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怪人百面相さんの俳句 12
リワキーノ 投稿日:2024年06月04日 09:06 No.447
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[夏落葉]なつおちば

常緑樹は一気に葉が入れ替わることがなく少しずつ落ちて少しずつ新しい葉と入れ替わります

公園の樫の木を見ているとはらはらと数枚の葉が落ちてきた
同じくらいの大きさの葉であるが、少しの風に吹かれてそれぞれかなり離れたところに落ちていった
一枚の葉がどこに落ちるのかは、かなり強力なスーパーコンピュータでもなかなか解析出来ない
あまりにも変動要因が多いからである
落ち葉の大きさ、重さ、形状
木のどの位置から落ちたのか
落ちる過程で他の葉や枝に触れるのか、触れないのか
落ちる過程でどの方向からどの程度の強さで風が吹くのか
これら諸々のことを事前にすべて分かっていないとどこに落ちるかを予測することは出来ない
       (暇な時思ったことです)

●行く先は誰も知らぬや夏落葉

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[虹]にじ

俺は義母と二人暮らしである
義母は元妻の母親である
以前は3人で暮らしていたが、2年前に妻は男を作って俺と母親を置いて出ていってしまった
それ以来、義母と二人で暮らしている
義母はいつも
「すまないねえ、すまないねえ」
というのが口癖である
俺はそれを聞くと
「何を言うのですか、親子じゃないですか」
と言うのだが、義母は申し訳無さそうに小さくなる

俺は両親を知らずに育ってきた
コインロッカーベイビーだったのだ
拾われてからずっと施設で育ってきた
妻と結婚して初めて家族というものが出来た
すごく嬉しかった
自分では妻も義母も大切にしてきたと思う
しかし、私が義母をあまりに大切にするのが妻は気に入らなかったようだ
妻が居なくなったのは寂しいが、義母が残ってくれてほんとに良かった
早く義母が俺のことを本当の息子のように思ってくれるのを待つばかりだ

その義母に男友達が出来た
俳句同好会で知り合った妻を亡くして一人暮らしの老人である
「私がいなくなった方があなたは再婚しやすくなるでしょう」
「彼と同居します亅
と言って家を出ていってしまった
私にはまた家族が居なくなってしまった

窓を開けると空には虹がかかっていた

              (創作です)

●いつまでも虹いつまでも虹いつまでも

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