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アフターコロナ
雪谷旅人
投稿日:2020年10月04日 15:53
No.949
○A.
シャレード・ダイヤモンド,他著「コロナ後の世界」
(文藝春秋,2020年7月刊)
○B.
渡邉哲也,エミン・ユルマズ著「アフターコロナ 日本がリードする世界の新秩序」
(かや書房,2020年7月刊)
△C.
増田悦佐著「新型コロナウイルスは世界をどう変えたか」
(ビジネス社,2020年7月刊)(画像なし)
△D.
日経クロステック編「アフターコロナ 見えてきた7つのメガトレンド」
(日経BPムック,2020年6月刊)
✕E.
湯浅博著「アフターコロナ 日本の宿命」
(ワック,2020年8月刊)
✕F.
高橋洋一著「コロナ大不況 日本は必ず復活する」
(宝島社,2020年5月刊)
△G.
パオロ・ジョルダーノ著「コロナの時代の僕ら」
(早川書房,2020年4月刊)
コロナ後の世界について多くの本が出版されている。おそらく20種類以上あるだろう。私は上記7冊を読んだが,本当によかったのは最初の2冊だ。
Aはシャレード・ダイヤモンド,ポール・クルーグマンなど「現代最高峰の知性」に緊急インタビューした本。なかなかよくまとまっている。いずれも言わんとするところは,「コロナ後」と言っても急に世の中が変わる訳ではない。米中摩擦,歴史問題,気候変動など多くの問題が続いている。ただ,コロナで加速しただけだ,という。その中でリンダ・グラットンの見識は光っている。「ライフ・シフト」の著者(共著)だが,人生100年時代の後半,有意義な過ごし方をしなければならない,という。いま60代の人は少なくともあと20年は生きる。しかも今は「ステイ・ホーム」だ。では何をすべきか。新しいスキルを身につけ,人間関係,健康,そしてチャレンジ精神。勇気を与えられる著書だ。
Bは経済評論家の対談だが,今後の日本経済について多くの示唆を与えている。中国からの離脱,サプライチェーンの構築,医薬・バイオ技術の活用,そして「高級インバウンド」だ。これまでの量的なインバウンドから脱して,富裕層をターゲットとして観光資源を活用する。
Cは「ひろば」No.910で紹介した本だ。コロナウイルスの本質についてよく書かれているが,今後の日本の針路についての記述が少ないのが残念。
Dは統計など詳しいが,総花的であまり新味はない。Eは産経新聞の記者が書いただけあって,リベラル総攻撃(笑)。Fは不況を脱するには消費税を下げよという。単調。
Gはイタリア人が書いた随筆。なかなか面白い本だ。「ステイ・ホーム」の心が癒される。
さて皆さん,コロナの終息はまだまだですね。あと数カ月間,いや1年以上,皆さんはどう過ごされますか。私は以上の本,とくにリンダ・グラットンを読んだあと,やはりいまの時間を有意義に過ごしたい,それには読書とパソコンだと思います。読書は教養を高め,心を癒します。なぜパソコンが必要か,スマホがあるではないか,とおっしゃるでしょう。確かにスマホはある程度のことはできますが,ブログを書いたりアイデアをまとめたり,要するにクリエーティブな仕事はできません。本格的なネットサーフィンはやはりパソコンです。Zoomもスマホでは十分なことができません。これからの時代,オンライン・ミーティングやオンライン飲み会ではパソコンが必須です。私は3年前,今のパソコンを12万円で買いましたが,今は同様の性能で6.5万円です。読書とパソコンで優雅な老後を過ごしましょう。いかがですか。