ヤギの病気「鼓脹症」について(過去ブログより転載)

瀧本伸一(家畜商) 投稿日：2021年02月20日 08:08 No.220 【Home】

ベリーの搾乳、朝1回で２，５８０g／２２ｈ・１１７ｇ／ｈ。フキの搾乳、夕方一回１，０４０ｇ（体調不良で搾り切らなかったので一時間当たりの搾乳量は算出せず）

今朝からフキが体調不良です。症状は
１．昨夕給餌した餌が八割方食べ残しているのにお腹は左右とも凹んでいない。（ベリーはほぼ完食しているのに左右とも凹んでいました）

２．山羊舎の戸を開けてもすぐには外に出ようとせず座り込んだままでした。

３．いつも小走りで搾乳室の戸を開けに行くのに、今朝は遅れて入室し、いつもなら最初に食べ始める筈のサツマイモやフスマを入れたトレーに向かわず、コンテナに入れた葛から食べ始めたものの、途中で何も食べなくなった。

４．飲み水が減っていない。

５．糞の大きさが子山羊並み程度に小さくなっており、見たところＢＯＫＵちゃん出産直前時程度の大きさしか無かった。

６．乳房の張りが少ない。

等々でした。
鼓脹症ではないかと見当をつけ農済の獣医さんに対応を電話で照会したところ、やはり鼓脹症のようでした。原因はサツマイモや芋蔓の食べ過ぎのようです。
取り敢えず天ぷら油の飲ませ方や飲ませる適量を教えて頂き様子を見ることにしました。ペットボトルに菜種油を１００ｇ入れ、口をこじ開けて飲ませました。

フキは咳をしていました。これで少しガス抜き出来たのか、左右のお腹が凹みました。

二度目の電話照会は運動させたほうが良いか？　⇒　安静にさせておくべし。
どのような餌をやれば良いか？　⇒　今日は絶食し水は飲めるようにしておくべし。
なおガスが抜けると先ず右のお腹が凹み、それに連れて左が凹むとの事でした。
夕方近くなって三度目の電話照会は
絶食していても乳房が張ってきたがこのまま乾乳すべきか否か　⇒乳房炎になる恐れがあるので１リットル程度搾るに留め搾り切らない。でした。
２１時過ぎ本日最後の経過観察をすると、再び脹れており二度目の天ぷら油を飲ませました。
明日は早目に出舎の心算です。という訳でブログは書き逃げ御免悪しからずです。

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上記は我舎で飼育していた山羊のフキ(日本ザーネン種)が2011年11月に「鼓脹症」というお腹のガス抜きができなくなり、太鼓のように大きく脹れて肺を圧迫し急死するという病気になった時の症状と私がその時にとった対処法です。皆さんが飼育されている山羊さんにも突然起こり得る病気ですのでご参考になれば幸いです。
なお、この当時は現在と違いメス山羊二頭が夜間は相互訪問できない個室で飼育していました。

ぴよどり投稿日：2021年02月21日 10:10 No.221

当家の場合、鼓張症、気を付けていないと行きなりなる場合もあります。
個体差なのか、同じ飼料を与えていてもなりやすい子がいます。乾燥アルファルファを与えても茎を食べずに粉になった葉の部分ばかり食べてしまってるのではないかと推測してます。固くなるほど張りつめた状態になったことはないのですが、明らかに一胃が空洞になり膜を張ったようになったことはあります。
瀧本さんご紹介のサラダオイルも有効ですし、うちではガスナインという薬を服用させてもいます。正露丸のような匂いがします。獣医さんにお願いすると卸して頂けるので常備してます。

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