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投稿者:ミカエル・ハフストローム
[YouTube:WIASqPZqnhs:R] 1408号室(原題: 1408 米国) 2007年 全米興行収入ランキング38位 アメリカ各地の超常現象などをルポしていたマイクのもとに、一通の手紙が届いた。その内容はドルフィンホテルの1408号室には絶対に入ってはならないというもの。好奇心をかき立てられたマイクはホテルに出向き、入るのをやめさせようとする支配人のオリンを説得し、何とか1408号室に入るが… 監督 ミカエル・ハフストローム 脚本 マット・グリーンバーグ、スコット・アレクサンダー、ラリー・カラゼウスキー 音楽 ガブリエル・ヤレド 主演 ジョン・キューザック(マイク) 原作 スティーヴン・キング 『一四〇八号室』 上映時間 106分 登場人物 マイク・エンズリン: オカルト作家。 リリー・エンズリン: マイクの妻。 ケイティ・エンズリン: エンズリン夫妻の娘。 ジェラルド・オリン: ドルフィン・ホテルの支配人。 【起】 マイク・エンズリンは、かつては父子の交流を描いたフィクション小説などを書いていたが、幼い娘を失ってから、全米各地の心霊スポットを取材してはその真相を本にして出版するようになっていた。 ある大雨の夜、マイクは道に迷いながら〝ウィーピング・ビーチ・イン〟というフェアフィールド郡境の近くの僻地にある、古いホテルに行きました。ホテルのオーナーである老夫婦は、マイクを歓待します。マイクが取材話を持ちかけると、老夫婦は競って話を始めました。 ホテルの階段で1860年にメイドが○○を吊り、元々は使用人の部屋だった屋根裏では、メイドの子どもたちが全員死んだとか、以来、深夜12時ぴったりに女性の泣き声がするとか、1986年に客が心霊写真を撮ったとか…。 それを聞きながら、内心マイクはうんざりしていました。あまりにも「よくある話」だからです。 それでもホテルに宿泊し、右耳に挟んだ煙草を灰皿に置くと、酒を飲みつつ部屋のチェックは怠りなくします。それが仕事だからです。煙草は「禁煙のあかし」で、核戦争が勃発したら吸うと決めています。 いつも持ち歩くテープレコーダーに淡々とレポートを録音したマイクは、幽霊が出るかと確認もしますが、何事も起こらないまま晴れた朝を迎えました。 ホテルをチェックアウトしたマイクは、マイクなりの恐怖度ランク〝6ドクロ〟と評しかけて〝5ドクロ〟に訂正しました。 『幽霊ホテル10』『幽霊墓場10』『幽霊灯台10』『幽霊サバイバル・ガイド』…たくさんの本を出しましたが、マイクにとって心霊スポットは単なる仕事の取材場所で、幽霊が出るなどという噂は、ホテルが客寄せにするものなのだと思っています。 なによりも…あの世とか天国とか地獄とか神とか幽霊とかいった存在を、マイクは信じていないのです。娘を失う前も、そして現在も。 現在マイクはLAのハモサビーチ近くに住んでおり、昼間はよくサーフボードをしています。 ある日マイクは頭上に宣伝ののぼりを掲げた飛行機を見つけ、宣伝の文字を読もうとした瞬間に波に呑まれて溺れました。他の男性海水浴客が駆け付けてくれます。 郵便局に行ったマイクは、顔なじみの郵便局員にあいさつしながら自分用の郵便受けを受け取り、カフェで郵便物をチェックしました。 ある絵葉書が届いていました。そこには「NYドルフィンホテル1408号室に入るな」という文字だけが書かれていました。 試しにホテルに電話をして宿泊予約を入れようとしたマイクは、日にちを言う前から「ふさがっております」と断られます。 不思議だと思ったマイクが新聞記事を調べると、そのホテルの1408号室には「ホテルの窓から投身自殺 1938年12月6日」など、変死の相次ぐ部屋でした。 【承】 俄然、やる気を出したマイクは友人のサムに電話し、クレイ弁護士を紹介してもらって「ホテル側は宿泊の拒絶はできない」ことを聞き、それでも宿泊拒否をするようなら訴えるぞと脅せと教わって、強引に宿泊予約を取ります。 