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太陽を盗んだ男
長谷川和彦 投稿日:2018年12月12日 19:35 No.109




太陽を盗んだ男(日本 ) 1979年 邦画興行収入ランキング データ無

中学校の理科教師、城戸誠。東海村の原子力発電所からプルトニウムを盗み出し、自宅のアパートで原子爆弾の製造に成功する。城戸は原爆を武器に、警察に対してプロ野球のTV中継を最後まで見せろと要求。続いて城戸は、ローリング・ストーンズの日本公演をラジオ番組を通じて要求する…

監督  長谷川和彦
脚本  長谷川和彦、レナード・シュナイダー
音楽  井上堯之
主演 沢田研二(城戸誠)

上映時間 147分


登場人物

城戸誠: 中学校の理科教師。
山下満州男: 警視庁捜査一課警部。

沢井零子: ラジオのDJ。


【起】
中学校で理科教師をしている城戸誠は、昔は熱血漢でしたが今では授業に遅刻するなど無気力で、生徒にもなめられていました。彼はいつもガムを噛んでおり、生徒からは「フーセンガム」と呼ばれていました。

あるとき社会見学の帰りのバスに、機関銃と手榴弾を持った老人が乗り込んできます。老人は「天皇陛下に会わせろ」と要求し、バスを皇居へと向かわせます。皇居にはすでに警察が到着しており、待ち構えていた山下警部は、陛下に会わせる代わりに人質を解放するように言います。老人は城戸と山下、そして数名の男子生徒を盾にして、バスから出てきます。山下は一瞬の隙を突いて老人を捕らえ、肩を撃たれながらも逮捕に成功するのでした。

その後、城戸は老人になりすまして交番へ行き、警官の顔に殺虫剤を噴射してピストルを奪います。城戸がピストル片手に侵入したのは、なんと茨城県東海村にある原子力発電所でした。そこで液状のプルトニウムを強奪し、かねての野望であった原子爆弾作りに取りかかります。
製作場所は自宅アパートの一室、製作費は給料と消費者金融から借りた金、雨カッパとヘルメットを装着し、家にあるものを実験器具に見立てて、コツコツと原爆を作っていきます。その間、城戸は中学の授業で原爆の作り方を伝授していました。

ついに城戸は原子爆弾と時限装置を完成させました。喜びのあまりボブ・マーリーの歌をかけて踊り狂います。そして城戸は妊婦に変装して、国会議事堂の女子トイレに、プルトニウムの代わりに梅干しを仕込んだ原子爆弾を置き去りにします。さらに警察庁長官に電話をかけて政府を脅迫します。完璧な出来栄えの原子爆弾に、警察は騒然とします。

【承】
城戸が政府との交渉相手として名指ししたのは、バスジャック事件に巻き込まれたときに出会った山下でした。
城戸はボイス・スクランブラで声を変えて、おかま口調で山下にプロ野球のナイターを最後まで放送するように要求します。そして当時世界の核保有国が8カ国で、自分が9番目という意味で「9番」と名乗ります。城戸は逆探知時間を1分50秒と読んでおり、政府側を翻弄します。その夜、プロ野球の試合は急遽完全中継されたのでした。

原爆を作ったものの他の要求が思いつかない城戸は、DJ・ゼロこと沢井零子が担当するラジオの公開生放送に電話相談をします。「原爆を所持している」という怪しげな電話を、零子はおもしろがって視聴者に宣伝します。
多数のリスナーからハガキが送られてきた結果、城戸はローリング・ストーンズの武道館公演を開くことを政府に要求します。その後、新聞にローリング・ストーンズの来日が決定したと躍り出るのでした。

原爆を作るために借金をした城戸は、仕事帰りにサラ金業者に捕まって返済を迫られます。城戸はしぶしぶ現金5億円を要求し、山下は奮い立ちます。

【転】
山下は逆探知時間を1分10秒に短縮させるために、東京中の通話を一時停止するという奇策を仕掛けていたのです。
受け渡しの当日、城戸は東急デパートの屋上から電話をかけます。逆探知によって城戸の現在地が判明し、警察は東急デパートに突入します。どうにか逃げ切った城戸でしたが、放射能の影響で大量脱毛し、歯茎からは出血していました。さらに警察は出入り口を人が出られないように封鎖し、城戸は袋のネズミと化します。

追い詰められた城戸は、山下に原爆の隠し場所を教えて、5億円を屋上からばらまくことを指示します。万札が空から降ってきて街中は大騒ぎとなり、混乱に乗じて城戸は脱出に成功するのでした。

原爆は喫茶店のテーブルの下に設置されていました。タイマーには赤と黒のリード線がつながっており、山下は電話で起爆解除の方法を問い詰めますが、城戸は「どちらを切っても爆発しない」と告げます。そして山下たちは起爆装置を解除させます。

城戸が街をさまよっていると、零子が声をかけてきます。零子は城戸の正体を見破っており、警察に保管された原爆の在り処を教えるのでした。城戸はそこへ突撃し、原爆を取り戻すことに成功します。

城戸は零子と共に車で逃亡します。激しいカーチェイスの末、ついに警察は銃撃を開始します。ヘリから現れた山下との攻防の最中に零子は重傷を負い、城戸に「長生きしてね」と言い残して亡くなります。

【結】
山下から逃げおおせた城戸は、ローリング・ストーンズの公演日、時限装置を再起動させた原爆をバッグに入れて、武道館へ向かいます。入り口には山下が張り込んでおり、城戸は自らの正体を明かし、山下に拳銃を突きつけて30分後に原爆が爆発すると脅迫します。

ビルの屋上に連れて来られた山下は、城戸にローリング・ストーンズは来日していないことを告げます。反撃のチャンスをうかがっていた山下は城戸に掴みかかりますが、銃弾を何発も受けます。

山下は瀕死の状態になりながらも、城戸を担ぎ上げて「いくぞ9番」とつぶやき、原爆もろとも屋上から飛び降ります。山下は地上に叩きつけられて死亡しますが、城戸は電線がクッションとなり、どうにか生きながらえます。

城戸は原爆が入ったバッグを拾い上げて、街を歩きます。やがて30分が過ぎて、爆発音と共に画面が暗転して、物語は幕を閉じます。

The End _hmhm


全国100館以上で鳴り物入りで封切られたが、都市部で大入り、地方で惨敗。結果、興行的には成功をみなかった。

1979年度キネマ旬報 日本映画ベスト・テン第2位
キネマ旬報読者選出日本映画ベスト・テン第1位
映画芸術誌ベストテン第3位
2009年度キネマ旬報 オールタイムベスト映画遺産200(日本映画篇)<日本映画史上ベストテン>第7位
2018年キネマ旬報8月上旬特別号<1970年代 日本映画 ベスト・テン>第1位




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