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ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜
テイト・テイラー 投稿日:2020年11月08日 18:41 No.664



ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜(原題: The Help 米国) 2011年 全米年間興行収入ランキング13位

アメリカ・ミシシッピ州。1960年代当時、白人家庭でメイドとして働く黒人女性は“ヘルプ”と呼ばれていた。作家志望のスキーターはメイドの置かれた立場に疑問を抱き、彼女たちにインタビューをすることに。仕事を失うことを恐れて、皆が口をつぐむ中、一人の女性の勇気が社会を揺るがすことになる……

監督 テイト・テイラー 代表作 『ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男』『ガール・オン・ザ・トレイン』『マー -サイコパスの狂気の地下室-』
脚本 テイト・テイラー
音楽 トーマス・ニューマン 代表作 『マイ・ブラザー(2009)』『007 スカイフォール』『1917 命をかけた伝令』
主演 エマ・ストーン(スキーター) 代表作 『ゾンビランド シリーズ』『ラ・ラ・ランド』『女王陛下のお気に入り』
原作 キャスリン・ストケット 『ヘルプ 心がつなぐストーリー』

上映時間 146分


登場人物

ユージニア・フェラン: 作家志望の女性。通称 "スキーター"。

シャーロット・フェラン: スキーターの母親。(アリソン・ジャネイ) 代表作 『アメリカン・ビューティー』『めぐりあう時間たち』『プールサイド・デイズ』
コンスタンティン・ジェファーソン: フェラン家の家政婦。(シシリー・タイソン) 代表作 『愛すれど心さびしく』『バーニング・クロス』『30年後の同窓会』

エイビリーン・クラーク: リーフォルト家の家政婦。(ヴィオラ・デイヴィス) 代表作 『ダウト〜あるカトリック学校で〜』『プリズナーズ』『フェンス』

ミニー・ジャクソン: ホルブルック家の家政婦。(オクタヴィア・スペンサー) 代表作 『フルートベール駅で』『ダイバージェント シリーズ』『シェイプ・オブ・ウォーター』

【起】
1960年代、アメリカ南部のミシシッピ州にある町が舞台です。

ユージニア・スキーター・フェランは、黒人メイドのエイビリーン・クラークを取材していました。彼女は、メイドは家事をする奴隷だと語ります。スキーターはそれを聞きながら、ノートに「ヘルプ(お手伝い)」と題してメモを取り始めます。今年50歳になるエイビリーンは、17人もの白人の子どもを育て上げたメイドのプロでした。そして、現在では産後うつに悩まされるエリザベス・リーフォルトの元で、家事をしながら彼女の娘を育てていたのです。

スキーターは大学卒業後、作家を志して故郷に戻ってきました。地元新聞社の「ジャクソン・ジャーナル」に採用されますが、女性だからという理由で、マーナ女史というライターが連載している家事コラムの代筆を任されることになります。

ヒリー・ホルブルックは、結婚後母親のウォルターズ夫人を引き取り、料理上手な黒人メイドのミニー・ジャクソンを雇っていました。あるときヒリーは、エリザベスの家でおこなわれるブリッジ・クラブに参加します。彼女はエリザベスの家に着くなり、黒人であるミニーも出入りするトイレットペーパーの使用量をチェックするのでした。エイビリーンと親しいミニーは、そんなヒリーの悪口を言って盛り上がります。

エリザベスたちに招かれたスキーターは、ヒリーたちに地元の新聞社に就職したことを伝えます。すでに結婚して子どもがいる彼女たちは、作家志望のスキーターを快く思っていませんでした。しかし、家事のコラムを埋めるツテとして、エリザベスからエイビリーンを紹介してもらいます。

エイビリーンに家事のイロハを教わる最中、スキーターは地元民の黒人メイドに対する仕打ちに違和感を抱くようになります。なかでも友人のヒリーは、「黒人と同じトイレを使うと病気がうつる」という迷信を信じ込み、メイドたちのトイレを屋外に作るべきだと主張していました。その上衛生法の案を作成し、ミシシッピの州知事に働きかけるありさまだったのです。スキーターはこれに反発します。

