエドウィンが家の前をうろついていたのを、不審者だと思い保護したのです。 ジェーンがその誤解を解き、警察官は帰っていきました。彼を招き入れ、ジェーンが飲み物をキッチンで用意していると、2階から聞こえた物音に誘われ、酔ったエドウィンが上がっていってしまいます。 そしてブランチの悲惨な姿を見てしまったエドウィンは家から飛び出し、逃げていきました。全てが明るみになると悟ったジェーン。 そのことで、今まで何とか保っていたジェーンの精神状態は崩れ去っていきました。ブランチを連れ出し、車で海岸へと向かいます。 翌朝、エルヴァイラの死体発見とジェーン/ブランチ姉妹の失踪事件がマスメディアでも報道され、本格的な捜査が開始されました。 その頃、姉妹は海辺のビーチを訪れていました。息も絶え絶えで砂浜に寝そべるブランチ。ジェーンは子供のようにはしゃぎ、砂遊びをしていました。 【結】 もう長くは無いと悟ったのか、ブランチはジェーンにある告白をします。それはあの事故の真相でした。 世間では、ジェーンが車でブランチを轢いたということになっていたのですが、真相はまるで違うものだったのです。 実は車に乗っていたのはブランチの方でした。ジェーンが門を開けるために一旦降りた所をブランチが轢き殺そうとしたのです。しかし、ジェーンがそれを避け、ブランチを乗せた車は門へ正面衝突してしまい、彼女は外へと投げ出されました。 ブランチはそれをずっと言えないでいました。ジェーンの人生を狂わせてしまったのは私なのだと告白したブランチ。初めてジェーンに謝罪の言葉を伝えました。 しかし、ジェーンは一瞬複雑な表情を浮かべたものの、彼女の話が全く頭に入ってきていない様子でした。子供のような表情を浮かべて、アイスクリームを買ってあげるとブランチに持ち掛けます。 ビーチに開いていたスタンドまで向かったジェーン。アイスクリームを2つ注文してブランチの下へ戻ります。 ちょうどそのスタンドにいた警官がジェーンに気付き、彼女にブランチはどこかと尋ねてもあまり伝わっていない様子でした。急いで応援を呼ぶ警官たち。 何やら騒ぎでも起きているのかと、周囲にも野次馬がぞろぞろと集まってきました。それを見たジェーンは観客が集まってきたと思い込み、突然踊り出します。まるでかつての“ベイビー・ジェーン”の栄光の時代が戻ってきたかのように。 The End_Cinemarche 第35回アカデミー賞 白黒部門衣装デザイン賞 受賞 みんなの評価 3.96/5.0 最高 (^0^) 素晴らしい全く古くない! 今観ても充分楽しめる映画でした。 最低 ( ` 3´) 古い映画でも名作多数有りますでも、この映画は評価出来ません。
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