友人のサムはマイクを心配しました。ホテルがあるのはNY…娘・ケイティが死んだ土地だからです。マイクにとって娘の死はそれほどショックだったのです。 マイクは「短い滞在だから大丈夫」と答えて、NYのドルフィンホテルに向かいました。 受付でマイクの応対をしたフロントの女性は、パソコンに「支配人に連絡すること」の赤い文字が出てきて奥に引っ込み、オリン支配人を呼びます。 オリン支配人はマイクを支配人室に通すと、とにかく1408号室に泊めたくないという最後の抵抗をしました。年代物のコニャックで気をそらしたり、スイートを用意するからそちらに泊まれと言ったりします。 マイクが1408号室に頑として泊まると主張すると、オリン支配人は今度は脅しにかかりました。 ドルフィンホテルはホテルプラザほど一流ではありませんが上流の部類に入る格調高いホテルで、常に宿泊予約は9割方埋まっています。怪奇現象を売りにして客を呼ぶ必要はないのです。 オリン支配人は「私の在職中に宿泊客が4人は死んだ」と告げ、その後、宿泊予約を禁止したことをマイクに告げました。 マイクも事前の調査はしています。最後に死んだ宿泊客は躁鬱病を持つ歯科矯正士で、手首と性器を切断したと、すらすら言います。 しかしマイクが知らないこともありました。マイクの調査では「飛び降り7人・薬4人・自殺5人・切断3人・窒息2人」…しかし新聞沙汰にならなかった「自然死22人」があり、実質的には今まで1408号室に宿泊した56人の客が死んでいるのです。 オリン支配人はそれらをまとめた資料ファイルをマイクに渡し、これを本にして出版してもいいから1408号室に泊まるなと最後の警告をしますが、マイクは資料とコニャックを受け取ると部屋へ行きました。オリン支配人は「邪悪に満ちた部屋だ」と言ってエレベータに一緒に乗りますが、14階に着くとフロアには降りたがらず、エレベータの中で見送りました。 フロアに降りたったマイクの目に入ったのは、乳母車を押す白い服を着た若い女性です。資料をチラ見しながら1408号室を探したマイクは、部屋に入る前にもう1度先ほどの女性を見ました。女性は隣室に入ります。 1408号室は、至って平凡な部屋でした。ライトをつけ、ドアを閉めたマイクはいつものように右耳に挟んだ煙草を灰皿に置くと、早速テープレコーダー片手に全ての部屋を見て回りますが、普通のホテルのように机の中には聖書もあり、テレビにはアダルトチャンネルもあり、冷蔵庫を開けてみても変化はありません。壁紙も花柄で、飾られている3つの絵も「海に浮かぶ帆船」「老婦人と子ども」「犬を使って狩りをするイギリス貴族」の絵で、ありきたりな部屋です。 【転】 上下に開閉するタイプの窓を開けて外を眺めたマイクは、直後にカーペンターズの『愛のプレリュード』が大音量で流れたので、びっくりして頭を窓の上部にぶつけました。 誰かの仕業だと思ったマイクは部屋を捜索しますが、誰もいません。通風口も見てみますが、特に異変はなさそうです。 しかしさっき手を洗った後に拭いたトイレットペーパーがきちんと折りたたまれ、食べた筈のチョコの包み紙がごみ箱から消えていました。 部屋が暑くなってきました。エアコンの温度が摂氏28度に固定されていて、温度が調節できません。フロントに電話して、修理の人を寄越すよう言いました。 その間にマイクはALS(特殊光学機器)のライトで、部屋の血液反応をみます。青い光に照らされ、あちこちに血痕が浮かびました。マイクはだんだん弱気になってきます。 ドアがノックされてエアコンの修理人が来ましたが、黒人男性は「部屋には入らない、指示するから直してくれ」と言いました。彼の言う通りにコイルの上にある水銀のチューブを軽く叩くとエアコンは直りましたが、礼を言おうとマイクが顔を向けるともう修理人はいません。さっさと部屋から退散する後ろ姿がありました。 酒を飲もうとしたマイクは、横に置かれたラジオつき時計のデジタルのライトがつき、カーペンターズの曲と共に60:00からカウントダウンを始めるのを見ます。オリン支配人の「1時間もった奴はいない」という発言が脳裏をよぎり「効果的だ」と思ったマイクですが、その時変な音波を聞きつけます。 