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戦場のメリークリスマス
大島渚 投稿日:2020年12月24日 19:49 No.705



戦場のメリークリスマス(原題: Merry Christmas, Mr. Lawrence 日・英・豪・乳合作) 1983年 全世界年間興行収入ランキング50 ランク外

1942年、ジャワ。山岳地帯の谷間レバクセンバタに日本軍の浮虜収容所がある。まだ夜が明けきらない薄闇の中日本軍軍曹ハラは、将校宿舎に起居する英国軍中佐ロレンスを叩き起こし、閲兵場に引き連れて行く。広場にはオランダ兵デ・ヨンと朝鮮人軍属カネモトが転がされていた。カネモトはデ・ヨンの独房に忍び込み彼を犯したのだ……

監督 大島渚 代表作 『青春残酷物語』『愛のコリーダ』『愛の亡霊』
脚本 大島渚、ポール・メイヤーズバーグ
音楽 坂本龍一 代表作 『ラストエンペラー』『バベル』『レヴェナント: 蘇えりし者』
主演 デヴィッド・ボウイ(ジャック) 代表作 『地球に落ちて来た男』『ハンガー』
原作 ローレンス・ヴァン・デル・ポスト 『影の獄にて』

上映時間 123分


登場人物

ジャック・セリアズ: 英国陸軍少佐。

ヨノイ大尉: 俘虜収容所所長。(坂本龍一) 代表作 『ラストエンペラー』
ハラ軍曹: 俘虜収容所の現場責任者。(ビートたけし) 代表作 『その男、凶暴につき』『血と骨』『ゴースト・イン・ザ・シェル』

ジョン・ロレンス: 英軍中佐。(トム・コンティ) 代表作 『デュエリスト/決闘者』『テンペスト』『ダークナイト ライジング』『ラビリンス/魔王の迷宮』
ヒックスリー: 英国空軍大佐。収容所の俘虜長。(ジャック・トンプソン) 代表作 『ウインズ』『ショート・サーキット』『ルビー・カイロ』

カネモト: 朝鮮人軍属。(ジョニー大倉) 代表作 『遠雷』



【起】
1942年、ジャワ島レバクセンバタにある日本軍俘虜収容所で、英軍中佐のジョン・ロレンスは、ハラ軍曹に呼び出される。ロレンスは日本語が話せるので、ハラ軍曹に重宝されていた。

ロレンスが案内された砂浜には、カネモトという朝鮮人軍属の男とオランダ兵のデ・ヨンという俘虜が捕縛されていた。昨夜カネモトは独房にいたデ・ヨンを犯していた。ハラ軍曹は「前代未聞の不祥事」と騒ぎ、カネモトに切腹を迫る。ロレンスは、この処罰が正当であることを証明する証人として呼ばれたのだった。追い詰められたカネモトは、その場で切腹しようとするが、騒ぎを聞きつけた収容所所長のヨノイ大尉が現れたので、報告後に処罰が決まることになる。

その日、ヨノイ大尉はバビヤダでの軍律会議に出席する。今日裁かれるのは、ジョワ島でゲリラ作戦を決行し、日本軍に捕らえられた英国陸軍少佐のジャック・セリアズだった。セリアズは無罪を主張し、質問にも素直に答えない。審判官は即座に死刑の判断を下そうとするが、ヨノイ大尉だけは彼を俘虜にするべきだと主張する。ヨノイ大尉は、セリアズに特別な感情を抱いたようだった。

その後セリアズは有罪とみなされ、銃殺刑が執行されることになる。セリアズは自ら歩き、目隠しも拒む。しかしこれは擬似処刑で、銃は空砲だった。セリアズの後方には、ヨノイ大尉が隠れていた。

セリアズはレバクセンバタ俘虜収容所に送られる。虐待と疲労で衰弱していたセリアズは、収容所内の病棟で治療を受ける。ヨノイ大尉は、1日も早くセリアズを回復させるよう衛生班に命じる。

セリアズとロレンスは、リビア戦線で共に戦った戦友だった。ヨノイ大尉は、ロレンスにセリアズのことを聞く。セリアズは「掃射のジャック」呼ばれる精鋭で、ロレンスは彼を「兵士の中の兵士」と評価していた。

【承】
ヨノイ大尉は、ヒックスリー俘虜長に兵器や鉄砲に詳しい俘虜の名簿を提出するよう命じる。しかしヒックスリー俘虜長は、俘虜が国際法で守られていることに言及し、日本軍への協力を拒む。