スキーターは、自分を我が子のように愛してくれた、黒人メイドのコンスタンティンの行方を気にしていました。母親のシャーロットは、コンスタンティンは仕事を辞めてシカゴで暮らしていると説明しますが、自分に何も告げずに姿を消すことはありえないと考えていたのです。

シャーロットは聞く耳をもたないどころか、結婚する素振りを見せないスキーターを、同性愛者ではないかと疑います。気分を害したスキーターは、再びコンスタンティンの件を問い詰めます。そして、彼女がクビにさせられたことを察したスキーターは、怒って家を飛び出すのでした。

スキーターはコンスタンティンとの思い出の場所に向かいます。スキーターが学校の男子から悪口を言われて落ち込んだときも、いつも彼女は励ましてくれたのです。

スキーターはエイビリーンにもコンスタンティンのことを尋ねますが、口を閉ざされます。

【承】
スキーターは、以前不採用になったニューヨークの出版社の編集長であるエレーン・スタインに、インタビューできそうなアフリカ系の女性がいると伝えます。そしてエイビリーンに会いに行き、家事コラムの件のほかにも、メイドの実態をまとめた本の執筆への協力を求めます。

当時のアメリカ南部には、ジム・クロウ法という人種を分離する法律がありました。スキーターが書こうとしていることは、法律に逆らうものであり、エイビリーンは話を聞き流すのでした。

その頃、ヒリーの話に感化されてしまったエリザベスは、黒人専用のトイレを作ろうとしますが、夫から断固拒否されます。嵐が吹き荒れたある日、ミニーは屋外に設置された黒人専用のトイレに行けずに困っていました。ウォルターズ夫人から許可を出されたミニーは、自宅(白人専用)のトイレを使おうとします。すかさずヒリーが探りに来ますが、気分を害したミニーはそのまま用を足します。ミニーの行動に激怒したヒリーは、クビを宣告しました。さらに、ミニーが燭台を盗んだとデマを流して、再就職できないように小細工もしたのです。働けなくなったミニーは、夫から暴力を振るわれるようになります。そして、やむなく娘をメイドとして働かせることになったのです。

ミニーはエイビリーンに電話をかけて、ヒリーにある復讐をしたことをスキーターに話したいと伝えます。

エイビリーンの家に招かれたスキーターは、原稿に「ヘルプ」と題してメモを取り始めます。エイビリーンは、息子を亡くしてから気難しくなったこと、話をするのが苦手であることを伝えます。しかし、書くことが得意な彼女は、毎日思いの丈を手帳に綴っており、それを読み上げていきました。感謝するスキーターに対して、神のおかげで話す気になったと答えます。

その後、ミニーは5人のメイドに断られたという、シーリア・フットに呼び出されます。シーリアはヒリーの元恋人のジョニーと結婚した女性で、貧民街出身でした。そのため、黒人差別の実情を全く知らず、誘いを受けてくれたミニーを大歓迎します。家事が苦手なシーリアは、夫のジョニーに内緒でミニーを雇い、家事を教えてほしいと頼むのでした。

チャリティー集会では、黒人専用のトイレを設置する住宅保健衛生法が、州知事に渡ったことをヒリーが知らせていました。スキーターは、その一件を会報に載せるという約束をしていましたが、実行に移していませんでした。ヒリーは気にせず、スキーターに紹介したいというスチュワート・ウィットワースという男性が、町に戻ってくることを伝えます。

ヒリーは新たにユール・メイ・デイヴィスというメイドを雇っていました。彼女は2人の子どもを必死に育てていましたが、大学に入学させるお金がどうしても足りませんでした。そこでヒリーに借金を申し込みますが、にげもなく断られてしまいます。ところが、掃除中に偶然指輪を発見したユール・メイは、それをこっそりポケットにしまいます。

【転】
スキーターの取材を受けるエイビリーンは、我が子を愛そうとしないエリザベスを非難していました。彼女は食事も着替えもオムツ替えも、全てメイドに丸投げだったのです。そこに突然ミニーがやってきます。馬鹿げたことをしていると2人を責めますが、自分も取材に協力すると言います。

