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投稿者:CB
ペットロスというのは良く聞く事態である。さらにグリーフケアを要する親しい人との別れはもっと重大な問題であり、死生学に委ねるべき課題と思う。 それらに比べたら通常あまり問題にならなそうな「ツリー」ロス感情に見舞われた。 医院を開けて以来、最初ゴールドクレストの木を室内に置いてその後ベランダに移した。観葉植物の一つとして特にそれを意識することはなかった。実際に2鉢あったのだが、比較的早い時期に1本は枯れてしまったのだった。この時は特に印象にも残っていない。プロの植木職人に頼んで始末してもらったと思うが記憶にも残っていない。 そういう訳で1本だけ残っていたゴールドクレストは年ごとに成長し、上の階のベランダの床に梢が触れるくらいの大きさに育っていた。高さにして3mくらいあったかも知れない。 そしてそのゴールドクレストの下に集っていたキジバトの番(つが)いが枯れ枝などを集め簡単だが巣を作り、産卵した。2~3回卵を見たが、そのうち1回だけだが、卵が孵った。以前本掲示板に載せたかと思う。 やがて子鳩も成長し旅立ったが、今度は自らのパートナーを連れて戻って来た。しかし今度はなかなか産卵に至らず、そのうち建物の大規模修繕工事が始まった。ベランダはウレタン防水施行ということになり、植木鉢は吊されて床から浮いた状態で数日間を過ごすことになった。防水工事中植木の水やりはウレタンの乾燥などの妨げになるのでせぬよう現場監督に言われていた。 植木の水やりはそれまでも必ずしも毎日ではなく、休診日は行っていない。それが連休・年末年始となると数日水やりをしなかったこともあり、別に大して問題あるまいと高をくくっていた。 しかし何がいけなかったのか、ゴールドクレストは末端の葉から枯れ始めたのだった。みるみるうちに全ての葉が黄色~茶色に変わってきた。葉が枯れても木としては生きているのではないかと期待を繋いでいたが、葉は茶色のまま、緑色の葉が戻ることはなかった。ネット記事を見て小枝を折ってみたり幹の皮を少し剥いでその中が乾いていたらもう木の枯死の由。その通りだった。 このゴールドクレストは私のいつも座る場所の前にあった。暫くの間枯れたこの木を見ていることになった。辛かった。なぜ枯らしてしまったのか、木に申し訳ないという感情に苛まれた。 またプロの植木職人に全て依頼しても良かったのかも知れないが、自分でこの木を供養することにした。マキタのチェーンソーを買い求め、枝を殆ど払い、最後に幹を切断した。最初は抜根を考えたので、これもネット記事にあるように数十センチの高さまで残し、それをテコに動かし鉢から抜き出すつもりだった。しかしとても根は動かず、鉢の中で根を土に返すことにした。幹を根ぎりぎりで再度切断、これを縦に切って他の鉢の台とした。 自分の前から木が無くなったのが寂しかった。 ネットを見て育てやすい、初心者向けとまで書いてあるエレガンテシマに目をつけた。ゴールドクレスト同様成長が早く大きくなるとある。 ホームセンターで鉢や土等を購入、木も園芸のお店を探すのでも良かったが、結局木も土も鉢も、全てネット購入となった。 大きく根を張ることを期待して大きな鉢を選んだ。記事通り石を敷き土をかぶせ途中で届いたエレガンテシマを置く。さらに土をかけて完成。 届いた木は1.5mくらい、鉢に植えたところで私の身長とちょうど同じくらいである。1年に30cm伸びるという記事もあるが、毎日見ているとなかなか伸びない。いつまで経っても私の身長とまだあまり変わりない。 それでも毎日の水やりに努め、さらにハイゴケ(這い苔)を購入、鉢の土の上に植えて雑草の抑制を図っている。これからちゃんと育ってくれるのだろうか。 日照も少なく気温も低い今の時期も、特に葉が落ちたり枯れることもなく、エレガンテシマはじっとしている。毎日見つめられていると成長しにくいのかも知れない。
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