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フィンランド・ハメーンリンナ スレッド
ナレーション 投稿日:2019年09月16日 23:44 No.2432
フィンランド南部、ヘルシンキの北に位置する都市、ハメーンリンナ……

かつて国土の2割を領有していた国内最大の大貴族・ハメ公爵の居城・ハメ城が在するこの都市は、先のハンソン攻勢により、ヴィロライネン政権の支配から奪取された。
ヘルシンキ攻略の拠点として、急ピッチで軍事拠点化が進む中、密かに紛れ込んだ客人が一人……


ストックホルムのスパイ 投稿日:2019年09月16日 23:45 No.2433
トゥルクのタルヴェラ将軍の不可解な兵站事情を調査した結果。
そしてフィンランドの【何らかの手によって】組織的に民間にばらまかれた武器の出所をたどると、必ずこのハメーンリンナにたどり着く……

ハメーンリンナ、ハメ城……
フィンランド屈指の大貴族の拠点。ここに何らかの証拠がある可能性が、高い。
警備が厳重でどうしても近寄ることが出来なかったが、
ラプア軍が撤退し、オウル政府の連中が出払っている今が潜入のチャンスだ。


ストックホルムのスパイ 投稿日:2019年09月16日 23:47 No.2434
ここは……城の区画、村落数個分の規模が丸ごと武器庫になっている!?

こっちは、ドイツ製のアサルトライフル……
こちらは、フランス製の迫撃砲、
これは!!スウェーデンの対戦車砲!!
違う、これは武器庫なんかじゃない。この武器は、【輸入されたのではなく】【ここで密造された】んだ。

つまり、ハメーンリンナは、フィンランドの武器密造の拠点……
しかも、「密かに」行うというような、そういう規模ではない!

「この地の権力者が」「公然と」「計画的に」行わないと不可能な規模だ。
あぁそうか、そりゃそうだよな。あの新兵君が、ただの看護師に向かって【スオミの大砲】などという筈だ!ここまで公然と権力者がやっていれば「疑う筈もない」!
アルフベン室長が追っていたわけだ。これが明るみに出ると――

(ガタン!!)
誰だ!!?うわデカッ!


フィンランド内相 ハメ公エライウス 投稿日:2019年09月16日 23:48 No.2436
(ヌゥゥゥン)

誰だ、とは失礼な。私はハメ公エライウス、ここは「私の居城」だ。
貴様こそ、どこのネズミだ。


フィンランド補給総監大将・アイロ 投稿日:2019年09月16日 23:49 No.2437
フィンランド陸軍補給総監大将、アイロだ。
貴様はストックホルムのネズミか。味方の腹をこそこそ探るとは、見下げた真似だ。

(狭いな…。ハメ公爵太りすぎでは…。)


ストックホルムのスパイ 投稿日:2019年09月16日 23:50 No.2438
貴方は!フィンランドのエライウス内相!アイロ補給総監!
馬鹿な!まだオウルにいるはずでは!?

クソッ!逃げないと。


フィンランド内相 ハメ公エライウス 投稿日:2019年09月16日 23:51 No.2439
一足先に早馬を飛ばして来たのだ。筋肉魔術で強化した我が愛馬をな。

そうだ、このハメ公エライウスこそが、スオミの武器密造の支配人よ。
プロイセン蜂起の支援を統括したのも、組織的に武器を隠匿したのも、そうだ。
愛国のため、独立のため、敢えて汚名を被るのも貴き血の義務ということだ。

ああ、逃がしはせぬ、スオミの秘密を知られたからには、逃がしはせぬよ。

(杖を取り出し)

Hulluus(狂え) hulluus(狂え)hulluus!(狂え!)
Tanssi, typerys(踊れ、愚者よ)
Kavele etelaan!!(歩めよ、南に)


ストックホルムのスパイ 投稿日:2019年09月16日 23:52 No.2440
ぐあああああああああ!
アッ
アッアッ
アアア…


(緑の光線を浴びた男の目は正気を失い、手はだらんと垂れ、正確に南の方角に向かって歩き始める)