ヒックスリー俘虜長は、日本人から信頼されているロレンスを利用して、名簿提出を引き延ばそうと考えていた。ヒックスリー俘虜長は、腹の底で日本人をバカにしていた。日本人のことをよく知るロレンスは、彼らを侮るべきではないと忠告する。ロレンスは英国人も日本人も同じ人間だと考えるタイプだった。

ロレンスはハラ軍曹に頼み、デ・ヨンを病棟に保護してもらっていた。ロレンス自身も病棟に宿泊し、彼の身の安全を守ることにする。ハラ軍曹は様子を探るため、夜中に病棟へ忍び込む。ハラ軍曹は、ヨノイ大尉が特別扱いするセリアズのことも気になっていた。セリアズも、なぜヨノイ大尉が自分を助けたのか不思議だった。ヨノイ大尉は、その夜もセリアズの様子を見にくる。

セリアズが来てから、ヨノイ大尉は明らかにおかしくなっていた。早朝に行う居合いの稽古も激しさを増し、ヨノイ大尉の気合いの声に、病人の俘虜が怯え始める。ロレンスがそれを伝えると、ヨノイ大尉は気をつけると約束してくれる。ヨノイ大尉は、2.26事件の時の青年将校の1人で、たまたま満州にいて決起に参加できなかったのだとロレンスに語る。同志はみんな処刑されており、ヨロイ大尉は自分だけ生き延びていることを恥じていた。

カネモトの切腹が決まり、被害者のデ・ヨンとロレンスやヒックスリー俘虜長も立会いを命じられる。ヨノイ大尉は、セリアズも呼ぶよう命じていたが、彼は来なかった。カネモトは震えながら腹を斬り、最後はハラ軍曹が介錯する。同時にデ・ヨンまで舌を噛み切ってしまい、ロレンスたちは慌てて彼を運び出す。ヨノイ大尉は苛立ち、俘虜全員に48時間の外出禁止と断食を命じる。ヨノイ大尉はこれを「行」と呼び、自分もそれを実行する。

「行」が始まり、収容所内は静まり返っていた。デ・ヨンは死んだらしく、病棟には帰ってこなかった。セリアズは命令に背いて外へ出て、カゴいっぱいの赤い花を摘んでくる。彼はそれを俘虜たちに渡し、デ・ヨンの葬儀を始める。セリアズは花の下に食べ物まで隠していた。

【転】
病棟が騒がしいので、抜き打ちの査察が入る。セリアズは日本兵に逆らって花を食べ、外へ引きずり出される。ヨノイ大尉もセリアズをかばいきれなくなり、彼に恨み言を言う。セリアズは「あんたに禍を」と言って不敵に微笑む。セリアズと一緒にロレンスも連行され、牢に入れられる。その日病棟から無線機が発見される。

ヨノイ大尉の従卒は、敬愛する大尉を悩ませるセリアズが許せず、見張りを刺して牢屋に侵入する。そしてセリアズを刺し殺そうとするが失敗し、セリアズに逃げられる。セリアズはヨノイ大尉が差し入れてくれた絨毯を持ち、ロレンスを担いで脱走しようとする。しかしセリアズの前に、ヨノイ大尉が立ちはだかる。

2人は剣と刀を持って対峙するが、セリアズは剣を捨ててしまう。セリアズは、ヨノイ大尉は自分を殺せないと読んでいた。代わりにハラ軍曹がセリアズを殺そうとするが、ヨノイ大尉はそれを止める。セリアズ殺しに失敗した従卒は「あいつは大尉の心を乱す悪魔です」と言い残し、その場で切腹する。

ハラ軍曹は、自殺では恩給が出ないので、従卒を戦死扱いにするようヨノイ大尉に頼む。ヨノイ大尉もそれに同意し、従卒の葬儀を執り行う。葬儀に顔を出したロレンスは、自分とセリアズが無線機を持ち込んだ罪で処刑されることを知る。しかしこれは全くの濡れ衣で、ロレンスは強く抗議する。2人の処刑願いを提出したのは、ハラ軍曹だった。ハラ軍曹は、収容所の秩序を守るため、2人を犠牲にするしかないと考えていた。

牢に入れられたロレンスとセリアズは、壁越しに過去の思い出を語り合う。ロレンスはシンガポールで2回だけ会った女性の話をし、セリアズは弟のことを語る。セリアズの弟は歌が得意なおとなしい少年で、学校でいじめに遭う。何でも優秀だったセリアズは、いじめられっ子の弟を恥じ、彼を助けなかった。弟はそれ以降、2度と歌を歌わなくなった。彼はずっと罪の意識に苦しみ、志願兵となって危険な戦地へ赴く。そうすることで、心の重荷から解放されていた。セリアズは今でも、弟の美しい歌声を思い出すのだった。

