画像掲示板~シネマ~


| トップに戻る | 検索 | アルバム | 管理用 | ▼掲示板作るならRara掲示板 |

7つの会議
福澤克雄 投稿日:2020年02月22日 22:46 No.467



7つの会議(邦画 ) 2019年 邦画年間興行収入ランキング19 ランク外

一部上場大手企業ソニックの子会社である中堅の電機メーカー・東京建電。会議の中で役職や職種の違う平凡な社員たちの不作為が作り上げていく不祥事。社員たちは立場の違いから異なる方法でそれに対峙し、不祥事の全容が明らかになっていく……

監督 福澤克雄 代表作 『私は貝になりたい(2008)』『祈りの幕が下りる時』
脚本 丑尾健太郎、李正美
音楽 服部隆之 代表作 『ラヂオの時間』『電車男』『デトロイト・メタル・シティ』
主演 野村萬斎(八角) 代表作 『陰陽師 シリーズ』『のぼうの城』『シン・ゴジラ』
原作 池井戸潤 『七つの会議』

上映時間 119分


登場人物

八角民夫: 東京建電の万年係長。

宮野和広: 東京建電社長。(橋爪功) 代表作 『お日柄もよくご愁傷さま』『東京家族』『家族はつらいよ シリーズ』
北川誠: 東京建電営業部長。(香川照之) 代表作 『スリ』『ゆれる』『劒岳 点の記』
原島万二: 東京建電営業二課課長。(及川光博) 代表作 『20世紀少年 第1章 終わりの始まり』『相棒 シリーズ』『祈りの幕が下りる時』
坂戸宣彦: 東京建電営業一課課長。(片岡愛之助) 代表作 『私は貝になりたい(2008)』『小川の辺』『マザー』
浜本優衣: 営業一課の課員。(朝倉あき) 代表作 『歓喜の歌』『かぐや姫の物語』『四月の永い夢』

三沢逸郎: 町工場ネジ六の社長。(音尾琢真) 代表作 『日本で一番悪い奴ら』『無限の住人』『関ヶ原』

江木恒彦: 東京建電の下請け、トーメイテックの社長。(立川談春) 代表作 『忍びの国』『あいあい傘』

徳山郁夫: 東京建電の親会社ゼノックス社長。(北大路欣也) 代表作 『父子鷹』『戦争と人間』『空海』
梨田元就: ゼノックス常務。(鹿賀丈史) 代表作 『野獣死すべし』『木村家の人びと』『さすらいのトラブルバスター』
村西京助: ゼノックスから出向している東京建電副社長。(世良公則) 代表作 『Wの悲劇』『極道の妻たち』『カンゾー先生』


【起】
飛行機や電車の椅子、パイプ椅子などを製造する都内にある中堅メーカー、東京建電の営業部では会議が行われていました。親会社ゼノックスの常務 梨田元就が背後で見守る中、東京建電営業部長の北川誠は今日も社員たちに檄を飛ばしていました。花の一課と言われ東京建電の業績をけん引する営業一課の坂戸宣彦助課長は、声高らかにノルマ達成の営業成績を報告していました。それに対して、営業二課の課長 原島万二は目標ノルマと営業成果を上げられず、北川から叱責を受けていました。

原島が北川から叱責を受けている最中、居眠りをしていたのが、営業一課の万年係長 八角民夫でした。通称「居眠り八角」とも呼ばれるぐうたら社員で、周りからはお荷物社員扱いされています。しかし北川は、居眠りをしていた八角を睨みつけるも、とがめることはありませんでした。八角はそれでも会社をクビにならない謎の男です。

会議でメンツをつぶされた坂戸はそれ以降、八角に対する風当たりが強くなっていきます。全くやる気のない八角に怒りを爆発させる坂戸。ある日、営業一課ではノルマ達成のため社員一丸で残業や休日出勤もしながら働こうという状況の中、八角が有給休暇を申請します。しかし坂戸がそれを拒否し罵る言葉を吐いたことで、八角はパワハラで訴えます。トップセールスマンでもある坂戸への処分は大したことは無いと思われていたものの、パワハラ委員会での検討の結果、坂戸は人事部への左遷となってしまいます。それはパワハラの処分としては異例なほど重い不可解な人事でした。

【承】
坂戸に代わり、営業一課の課長に就任したのが原島でした。営業一課課長として営業部の会議に出た北川でしたが、坂戸の時のような営業成績は上げられず、北川から叱責されます。その叱責に怖じ気づいた原島が椅子に座った途端、パイプ椅子が壊れてしまいます。その様子を見た北川は、なぜか八角を睨んでいます。