その夜、3人は大いに盛り上がるのでした。

スキーターはスチュワートと会うことになりますが、全くソリが合わず、彼に突っかかって食事の席を立ってしまいます。

シーリアの家に通い続けるミニーは、彼女に料理を教えて親交を深めていきます。

ある日、自分と同じテーブルで食事をしようとするシーリアに驚きます。

エレーンはスキーターの原稿をほめますが、メイドの数が足りないと言います。

キング牧師たちによるワシントン大行進が迫っており、公民権運動が下火となってしまう前に、12人以上のメイドの話を集めるように伝えるのでした。

ほかのメイドは怖がって話には乗らず、ミニーは架空のメイドを作るように提案します。しかし、スキーターは却下します。すると、エイビリーンが自分の息子の話を語り始めます。24歳で亡くなった息子は、仕事場で車にはねられて、黒人専用の病院の前に放置されたのです。エイビリーンは息子を家に連れて帰り、看取ったのでした。

あのとき治療が施されていたら息子は助かっていたと、エイビリーンは嘆きます。そして、出版をあきらめるとこれまでの苦労が無駄になってしまうと告げるのです。

その後、スキーターはユール・メイを誘おうとします。しかし、そこにヒリーが現れて、人種差別主義者に疑われかねない行動はやめるべきだと忠告します。

その後、スキーターの元にスチュワートが謝罪にやってきます。

2人で食事に行き、彼に励まされたスキーターは付き合うことになるのでした。

数日後、スキーターはヒリーに頼まれていた会報に、ちょっとした細工をします。

「コート」を「便器」と書き換えたことから、ヒリーの自宅の庭に大量の便器が置かれて、彼女は住民たちの笑い者になってしまったのです。

ある夜、公民権運動の活動家であったメドガー・エヴァーズが、射殺される事件が起きます。

恐怖に震えたエイビリーンは、ミニーの家に向かいます。そして、自分たちは真実を語っているだけだと、励まし合うのでした。

その後、ミニーは3度目の流産をして傷付くシーリアに寄り添います。

ある日、ヒリーの家から盗んだ指輪を質屋に持ち込んだユール・メイは、エイビリーンたちの目の前で逮捕されてしまいます。

この事件をきっかけに、たくさんのメイドがエイビリーンの家に集まり、スキーターの取材への協力を申し出るのです。

スキーターの原稿を確認したエレーンは、コンスタンティンの話も入れるように指示します。

ある日、シーリアは夫から殴られたミニーの顔のアザを見つけて、彼女を手当てします。そして、自分ならやり返すと言って、ミニーをなぐさめるのでした。

11月、ケネディ大統領が暗殺され、エイビリーンは怯えます。仮名とはいえ、万が一バレてしまったら身の安全は保証できないのです。

そこでミニーは、自分がヒリーにおこなった復讐の話を書くことを提案します。

クビにされた翌日、ミニーはお詫びのチョコレートパイを持ってヒリーの元を訪ねました。ヒリーは2切れも平らげて、どうやったらこんなに美味しくできるのかとミニーに聞きます。

するとミニーは、「クソ食らえ」と答えます。なんとパイの中には、自分の便を混ぜていたのです。ヒリーは悲鳴を上げてトイレに走りますが、一部始終を見ていたウォルターズ夫人は爆笑するのでした。

その後、ヒリーは自分を嘲笑ったと罰として、彼女を老人ホームにぶち込んでしまうのでした。

ミニーはヒリーの性格上、このことを認めようとしないため、保険になると話します。スキーターはこの話を載せることを反対しますが、ミニーはそれなら自分は降りると言って、あっさりと出て行きます。

出版にこだわるエイビリーンにも後押しされ、スキーターはこの復讐談を本に書くことにするのでした。

チャリティー・パーティーが開催された日、シーリアはジョニーと一緒にヒリーの前に姿を現します。

そして酔っ払ったシーリアは、ゲームで「ミニーのパイ」を入札したヒリーに絡みに行きます。パイのことを言われたヒリーは動揺し、シーリアはその場で吐いてしまうのでした。

パーティーが終わると、実はパイの件を仕組んだのがウォルターズ夫人だったことが判明します。彼女はヒリーがミニーを追い出したこと、自分を施設に入れられたことで嫌味を言います。

