旧世論型AAR掲示板(更新停止)


| トップに戻る | 検索 | アルバム | 管理用 | ▼掲示板作るならRara掲示板 |

お名前
タイトル
画像添付


アイコン [イメージ参照]
削除キー ( 記事を削除する際に使用 )
文字色


悪童日記
リンドホルム伯パウル 投稿日:2019年04月02日 22:10 No.8530
・○月△日

久々にスウェーデンに戻った。
私本人がマトモに外を歩くことは出来ない。
幸い影武者はいくらでも居る。今日も既に影武者が一人同盟赤衛隊に爆殺された。
残念ながら外れだ。間抜け共め。
最近はケシ工船も沿岸警備隊の協力でそこそこマトモに運用出来ている。
そろそろエスポワール号の件でも動かすべきかな……
レジティマでは私がかなりの権力を行使しているように外っ面だけなら見えないこともないが、実際のところは反動派が常に巻き返しを狙っている。
もしかすれば、あいつらが私に暗殺者を送り込む日も来るかもしれないな……


リンドホルム伯パウル 投稿日:2019年04月05日 02:17 No.8773
・×月*日

粗相をした召使いのアラブ人が居た。
こいつは私の部屋にある、どっかの遺跡から掘り出した壺を割ってしまった。
壺の価値はどうでもいいが、取り敢えずこいつをおもちゃにする理由が出来た。

「君はいけないことをしたね?」
「す、すすすすいません! わざとじゃないんです!」
「そりゃそうだろう。で、どう詫びるんだ?」
「ど、どうと言われましても……」

「こんなこともあろうかと作らせたんだ」
そいつの手を"おもちゃ"に縛り付ける。
そうした上で庭に放置する。
「腹に当てて左右に動かすだけでいい」
アラブ人は震えている。
「たぶん地獄の苦しみだが…いつかは死ねる」

「正直罰なんてどうでもいいんだ」
「ただ単純に…君がそれで死ぬのを見たいんだよ」


リンドホルム伯パウル 投稿日:2019年04月06日 21:50 No.8852
・△月○日

スカンジナビア在住のユダヤ人達が、パレスチナへの渡航をしたいと申し出てきた。
彼らの中には知識階級も多いし、金銭や数字に強い奴等も多い。
そこで私は、いっそユダヤ人達の帰還を後押しし、現地で系列企業の幹部として採用することに決定した。
これによって金融ユダヤ人達の支援を受けられるだけではなく、優秀な人材も手に入る……

そして何より、アラブ人共のヘイトをユダヤ人に向けることが出来る。

分断して統治せよ。全ての植民地に共通する手段である……


リンドホルム伯パウル 投稿日:2019年04月11日 00:21 No.9146
・▽月※日

ベルティ・ビョークルンド氏の戴冠が決まった。
我々は彼に贈り物として金の延べ棒でも送ってやろうと思う。
そうそう、延べ棒と言えば!
最近、アラブ人達を使って遺跡発掘をしている。
金の装飾品は全て溶かして棒にしろと言ったのに、一部はそのままになっていた。
話によれば、そのままの方が値がつくんだそうだ……
よく分からない話だ。小汚いアラブ人が作った物に価値を見出すとは……
そいつの首は跳ね飛ばしてやったが、取り敢えずその方針には従うことにした。


リンドホルム伯パウル 投稿日:2019年04月13日 02:16 No.9320
・@月%日

エベルトーネの阿呆とヨハンの軟弱者が探偵をよこしてきた。
どちらも等しく知能が足りん。
出てきた探偵は五人。そのうち二人は捕縛の途中で死んだ。生け捕りは三人だ。
幸い、ハンマーストライドに子飼いの死体処理屋が居るので、そいつのところまでこの三人を連れてきた。

「今度は何人……?」
嗄れた声でソーヤーがそう質問する。
「三人だ。私の目の前で足の先から少しずつ挽肉にしてくれ。最期まで見ているから」
「趣味が悪い……」
「今にはじまったことかね?」
ソーヤーはチェーンソーを動かし始める。
男は目を見開く。

