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クララとお日さま
雪谷旅人
投稿日:2021年05月04日 15:53
No.1142
カズオ・イシグロ著
,土屋政雄訳
「クララとお日さま」
(早川書房,2021年3月刊)
この本を読み終えて1週間近くなるのに,まだ余韻が残っている。その前に読んだ「ガリンペイロ」も面白かったけど,こちらはそれほど記憶にない。それほどに「クララとお日さま」はいろいろなことを考えさせる。
AF(Artificial Friend)として作られたAIクララは,ジョージーに買われて以来,彼女に寄り添い,尽くす。病弱なジョージーを治そうと,それなりの頭で考えた策を懸命に実行する。その一途な姿はなかなか生身の人間ではあり得ない。AIのような高度な技術がある一方で,格差は開いていくし,人間関係の愛憎は変わらない。一途なAIと中途半端な人間。その差が鮮明に描かれていて興味深い。
カズオ・イシグロの作品は,いずれも心に余韻が残る。AIもイギリスの田園風景(「日の名残り」)も同じような,暖かい余韻が残るのはなぜだろう。