【結】
スキーターはコンスタンティンのことを書くために、シャーロットから話を聞き出そうとします。

シャーロット自身はコンスタンティンのことを差別していませんでした。しかし、「アメリカの革命の娘たち」という団体の代表に任命された彼女は、ある日会長のグレーシー・ヒギンボサム夫人たちを自宅に招きます。

コンスタンティンは年齢のせいで手元がもたつき、食事の席で粗相をしてしまいます。さらに、コンスタンティンの娘が突然来訪して、会長たちは難色を示したのです。

コンスタンティンたちに恥をかかされたシャーロットは、勢いで2人を追い出してしまったのでした。その後、コンスタンティンが娘と暮らすシカゴまで迎えに行きますが、すでに彼女は亡くなった後でした。

スキーターは涙を流しながら、シャーロットの元を去ります。

いよいよスキーターの著書「ヘルプ」が出版されます。スキーターは前払い金を全額エイビリーンたちに分け与えます。

ところが、スチュワートは「ヘルプ」を読み、スキーターに身勝手だと言葉を投げかけて、一方的に別れを告げるのでした。

「ヘルプ」を読んだヒリーは、自分の失態が暴露されていることにショックを受けます。ところが、ミニーの思惑通り彼女は自分たちがモデルになっているという人々の噂を否定します。

その後、トドメとばかりにシーリアがパイの件を茶化すようなチャリティー募金を送ってきたので、ヒリーはスキーターの家に向かいます。

その頃、スキーターはニューヨークの出版社から採用通知を受け取ります。そこにやってきたヒリーは、弁護士を雇ったと言ってスキーターを脅します。動じないスキーターに苛立ったヒリーは、シャーロットに助けを求めます。しかし、シャーロットはパイの件で嫌味を言って、ヒリーを追い払うのでした。

末期がんを患うシャーロットは、スキーターが勇気を取り戻してくれたことを誇りに思うと伝えます。

いつものようにシーリア宅にやってきたミニーは、ジョニーと遭遇して気が動転します。シーリアから流産のことを聞いた彼は、妻を励ましてくれたミニーと話をしたかったのです。ジョニーは初日からシーリアがメイドを雇ったことに気付いており、ミニーが来てから彼女が見違えるように明るくなったと感謝の気持ちを伝えます。

家に入ると、シーリアが自分のために徹夜で作ってくれたごちそうが並んでいました。シーリアとジョニーは、ミニーにここで一生働いてほしいと頼みます。2人に勇気づけられたミニーは、それから夫を見限り、子どもたちと共に家を出るのでした。

ある日、教会にやってきたエイビリーンは、「ヘルプ」の出版に至るまでの行動を、皆に称えられます。それを見ていたスキーターは、エイビリーンたちを危険にさらさないために、ニューヨーク行きを断ることにします。ところが、エイビリーンとミニーは自分の道を自分で切り開くようにと声援を送り、スキーターはニューヨークに行く決心を固めるのでした。

それからしばらくして、エイビリーンはいつものように仕事に向かいます。そこにはヒリーが待ち構えており、エイビリーンが銀食器を磨いてから、数が足りないと言いがかりをつけてきたのです。

エイビリーンは盗んでいないと真っ向から否定して、ヒリーを悪魔と罵ります。そして、彼女に「疲れませんか?」と問いかけるのでした。何も言い返せなくなったヒリーはその場を去りますが、エリザベスは出て行くように命じます。事態を察したエリザベスの娘は、エイビリーンにすがりつきます。エイビリーンは彼女を抱きしめて、エリザベスに向かって「私の子を頼みます」と言って、家を出て行くのでした。

エイビリーンは一人歩きながら、生前息子が言っていた「家族から作家が出る」という言葉を思い出していました。「ヘルプ」を通して思いを表現する術を身につけた彼女は、それは自分なのだと考える場面で、物語は幕を閉じます。

The End _hmhm

第84回アカデミー賞 助演女優賞(オクタビア・スペンサー) 受賞


みんなの評価 4.13/5.0

最高 (^0^)

なんの前知識もなく、なんとなく観た映画でしたが、素晴らしいの一言です。
こんなに心から感動したお話は久しぶりでした。

最低 ( ` 3´)

面白くはなかったし、感動を狙ってるようでいまいちでした。




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