投稿者:shin1t
我が舎の山羊達は夜でも採餌する事が出来ます。
山羊舎の中に限らず外でも歩いたり採餌したりすることが出来ます。
夜中にヘッドランプを当てると山羊達の目は青い光を反射します。
これは眼球の中にタペタム: tapetum(輝板)という反射板のような膜があるからだそうです。
このタベタムによって少ない光を眼の中で増幅するので犬や猫と同じ様に暗くても見えるのだそうです。
また明るい時の山羊の瞳孔は横長です。いわゆる貯金箱の入れ口のようになっています。(雑食性のヒトの瞳孔は円・肉食性の猫の瞳孔は明るい場所では縦長)
暗くなると大きく拡がり丸く変わります。
これは広い視野を得るのに役立っているようです。
何でも振り返らなくても背後の物が見えるのだそうです。
但し後ろの物を見る時にはチャンと振り返って見ていますから恐らく気配が判る程度ではないかとは思っています。
聴覚や嗅覚に加えて視覚さえも私を大幅に上回っています。
しかしそれでも、私の方が優れていると思える点が有ります。
どうやらそれは色覚です。
山羊達は果物をよく食べます。
殆どの果物は好物です。
しかし、給餌した果物は勢い良く食べますが、自然に生っている果物を採餌するのは非常に下手です。
果物に対しては目も鼻も急に力が無くなります。
赤いサクランボやノイチゴの実が見えないのです。
先日はミニトマトを探すのに随分時間を掛けていました。
山羊達は熟れていない緑色のままのトマトも好物です。
色弱だから赤い実が見えないとして、熟れていない実が見えるという訳でも有りません。
赤い実も青い実も共に上手く探せないのです。
私達霊長類の視覚を担当する脳の部分で最も発達しているのは、「目で見てものを捕らえる」ための領域だそうです。
具体的には、前方を注視し、近くのものを背景から浮き上がらせ、また保護色によって隠されたものを見つけるための部分だそうです。
なるほど、我が舎の山羊達が、好物なのに果物を中々見つけられないのは、この所為だったようです。