投稿者:ばかはげ
煙農祭
とある山村で春先に行わている奇祭
昔、飢饉の際、神掛かった実装石が現れ、教えられた場所を調べたところ、食用の蔓草が見つかり、全滅を免れた…
そんな言い伝えに基づく祭りで、数百年前から続けられていると言われている
村で共同で飼育されている実装石のうち、言い伝えにある「1尺3寸」の実装石数匹が選ばれ、禿裸にされる
禿裸にされた実装石(その年により数は異なるが大体4~6匹)には3日3晩、馳走が振る舞われる
そして4日目の日の出の頃に神社内にある小屋に入れられる
小屋の中では薬草を燻した煙が焚かれており、時折薬草の補充に巫女が立ち入る以外は閉め切られている
薬草の煙を吸った実装石はやがてトリップ状態となり、泣いたり笑ったり叫んだりと奇行をするようになる
そして日没を迎える頃には、小屋の中の実装石達は前後不覚の状態で、意味がない言葉を繰り返すようになる
その言葉を神職が聞き届け、その年の作物の出来を占うのだ
占いに使われた実装石達は輿に乗せられ、村を一周した後に神社に戻り、生きたまま内臓を抜かれ、偽石を砕かれる
内臓を抜かれた実装石は乾燥の後、翌年の祭りの前日まで、神社でご神体として奉られる