その夜はクリスマスで、セリアズとロレンスはハラ軍曹のもとに連れていかれる。ハラ軍曹は酒を飲んで酔っ払っており、「私はファーゼル・クリスマス(サンタのこと)だ」と言って、2人を釈放してくれる。ハラ軍曹は終始ご機嫌で「メリークリスマス、ロレンス、メリークリスマス」と言いながら笑っていた。

【結】
ヨノイ大尉の命令で、ハラ軍曹がヒックスリー俘虜長を始めとする俘虜の代表者たちを連れてくる。その場にロレンスも来たので、ヨノイ大尉は事情を聞く。ハラ軍曹は、無線機を持ち込んだ真犯人が見つかったので、自分の独断でロレンスとセリアズを釈放したことを報告する。ハラ軍曹は、2人を犯人と決めつけたのは自分の判断ミスだったことや勝手に釈放したことを謝罪する。ヨノイ大尉はどこかホッとした表情で、ハラ軍曹に3日間の自宅謹慎を告げる。

ヒックスリー俘虜長は、兵器や鉄砲に詳しい俘虜の報告を拒み続け、ヨノイ大尉を本気で怒らせる。ヨノイ大尉を怒らせた1番の理由は「自分の代わりにセリアズを俘虜長にするという話は本当か」とヒックスリー俘虜長が聞いたことだった。ヒックスリー俘虜長は、セリアズに対するヨノイ大尉の気持ちに気づき、それを嘲笑したのだ。

ヨノイ大尉は俘虜全員を整列させるよう命じ、重症の病人まで連れてこさせる。そのせいで病人1名が死亡し、ヒックスリー俘虜長がジュネーブ協定違反だと抗議する。ヒックスリー俘虜長は、そこでも銃の専門家はいないと言い張り、ヨノイ大尉はその場でヒックスリー俘虜長を斬ろうとする。すると、セリアズが2人の間に歩み出て、ヨノイ大尉の腕をつかむ。そしてヨノイ大尉の頰に自分の頰を寄せ、そっとキスをする。ヨノイ大尉はフラフラとよろめき、後方に倒れてしまう。

ヨノイ大尉の代わりにやってきた新任の大尉は、収容所の真ん中に穴を掘らせ、首だけ出した状態のセリアズを生き埋めにする。ハラ軍曹と半数の俘虜は、別の作業地へ移動していく。

日に日に衰弱していくセリアズに、他の俘虜たちは祈りの歌を捧げる。セリアズは薄れゆく意識の中で、弟の夢を見ていた。彼の耳に、弟の美しい歌声が聞こえる。

月明かりの夜、ヨノイ大尉がセリアズのもとに現れ、彼の遺髪を胸にしまう。セリアズはもう何の反応もしなくなっていた。ヨノイ大尉はセリアズの前に立ち、万感の思いを込めて敬礼する。

それから4年後の1946年。ロレンスが戦犯を収容している牢屋へやってくる。明朝処刑される予定のハラ軍曹が、彼に来て欲しいと連絡したのだ。ハラ軍曹はロレンスの訪問を喜び、覚悟はできていると告げる。ただ、他の兵隊と同じことをしただけなのに、今になって処刑されるのは納得できないようだった。ロレンスは「あなたも犠牲者だ」と語る。

ハラ軍曹は、昨夜セリアズの夢を見たと話す。ロレンスはヨノイ大尉からセリアズの遺髪を預かり、彼の家族に届けていた。ヨノイ大尉は、終戦後すぐに処刑された。ハラ軍曹は懐かしそうに、あのクリスマスの話をする。あの時の話になると、2人の顔に笑みがこぼれる。ハラ軍曹は去りゆくロレンスに「メリークリスマス、ミスターロレンス」と声をかけ、目に涙をにじませながらにっこり笑うのだった。

The End _MIHOシネマ


みんなの評価 3.62/5.0

最高 (^0^)

お涙頂戴の反戦映画。勇敢な男による戦争肯定映画。そんなものとは一線を画す映画です。
音楽は100年以上語り継がれるであろう。
すべてにおいて最高です

最低 ( ` 3´)

坂本もたけしも演技が下手。
特に見るべきところが無い。




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