営業一課の女子社員、浜本優衣は、社内環境改善のために、ドーナツの無人販売を企画し、創業1年のドーナツ屋から商品を仕入れて試験的に販売をしていました。しかし、売り上げの計算が合わない事があり、無銭飲食の犯人を八角だと疑っていました。そんな彼女には秘密があり、東京建電の経理部、課長代理の新田雄輔と社内恋愛をしていました。浜本は近々「寿退社」の予定でしたがそれは建前上のことで、本当は新田との社内恋愛のもつれからだったのです。新田という男は、常に営業部の粗探しをしています。元々、東京建電の経理部と営業部は犬猿の仲なのです。そのような背景から、新田は「ある疑惑」についてのネタを掴みます。その疑惑とは、八角が「ねじ六」という会社との飲食代に10万円以上使うという過剰接待をしていたことから、何か悪いことをしているのではないかと考えます。

この「ねじ六」という会社は、その名の通りネジの製造をしている会社です。以前に、東京建電と取引をしていましたが、取引担当が坂戸に変わった際に、より単価の安いトーメイテック社製のネジに切り替えたため、ねじ六は契約を打ち切られていました。しかし坂戸が失脚し、八角が担当に変わると再び製造単価の高いねじ六と契約されていました。この単価上昇により、年間で1000万円を超えるコストアップとなっています。

この、不可解な契約を不審に思った新田は、上司である加茂田に相談します。そこから、加茂田が上司である経理部長の飯山孝美に、役員会で追求するように進言します。そして役員会で飯山がネジ六との不可解な契約の動きについて追求します。しかし、営業部長の北川に猛反発を受け、社長の宮野も不問とします。結局、飯山の意見は通らず、この責任を取らされる形で、新田は東北営業所に飛ばされることになります。無人販売のドーナツを無銭飲食していたのも新田だったことがその後明らかになりました。

東京建電カスタマー室長の佐野健一郎という男がいました。佐野はかつて営業一課にいましたが、北川に気に入られなかったために、出世できずカスタマー室に異動させられていました。この経緯から、佐野は北川に強い恨みを抱いていました。佐野は顧客からのクレームが多く発生する椅子に関して、あるリストを作成していました。

坂戸のパワハラによる人事部への左遷、新田の東北営業所への異動に不審を抱いた原島と浜本は、社内に潜んでいる闇について調べ始めます。この際、カスタマー室長の佐野にも協力してもらおうとしている矢先、佐野も不可解な事情で小倉営業所へ飛ばされてしまっていたことを知ります。

浜本と原島は、これらの出来事に八角が関わっているのではないかという推測を立て、八角の行動を探り始めます。そして、八角のある事実を突き止めます。現在は、怠けてばかりいるお荷物社員として扱われている八角ですが、実は八角は北川と同期の仲でもあり、20年前までは評価の高い優秀な営業マンだったのです。そんな八角の本当の姿を探ろうと、ある日、八角を尾行します。しかし、見知らぬ女性に会って何かを手渡していた以外に特に不審な行動は無く、住んでいる家もボロボロなアパートでした。八角とねじ六との癒着を疑っていた原島と浜本でしたが、何も出てこないことに悩みます。

そんな時、原島は、八角によってネジ製造の契約先がねじ六に戻されていたことを知り、さらに、営業会議中に壊れたパイプ椅子の事を思い出します。その椅子に使われていたネジに何か秘密があり、そしてそれはトーメイテック社製であることを突きとめたのです。そこで、坂戸が営業一課の課長になった際に取引を開始した「トーメイテック」製のネジについて調査することにしました。調べてみると、ネジの強度は基準値の半分しかなく、明らかな欠陥品であることが判明します。すると、ネジの強度検証現場に八角が現れます。

実は八角は、この事実を公表してリコールをかけるために動いていた事を明かします。この計画の実行者は八角と、東京検電社長の宮野和宏、上司の北川たちでした。ネジの原価を下げて営業成績を上げるために、欠陥品のネジを製造していたトーメイテックとの契約をした元営業一課課長の坂戸に責任を取らせる形で、パワハラという別の理由で異動させたり、ネジ製造の契約を追求しようとしていた新田を排除したり、顧客からのクレームによってネジに疑念を抱いていたカスタマー室長の佐野も異動させたりと、一連の不可解な出来事はすべて八角たちが動いていたものでした。社内の実態やリコールによる影響を把握した後に、今回の事件を世間に公表し、リコールの発表に繋げるというのが八角の狙いでした。

