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夢十夜
夏目 漱石 投稿日:2022年04月03日 22:08 No.41



夏目漱石(そうせき)の短編小説。1908年(明治41)7月から8月まで、東京・大阪の『朝日新聞』に連載され、10年5月、春陽堂刊の作品集『四編』に所収。

「こんな夢を見た」という書き出しで、別れた女が白い百合(ゆり)に化して再生する第一夜、背中に負った盲目の子が、百年前に自分を殺したとなじる第三夜、明治の木に運慶の仁王は埋まっていなかったという第六夜、洋行する船のなかの孤独と失墜感を描いた第七夜、床屋の鏡に映る仮現の光景を描いた第八夜など、幻想的で怪奇な風景を十夜にわたって描いている。挫折(ざせつ)と幻滅の感情が痛切だが、現実の夢ではなく、体験を虚構と想像力によって仮構した幻想小説で、独自の文明批評も鮮やかである。




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