「――――!!!!」

返り血が顔につく。
これをやられると大抵の奴は『粗相』をする。
それらの臭いと血、臓物の臭いが入り混じる。

「……フフ」

生きている実感が沸く。
楽しくて仕方がない。


リンドホルム伯パウル 投稿日:2019年04月15日 04:06 No.9574
・※月▼日

間諜を取り逃がした間抜けが居た。
そいつは私と似た背格好をしていて、ただその態度だけは正反対の、小心者の馬鹿者だ。
私は慈悲を以てそいつに私と同じ生活をさせてやった。
すると三日もしないうちに
「こんな残虐非道が許されるのか!」
と喚き始めた。
馬鹿な奴め。
そう言って私は住居に用意してある塔の上からそいつを突き落としてやる。
人の身体のひしゃげる音を聞きながら私は
「人生って分からないなぁ」
とつぶやいた。
こんなに楽しい生活、他に存在せんだろうに……


リンドホルム伯パウル 投稿日:2019年05月01日 00:15 No.10037
・☆月#日

キルナ男爵が中東ビジネスに興味を持ち始めた。
最近私は色々と目をつけられ始めているが、彼は案外とそうでもない。

利子もなしで何億クローネかポンと貸してやった。
後が楽しみだ……

ところで最近、何かと身の回りのことが面倒で、誰か女でも置こうと思ったが、私は不能であるし、正直その美醜に興味はない。

ただ、私の目の前でミスをしない奴がいればいいのだが……


リンドホルム伯パウル 投稿日:2019年05月03日 03:49 No.10198
・*月?日

キルナ男爵はとうとう『向こう側』に転んだらしい。
政府も無能ではない。
下手に襲えば証拠が出来てしまう。

しかし、だからどうしたというのだ。
最大野党であるレジティマ派の金脈は私そのものだ。
私が恐怖でもって彼らを支配しているからこそ、各会社は莫大な利益を出すことが出来るのだ。
ウメオ子爵が苦々しく思いながらも私を生かし続けている最大の理由はそこにある。
今はまだ、大丈夫だ。
「政府がインターナショナルの方を向いているうちはまだ」……


ところで、女を一人連れてきた。
現地のアラブ人に頼んだら、頭を地面に擦り付けて若い女を一人よこしてきた。
あの男は自分なりに適正のある人間を選んだつもりなのだろうが、私は不能だ。

せいぜい、こき使ってやるとしよう……


リンドホルム伯パウル 投稿日:2019年05月04日 02:28 No.10217
・+月$日

件の女は実のところ、何の役にも立たない。

調理が出来るわけでもなく
掃除が出来るわけでもなく
使いに出すには土地勘もない

出来ることと言えば、微笑みを絶やさずそこに突っ立っているぐらいなもので……
それと……彼女は英語を話せる。
私も元はアメリカ人であるから、彼女とはもっぱら英語で会話をする。

私が邸宅でくつろぐ傍らで、彼女は何も言わずにただ微笑んでいる。
私は彼女に言った。

「突っ立ってるだけで、退屈しないかね」
彼女は言った。
「退屈よ」

「随分素直に言うんだね」
「だって、退屈なものは退屈だもの。もっとも、私には慣れっこだけど」
「慣れてる……ねぇ。何か趣味とか、楽しみとか、そういうものはないのか?」
彼女は先程と全く変わらない調子でもって、こう言い放つ。
「ないわ。一切」

「……本当に?」
「ええ、本当に」

「じゃあ、何か欲しいものはないのかね。私なら大抵のものは手に入るよ」
すると彼女は、私の方を見て言った。
「あなたの笑顔。一度も見たことがないわ」

そんなことを言い出すので、私は笑った。大きく声を上げて、笑った。

「はっはっはっは!!! 私が笑う? それがそんなに見たいかね!? 全く傑作だ!」
彼女は言った。
「ええ、今初めて、あなたが笑うところを見たわ」

そう言われて私は笑うのをやめた。

「で、良い見世物だったかね?」
「別に。世の中の殆ど全ては退屈なものよ」
「退屈……退屈、ね」

そうした会話の後に、彼女はまた元の状態に戻った。
ただ微笑んで、佇むのみ。

「……おい、お前。名前は何と言う?」
「ナディア。それ以外の面倒な名前は一つもないわ」
「ナディア。椅子を持ってこい」
「あら、どうして?」

「お前が座る用のを持ってこいと言っているんだ。分かったか?」
「はい、仰せのままに……」


リンドホルム伯パウル 投稿日:2019年05月11日 06:39 No.10428
・¥月#日

私は視察がてら、地中海沿いのリゾートに来ている。
ナディアも連れてきた。

ターゲットの確保に失敗したどころか、損失を出した阿呆が居たので、そいつの処断を行った後、私は海を見ながら酒を飲んでいた。

「おい、ナディア」
「どうしたの?」
「何か飲むかね」
「……お酒は好きじゃないの」
「そうかい」
「あなたはどうなの」
「別に好きじゃない。私は味覚が壊れているんだ」
「あら、そう」