しかし、社長の宮野は今回の件を隠蔽しようとしていました。八角も騙されていたのです。社長としての責任を追及されることや、会社の存続に関わる重大な事件でもあるため、リコールはせず、ヤミ改修を行う計画だったのです。それに反発する八角でしたが意見が通ることはありませんでした。この事実を知らない人間が一人いました。村西京助、親会社である「ゼノックス」から出向で来ている東京検電の副社長です。ある日、村西の元に差出人不明の内部告発文書が届きます。それは今回のネジ強度偽装のリコール隠しに関する暴露でした。村西は怒り、本社に正直に報告すると宮野たちに通告します。

【転】
東京検電の親会社「ゼノックス」の代表取締役の徳山郁夫。通称「御前様」が出席する会議を「御前会議」と呼んでおり、今回のネジの強度偽装とリコール隠しの一件を、徳山や梨田常務たちのいる前で説明にすることになりました。その、御前会議に呼ばれた八角は、直接的な関係者として元営業一課課長の坂戸も出席させて、これまでの経緯を説明します。そこで八角は、東京建電の隠蔽体質は20年前から続いていると言い、その黒幕は現ゼノックス常務取締役の梨田元就であることを明かします。

20年前、梨田は東京建設電の営業部長をしていました。そこで梨田は、まだ若かった八角と北川に、ゼノックスの型落ち製品を売るように指示します。その結果、八角は過度な押し売り営業を行ったため、ある家族を不幸にしてしまいました。さらに梨田は、製品データの改ざんをしてでも売るようにと指示を出していました。この指示に抵抗した八角に対して、北川は断り切れずに受けてしまいます。この時から八角は、北川との出世争いに負け、会社の強引なやり方に不信感を抱くようになり、お荷物扱いされるぐうたら社員となっていったのです。八角は不幸にしてしまった家庭の墓参りのために有給休暇を使っていたことや、離婚した元妻に慰謝料を払い続けていたのです。原島たちが八角を尾行したときに会っていた女性は元妻でした。

梨田によって作られた東京建電の隠蔽体質は今回のネジ強度偽装にも影響していました。実はネジの発注先をトーメイテックに切り替えるように仕向けていたのは社長の宮野でした。北川に指示し、作成した発注先リストに載せていた「トーメイテック」との契約がうまくいくように根回ししたうえで、坂戸に契約させていたのです。

一連の話を黙って聞いていた徳山は、今回の件は自分が預かると言い、席を立ちます。八角は事実をいつ公表するのか問いますが、徳山は「公表するとは言っていない」と、事実を隠蔽する決断を出すのでした。

【結】
その後、東京建電では今回の隠ぺいに関する資料や証拠となるものは、すべてゼノックスによって持っていかれました。ひと気のないオフィスで北川は八角とドーナツを食べながら、これまでの反省と会社への想いを語ります。そして北川は、今回の偽装問題に関して唯一残っていた証拠であるトーメイテック製のネジを八角に託します。

そして八角は、隠蔽の事実を各メディアにリークします。東京建電と親会社であるゼノックスのデータ偽装が公になり、東京建電が製造していた椅子を使用していた交通機関は運航を停止するなど、社会に与えた影響は甚大でした。社長の宮野は失脚、後任には村西が就き、ゼノックスの梨田も失脚となります。東京建電は残務整理のみの会社となりました。浜本は東京建設電を辞めてドーナツ屋に転身、北川も東京建電を辞めて実家のパラ農園で再スタートを切ります。原島は東京建電に残って残務整理にあたり、八角は幾つもの誘いの話を断って東京建電に残るのでした。

The End _映画ウォッチ



みんなの評価 4.00/5.0

最高 (^0^)

始めから最後まで眼が離せない、先の読めない展開が面白い
癖の有る俳優陣の演技、脚本、演出も素晴らしい。

最低 ( ` 3´)

狂言と歌舞伎の様式演技に、落語の一人芝居に、元有名シンガーの雰囲気演技と現代劇のデフォルメされた演技のごった煮。
野村萬斎と愛之助が特に型の演技が酷く現代劇に全くそぐわない。




Name
E-Mail
Title
File


Key (英数字で8文字以内)
Color