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投稿者:はっちん
新型コロナのエビデンス 元記事URL⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/ 岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)  テレビでは語られない世界の最新情報を独自に分析  正しい情報を偏りなく 今週の新情報 (2024.3.11) Q&A エビデンスの中間まとめ:第三回目 当ホームページでは、新型コロナワクチンにかかわる話題を多岐にわたり紹介してきました。その情報量も非常に膨大なものとなってきましたので、3回に分けて「中間まとめ」を行っています。今週は、その第三回目として、新型コロナワクチンの有効性を示したとされる学術論文にデータの改変や印象操作が行われていたことを示す証拠を、過去の記事から厳選しました。 いかなる医療行為も、ランダム化比較試験によって初めて効果と副作用を実証することができます。対象者を公平に2群にわけ、その一方にたとえば本物の薬を、他方には偽薬(プラセボ)を使いながら追跡して、結果を見届けるという方法です。ファイザー社とモデルナ社のワクチンの場合、どちらも論文はひとつずつしかありません(文献1,2)。 次の表<①>は、有名な「有効率95パーセント」の根拠とされるファイザー社の論文で提示されたものです。このデータから (1-(8÷18198)÷(162÷18325))×100という計算をすると、約95パーセントになります。 <表①⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/effect1.jpg >   しかし、この論文に対しては、発表後、無数のクレームが寄せられました(文献3など多数)。そのひとつは、新型コロナの症状がありながら、PCR検査を行っていなかった事例が「ワクチン接種ありの群」で1,594例、「接種なしの群」で1,816例もあり、これを含めて有効率を計算し直すと19%になってしまう、という指摘でした。この指摘が正しいことは、ファイザー社が当局に提出した資料からもあきらかです(文献4)。次表<②>は、この人数を加えて私が修正したものです。 <表②⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/effect2.jpg >   次に、同論文には「ワクチンは重症化を防いだ」とも書いてありました、その根拠は、重症化した人が「ワクチン接種なしの群」で9人だったのに対して 「接種ありの群」で1人だったから、というものでした。この記述が間違っていることは、私もすぐに気づき当ホームページで指摘したところです。 <表③⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/effect3.jpg >   正しくは、上の表<③>で示したように、「ワクチン接種ありの群」では、感染した8人中1人が重症化していたため重症化率は1÷8で12.5%です。一方、「接種なしの群」では9÷162で5.6%です。つまり正しい解釈は、「ワクチンを接種した人が感染すると、より重症化しやい」ということだったのです。その後、この問題は、世界中の多くの研究者によって指摘されるところとなりました(文献5など多数)。 この論文には、ほかにも問題がいろいろあります。ファイザー社がとった有効率の計算法を、次図の1つ目の例題<図④>に当てはめてみます。(1-(5÷100)÷(10÷100))×100という計算から答えは50%となりますが、2つ目の例題<図⑤>のように調査対象が1,000人でも、答えは同じになってしまいます。たとえ100万人だったとしても同じになるのですから、おかしな話です。 <図④,⑤⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/absolute.jpg >      この計算法で得られる有効率は、相対リスク減少率と呼ばれます。実は、有効率の計算には別の方法がもうひとつあり、上図の1つ目の例題に対しては、次のような計算を行うものです。  (10÷100 - 5÷100)×100 = 5% 上図の2つ目の例では0.5%となり、1,000人にワクチンを打っても5人しか予防することができないことがわかり、よい現実感があります。この計算法でえられる有効率は絶対リスク減少率と呼ばれます。 どちらも間違いではなく、教科書にも載っている計算法なのですが、ファイザー社の論文で前者が採用されたのは、あきらかに見た目をよくするため、はっきり言えば人心を惑わすためだったでしょう。この点も、その後、多くの学術論文で批判を浴びることになりました(文献6など多数)。 製薬企業は、このように人々の信頼を裏切る行為を行ってきたのですが、極めつけは、論文発表の後、食塩水を注射したプラセボ群の人たち全員に、ワクチンを接種していたことです(文献7)。 この行為が何を意味しているかと言えば、いつの日かワクチン接種群の人に重大な異常を認めたとしても、比べる相手がすでにありませんから、「単に年のせい」にして、異論を封じることができます。生き証人ともいえる大切な存在が、いわば意図的に消されてしまったのです。 