「なあ、ナディア。私はな……物事を楽しいと思ったことがないんだ」
「そうなの」
「ただ、誰かを殺したり、出し抜いた瞬間には、何かしてやったというか、何となく気持ちがすっとするんだ。だが、それがない時はいつも重苦しい何かが喉の奥に常に詰まっている」
「……」
「生きるとは苦しいことだ。だから私は、殺すことに罪悪感を覚えることはない。これは解放だからだ。そう思ってきた。私もそうなりたかった」
「……そう」
「でもな、ナディア」
「なあに?」
「何となく、今は気持ちが軽いよ」

私がそう言うと、ナディアは微笑んだ。

「そう。ならよかった」


リンドホルム伯パウル 投稿日:2019年05月21日 01:11 No.10708
・-月&日

とうとう戦争が始まった。
海上交易網を一時的に凍結しなければならない。
アジア向けルートは北極海ルートを通す。
しかし、地中海ルートと大西洋ルートは完全にオジャンだ。
今更政府の庇護を受けられるとも思えない。

……しかし、私はもう後には引けない。
今の私には守るものがある。
こんなのは初めてだ。今までは遮二無二突っ込んで荒稼ぎすればそれで良かった。
しかし、もし仮に今の私が破産でもしたら……

私はいい。どん底には慣れている。
けれど、ナディアはどうなる?

こうして私が書類仕事をしている最中、傍らに佇むだけのこの女が、この世界をどうやって生き抜いていこうと言うのだ!?

私の心配も知らずに、ただあいつは微笑んでいる。
それ以外に、彼女に出来ることなど、ないからだ。

……くそ。

クソ、クソ、クソ、クソ、クソッ!!!


リンドホルム伯パウル 投稿日:2019年05月25日 02:04 No.10772
・!月?日

「それは本当か?」
「ええ、そうよ」

人の減った邸宅で、私とナディアは話をしていた。
ナディアは今日、ボロボロになって邸宅に逃げ込んできた。
彼女が言うには、探偵を名乗る男から付き纏われ、終いには刃物を持ち出されたという。

……探偵。

誰の手のものか?
決まっている!
「ウメオ子爵ヨハン」だ!!!

私はいい。
あいつが望むなら、私は資産の半分を投げ出したって構わない。
けれども、ナディアは。ナディアだけは!!

私は今まで人をロクに信用したことがない。
私が人を支配するには恐怖と金の二つを用いてきた。
しかし、莫大な資産を。
悪辣な会社組織を。
これらを守るのに恐怖と金は大いに役立つというのに、"たった女一人"守るのにこの二つは嫌というほど役立たずだ!!

「やらなければならない」

もはや私の手のみだ。
私のみが、それを行えるのだ……


リンドホルム伯パウル 投稿日:2019年06月01日 19:14 No.11243
・運命の日の前日

明日だ。
明日はとうとう運命の日だ。

私が過去と決別し、自らの手を汚す日だ。

やらなければならない。
やらねばならぬ。
今まで思いこそすれ、実態として浮かび上がることのなかったこの考えは、
生れると同時に、忽ち力を増した。
むしろ私がそれに包まれた。
その想念とは、こうであった。
『ウメオ子爵ヨハンを刺さなければならぬ』

東洋のゼンにおける一節が私の脳裏に浮かび上がる。

「仏に逢うては仏を殺し、
祖に逢うては祖を殺し、
羅漢に逢うては羅漢を殺し、
父母に逢うては父母を殺し、
親眷に逢うては親眷を殺して、
はじめて解脱を得ん」

待っていてくれ、ナディア。
お前と私のための世界を、作り上げてみせるぞ!


リンドホルム伯パウル 投稿日:2019年06月03日 02:15 No.11466
・#月~日

キルナ男爵はどうやら私とウメオ子爵を天秤にかけていたらしい。
信用出来るか、あんな者。
私の同類ではないか……!

「……! どうしたの、あなたその血!」

ああ、心配ない。
私の傷じゃない。

お前と私のために流れる血だ。
これより貴い血など、ない。