ミツルが「今時は豪華な京都旅行より格安なグァム旅行が有る事なんて知ってるくせに「さすがに金持ちは違うよねぇ」とか言う連中が多いんだよ。」と愚痴ってたっけ。彼がBMWを買った時なんて「やっぱり渡辺さんは違うよなぁBMWだもんなぁ。」とか言う奴が居て、「５００万円もするクラウンに乘ってる奴に言われたかねぇよ！」と言い返してやったとも言ってたなぁ。奥さんも「パパお願いだからベンツにだけは乗らないで！」と懇願されてたのは、「ベンツなんて乗られたら主婦連中から何て言われるか分かったもんじゃ無い。」って理由だった。全く世間の狭い住み難い社会だったよなぁ。
でもこっちだってそんな気配は十分に有った。大きく会社経営してるお客さんはオレがベンツに乘ってるのを知りながら自分の顧客のベンツで来る連中の下品な行為を話して、「顧客より良い車は乗っちゃいけない。」とアドバイスして居たけれど、一向に聞く気配を見せない事に何も言わなくなった。でも確かにそんな僻む人達の存在は分かって居た。「外車と海外旅行」なんて「私が来て上げてるから行けるんでしょ？」って気分にさせてしまうんだろうなぁ。でもオレの外車を乗り続けられる方法や海外旅行を早くから個人で行く方法を選んだ事と、普段にかける娯楽費が少ない事とかも教えて「こうすりゃ行けるし買えるよ。」と伝えても「よし、真似してやろう。」とする人は知ってるだけで中学・高校・大学と学生時代から来てくれてた男子３人だけだった。１人は大学卒業後は外資系に勤めて海外勤務に成った。１人はアドバイス通りに英語＋ラオス語を選んで今もラオスで奮闘してる。もう１人は拓大で講師をしながら家族を海外旅行に連れて行ったりしながら生徒に同じようなアドバイスをして居る。オレはアドバイスされたわけじゃ無く、たまたま見かけた憧れてしまう行為をして居た人を目指して生きた事で少しは憧れた世界を見れた気がした。 |