次の表<⑥>は、妊娠中に新型コロナワクチンを接種すると、流産が増えるかどうかを報じた別の論文から再現したものです(文献8)。赤枠で囲んだ数値から、妊娠20週以内で接種した場合の流産は、過去の報告値に比べて多くはないことを示しています。 <表⑥⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/abortion.jpg >    しかし、この論文にも世界中から批判が殺到しました(文献9など多数)。論文中、表の下に「827人中、700人は妊娠20週以降に接種した」と、小さな文字で記述されていたのです。したがって、正しくは827人から700人を除いた127人が分母となり、流産の率は82%と計算すべきだったのです。 さらに「過去の統計値」のほうも間違っていました。過去の報告値は、どの文献を調べても10%くらいとしか書かれていません。つまり正しい結論は、「妊娠10週以内に新型コロナワクチンを接種すると流産が8倍以上も高まる」というものだったのです。 <表⑦⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/abortion2.jpg ←論文改訂後 >    ワクチンメーカーに限らず、世界の巨大製薬企業は、健康に対する人々の期待を裏切る行為を繰り返してきました。そのため消費者から無数ともいえるほどの裁判が、米国を中心に起こされています。その多くは原告勝訴となり、企業側には巨額の賠償金支払いが命じられてきました。具体的な事例は枚挙にいとまがなく、文献10,11に詳述されていますので省略します。 2つのランダム化比較試験の論文が発表されたあと、「新型コロナワクチンは有効」と主張する研究が多数行われましたが、すべてテスト・ネガティブ分析(後ろ向き調査のひとつ)によるものでした。この分析法については、令和5年9月4日付の当ホームページ(※1)で解説したとおり、正当性が科学的に保証されないものであることを、改めてつけ加えておかなければなりません。 (※1:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page4206#4243 ) さて、3回にわたる「中間まとめ」はこれで終了です。いずれも裁判を想定し、取り上げた参考文献も証拠書類として利用できるように説得力のあるものを厳選しました。これまで当ホームページで紹介した際には若干の誤用もあったため、改めて各文献を精読し、正しい解釈をここにまとめたものです。 次回からは、再び最新情報をご紹介していく予定です。 【参考文献】 1) Polack FP , et al., Safety and efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 vaccine. N Engl J Med, Dec 31, 2020. 2) Baden LR, et al., Efficacy and safety of the mRNA-1273 SARS-CoV-2 vaccine. N Engl J Med, Feb 4, 2021. 3) Doshi P. Pfizer and Moderna’s “95% effective” vaccines – we need more details and the raw data. BMJ Opinion, Jan 4, 2021. 4) https://www.fda.gov/media/144246/download. Dec 10, 2020. 5) Pharm XW. Safety and Efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 vaccine, To the Editor. N Engl J Med, Feb 17, 2021. 6) Olliaro P, et al., COVID-19 vaccine efficacy and effectiveness - the elephant (not) in the room. Lancet. Apr 20, 2021. 7) Thomas SJ, et al., Safety and Efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 vaccine through 6 months. N Engl J Med, Sep 15, 2021. 8) Shimabukuro TT, et al., Preliminary findings of mRNA Covid-19 vaccine safety in pregnant persons. N Engl J Med, Jun 17, 2021. 9) Sun H, On preliminary findings of mRNA Covid-19 vaccine safety in pregnant persons. N Engl J Med, Oct 14, 2021. 10) 岡田正彦, 『本当に大丈夫か、新型ワクチン―明かされるコロナワクチンの真実』, 花伝社, 2022. 11) マーシャ エンジェル著/栗原千絵子, 斉尾武郎共監訳, 『ビッグ・ファーマ 製薬企業の真実』. 篠原出版新社, 2005.        
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