窓の外に身を乗り出すと音が聞こえなくなりましたが、部屋に戻ろうとした時、ドアが閉まって左手首が挟まりました。痛みに耐えかねて洗面所で水を使うと、いきなりぶしゅーっと湯が出て止まりません。バスタオルをかけてごまかします。 その間に部屋ではまたカーペンターズの曲が流れ、苛立ったマイクは時計のコンセントを外しますが、カウントダウンは続きます。 電話があり「サンドイッチ遅れます」と意味不明な連絡があり、再びの電話で「チェックアウトなさいますか」と訊かれます。嫌がらせみたいに連発されます。 耐えかねたマイクが部屋を出ようとドアノブを回しますがドアは開かず、鍵穴にナイフを差し込みますが効果なく、ドアノブが取れました。半狂乱でドアを叩きますが意味はなく、窓から助けを呼びますが効果ありません。 ホテルの向こう側に明かりがついているのを見たマイクは、ジェスチャーで助けを求めました。相手は窓際に近寄って来ますが、マイクの真似を始めます。別人なのに全く同じ動きをするのです。相手側の背後に何者かが自分を襲ってくるのを見たマイクは、慌てて後ろを振り向きますが、誰もいませんでした。次の瞬間、向かいの部屋の明かりは消えました。ホテルの部屋からライトを落下させ、地上の人に気づいてもらおうとしますが、落ちた音がしません。 TVがつき、マイクが幸せだった頃の娘・ケイティと妻・リリーとの映像が流れました。マイクは現実感を喪失していると感じ、酒かチョコに何か薬物を盛られたことによる幻覚だと思いました。資料に出て来た、飛び降り自殺の男がモノクロで現れ、窓から投身自殺します。赤いシャツに緑のスカートをはいた中年女性も現れ、泣きながら窓から飛び降りました。 隣室から赤ちゃんの泣き声が聞こえ、マイクは頭を抱えます。浴室には車椅子に乗ったありし日のマイクの父が現れ「お前のように私は生きていた。私のようにお前も死ぬぞ」と言います。 これは悪夢なのだとマイクは思い、夢では死なないと繰り返します。壁に亀裂が入り、血が流れ落ちます。 隣の窓までの距離を歩数で計算したマイクは、足の幅ほどのスペースを伝って、窓から隣室への窓への脱出を試みます。部屋のホテルの間取り図で確認し、おそるおそる壁を伝いながら進みますが、隣室の窓などありません。左側にも右側にも窓はありません。マイクはパニックに陥りました。 それでも平静を保ちながら元の窓に戻ると、先ほどの赤と緑の女性が投身自殺する幻影に出くわし、ぎょっとします。落ちそうになりましたが、かろうじて手と腕でしがみつきました。窓が閉まりかけ、慌ててマイクは部屋に身を入れます。フロアの見取り図は1408号室以外、真っ黒に変わっていました。 またTVがつき、娘・ケイティに脳腫瘍が見つかった時の映像が流れます。 部屋の明かりが消え、今度は寒くなりました。こごえそうです。 【結】 携帯電話は電池切れで、パソコンを起動させたマイクは、妻・リリーとのパソコン通話に成功しました。妻・リリーは1年も消息を絶っていた夫・マイクのことを怒り、相手にしてくれません。それでも必死でマイクはホテルの場所と名と号室を言いました。スプリンクラーが作動し、パソコンが駄目になります。 スプリンクラーを壊して水を止めたマイクは、椅子に乗って通風口のねじを回して開け、虫だらけの通風口を伝って隣室へ行こうとします。 隣室の女性はなんと、過去の妻・リリーと赤ん坊のケイティでした。しかも半分ミイラ化した眼鏡をかけた男性が追ってきて、マイクは慌てて通風口から部屋に戻ります。 冷蔵庫を開けると、支配人の部屋が見えます。「(俺を怖がらせることに)満足したか」と罵ったマイクは、聖書を手に取り「お前の勝ちだ(神を信じるよ)」と言って開きますが、聖書は白紙になっていました。 部屋は氷点下で壁一面凍ってしまいました。マイクは部屋の中央で毛布をかぶり、トランプを燃やして暖を取ります。 パソコンからリリーの声がしました。パソコンは壊れていませんでした。リリーは警察に通報したことと、自分もあと15分でホテルに着くと言います。時計を見るとカウントダウンは14分を切っています。