エライウス&アイロ 投稿日:2019年09月16日 23:54 No.2441
「ふむ、記憶喪失と行動束縛の呪いだ、ここで見たことを全て忘れ、己の意志に関係なくひたすら南に歩き続ける。これでストックホルムに情報は洩れまいよ」
「ハメ公爵閣下、あの男は闇の魔術の力で南に歩き続けてどうなるのですか?」
「アイロ補給総監、スオミ伝統魔術を、闇の魔術などと侮辱的な呼び方はやめてもらおう。そうだな、どこか沼に墜ちるか、運が良ければ10キロ南の前線に居るヴィロライネンの軍隊に捕まるだろう」
「捕まった場合は色々とまずいのでは?」
「どうせ記憶も何もかも失ってまともに喋れはせぬよ。この一件が終わるまでは何の影響もあるまい」
「万が一捕まらなかったら?」
「哀れ、犠牲者は歩み続けてヘルシンキの海に入水自殺だ、あるいは海を越えて文字通りのVirolainen(ヴィロライネン=フィンランド語でエストニア人の意味)になれるかもしれぬが」


フィンランド補給総監大将・アイロ 投稿日:2019年09月16日 23:55 No.2442
ふーむ。便利なものだ。
公爵閣下、これほど便利な魔法であれば、その力でヴァーサの蛮族どもを焼き払ってしまえばよいのでは?
あるいは、賊魁のベックスやアシェルをさっきの魔法でこちらまで連れて来てしまえばいい。
なぜ、閣下やエプレボリ侯爵のような魔法使いは、自らの手で戦線を左右されないのです?
これほどもったいないことはありますまい。


フィンランド内相 ハメ公エライウス 投稿日:2019年09月16日 23:58 No.2443
補給総監殿はどうやら魔法のことを、おとぎ話の世界のそれと、見分けがついておらぬようだな。
我々の魔法とよばれる、この科学では解明されておらぬ力は、大自然に些細な改変を加える能力しかないのだ。

……そうだな、600年前ならば魔法の力で大いに世界に驚異を及ぼせただろう。
だが、今は人が空を飛び、銃弾はたやすく人の命を奪う20世紀だ。

我の魔法にしても……例えば現代の銃弾の前では無力だ。
トロンヘイムの大聖堂で主君を守ることすら能わぬ。

北欧一の大魔導師と讃えられたスウェーデンのウメオ子爵も、
魔法使いですらないアメリカ人に刺されて横死したと聞く。

魔法は万能ではない。むしろ科学の方が遥かに驚異で、その前ではあまりにもささやかだ。
魔法の力で戦況をひっくり返すことが出来る時代は、すでに終わってしまったのだ。


フィンランド補給総監大将・アイロ 投稿日:2019年09月16日 23:58 No.2444
ほう?
しかし、しかしだ。例えば魔法使いを集中運用すれば、事情は異なるのでは?


フィンランド内相 ハメ公エライウス 投稿日:2019年09月17日 00:00 No.2446
ふむ、実はな、魔法と言うのは攻撃より極めて防御優勢なのだよ。
というより、近代にさしかかって魔術の研鑽が進むにつれて、防御の方の発達が著しかった。
ちょうど第一次大戦の塹壕戦で容易く大軍が拘束されたようにな。

大魔導師を束ねて放つ魔法といえど、二流魔導士の簡単な結界で防がれてしまう。
姿現しもそうだ。読まれているとまず防がれて失敗する。


そもそも、魔法と言うのはあまり射程が無い。
杖からの直接攻撃では、よほど魔力がない限り数メートルがせいぜいだ。

射程を埋める方法として、魔力そのもので攻撃するのではなく、爆発などの物理的な要素を介在させるウメオ子爵家の時限式宝石魔術のような方法もあるが、あんな凄まじい芸当が出来るのは、世界でも片手の指程度。
例えば私は無理だ。

相手方に一人でも魔法使いが居れば、魔法使いはあまり意味をなさなくなってしまうのだ。

その上、相手の精神力が高いとろくに効かない。
たとえばカール・ハンソン相手に炎の魔法で攻撃しようとしても、杖先から煙が出るだけだろう。

エプレボリ侯爵を見よ。あの男は大魔導師の一人で、かつ魔法を好んで使う危険人物でありながら、軍人での栄達を目指す道を選んだ。
ウメオ子爵は北欧一の大魔導師でありながら、一貴族に甘んじていた。