パソコンの中に偽のマイクがおり、勝手にリリーに「1408号室に来い」と誘います。リリーは騙され、騙したパソコンの偽のマイクは、ウインクすると消えました。 部屋が勝手に崩れていきます。狩りの貴族の絵も、老婦人と赤子の絵も皆、驚きの顔に変化しています。犬まで驚いています。 スプリンクラーから再び水が降り注ぎ、船の絵から水がどばーっと流れ出てマイクは遭難しそうになります。 光の指す方へ泳いだマイクの目にサーフボードが映りました。 …気がつくと、マイクはハモサビーチの海岸に寝転がっていました。飛行機の宣伝文字は「格安保険は1408」でした。マイクは気を失い、もう1度目覚めるとLAの病院で、妻・リリーが付き添っていました。 退院したマイクは車の違反切符の600ドルに立腹しつつも、妻・リリーに今まで見ていた悪夢の話をし、リリーは本にしたらどうかと言います。マイクは気づきませんが、リリーといるディナーの店員は、赤と緑の服の女性です。 マイクは悪夢の内容をしたため、原稿を出そうと郵便局に行きました。しかし窓口の郵便局員は馴染みの人ではなくフロントの人で、マイクが不審に思っていると郵便局の人たちが局の壁を破壊し始めます。まだ1408号室にマイクはいるのです! マイクは「俺は部屋を出た」と連呼し、ドアが部屋の中央に現れ「開けてみろ」という声がします。開けると、地獄の業火が見えます。 「寒いの」の声に振り返ったマイクは、死んだ筈の娘・ケイティと会います。「行かないと叱られる」と言うケイティを「誰もお前を連れていかない。愛してる」と抱き締めるマイクですが、ケイティはマイクの腕の中で死んでしまいました。「2度も殺さないでくれ」とマイクは絶叫します。あと3分で1時間経過です。 カーペンターズの曲がまた流れ始め、大音量にびくっとしたマイクがケイティを強く抱きしめると、ケイティは土くれになりました。 壁から光が差し込みます。マイクは怒りまくりました。カウントダウンは0になります。 部屋は元に戻りました。時計は60:00からカウントダウンを開始します。電話が鳴り「お客様のご要望により、何度も追体験できます。チェックアウトもできます」と告げました。 部屋の中央には縄が用意され、ケイティの墓の横に、マイク用の墓まで用意されます。 「ご準備できましたか?」という電話の声に「断る」と答えたマイクですが、「奥様があと5分で着きますのでご案内します」と言われて焦ります。1408号室に入ったら最後、リリーまで同じ目に遭うからです。 受話器は自然に溶けました。 覚悟を決めたマイクは「死ぬ時はお前(1408号室)も連れて行く」と言い、ウォッカの瓶に背広の切れはしを差し込んで火炎瓶を作り、部屋に投げました。部屋は燃え上がります。 その横で、マイクは核戦争が勃発したら吸うと決めていた煙草を吸い始め、「恐怖度は10ドクロを進呈する」とレコーダーに吹き込みました…。 …ドルフィンホテルは火災報知機が作動し、他の客室は避難を開始します。マイクはソファの下で笑っていました。消防隊がマイクを救助しますが、マイクは「あの部屋には入るな」と言って気絶します。 1408号室のドアの数字は炎で溶け、オリン支配人は「よくやったよ、エンズリン(マイク氏)」と呟きました。 マイクはNYの病院で目覚めます。横には妻・リリーが付き添っていました。まだ半信半疑のマイクですが、リリーは「古い配線が出火原因らしい」「ドルフィンホテルは休業中」と言いました。 マイクは心霊話の作家をやめようと決意します。 退院したマイクはリリーのところに身を寄せました。ホテルの部屋で起きたことをリリーに話しますが、信じてはもらえません。 ホテルにチェックインした時の荷物を処分しようとしたマイクは、レコーダーだけ残します。 カセットを再生すると、マイクの声とともに、ケイティの声も録音されていました。それを聞いて驚いたリリーに、マイクは「ほらね」という顔をしました。 The End _hmhm ○○は禁句らしい・・・
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