つまり、そういうことだ。
我々魔法使いは、そういう意味でも、もはや戦略兵器たり得ぬのだ。


フィンランド補給総監大将・アイロ 投稿日:2019年09月17日 00:05 No.2447
むむ……ままならぬものですな。
だが例えば、例えばだ、さっきのお手並みからしても、これでラプアの連中を鎮圧することは可能なのでは?
あのニコライスタッドで籠城しているベックスらはいざ知らず、
ラプア共の指導者層は精神力というものからかけ離れている。
ヴィロライネンは酷い臆病者でこの期に及んでアーニスリンナに立て籠もって出てこない、そしてコソラはあなたも知るとおり、酒毒で廃人も同然。
そう、テレポートでそれこそヘルシンキなりアーニスリンナなりに飛んで、公爵閣下の膂力でヴィロライネンとコソラを捕えて戻ってくる。それが出来ればこの内戦も終わり、どうです?


フィンランド内相 ハメ公エライウス 投稿日:2019年09月17日 00:05 No.2448
ならぬよ、補給総監。
今のヘルシンキ、そして奴の隠れ家のアーニスリンナには魔法除けの結界がしっかり貼られているよ。


ハンネス・ヴィロライネン……あの男は魔法使いなのだ。
魔法を学ぶ最中に、超自然の力を侮蔑して、唯物論と共産主義を奉じ、魔法を捨てたがな……
いや、捨てたかどうかはわからぬ。誇りと信念をもって捨てたのであればまだ良いが‥‥
今でも覚えておる、あの者の声は耳に心地よく、その響き自体に心をとろかす魔力があった。産まれにそぐわぬ高貴な者が持つ力を持っていた。
奴の喉で練られた暗示は理性と意志の努力なしに撥ねつけることのできる者はおらなんだ。


フィンランド補給総監大将・アイロ 投稿日:2019年09月17日 00:07 No.2449
なんと……!
ヴィロライネンが魔法使いとは。
それでは、ヴィロライネンも追い詰められれば魔法を使って国王陛下に害をなし奉る可能性もあるということではないですか!


フィンランド内相 ハメ公エライウス 投稿日:2019年09月17日 00:10 No.2450
補給総監。陛下の御側に我輩がついているのをお忘れかね?
それに、我輩は相手の精神力が強ければろくに効かないと言ったな?
扇動家としては超一流でも、純粋な魔法使いとしては落ちこぼれのヴィロライネンの魔法如きでは「あの」ヴァイノ陛下はビクともするまい。

…………それに我輩とて、二度も君主を失う気はない。いかなる手を使っても、陛下をお守り奉る所存だ。
…もっともそういう意味ではルオッツィからおいでなすったもう一人の陛下の方が心配だが。


しかし補給総監、ヴィロライネンの魔法より心配するべきことがあるだろう。
「ストックホルムは既に感づきつつある」。ついにハメ城にまでたどり着いたのだからな。
先程の男、「アルフベン室長が追っていた」とか言っておったな…。補給総監、この人物に気を付けられよ


さあ、補給総監、急いでオウルに戻るとしようぞ。
そういう意味でも、私はあまりヴァイノ陛下の御側を離れるわけにはいかないのだ。


ああ、ハメーンリンナの武器工場の方は軍の到着までに我輩の手の者に命じて爆破し、証拠も隠滅しておこう。我が城だからこそ、誰よりも構造は熟知しているからな。


フィンランド補給総監大将・アイロ 投稿日:2019年09月17日 00:12 No.2451
「アルフベン室長」か…。そういえば、エーンルートが送ってきた芬治本の名簿の中にそんな名前の奴がいたような、いなかったような…。とまれ、承知しました。
(そういえば、あのナイカという男も勘付きつつあったな…。ならば、奴とアルフベンが接触する可能性もあるな。ネズミめ、フィンランドが甘くないことを教えてやるぞ。