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噓つきアーニャの真っ赤な真実
清水サチ子
投稿日:2021年09月21日 17:47
No.80
暑かった今年の夏も大分秋らしくなってきました。9月の本、『嘘つきアーニャの真っ赤な真実」めづらしく早く読みました。
米原さんは1960~1964の足掛け5年、父親の仕事で赴任していたチェコに同行してプラハ・ソビエト学校に通学しました。世界各国の共産主義者の代表を親に持つ子弟ですから言語もさまざま。そのなかで過ごした数年間で印象に残った3人を30年後に探して訪問するというユニークなエッセイです。しかも中欧諸国は民族紛争のさなか。キリスト教文明とイスラム教文明の混雑する国々、チェコ、ハンガリー、ポーランド、ルーマニア、ユーゴなど、私にとって聞いたことはあって詳しいことは知らない国ですが、米原さんはロシア語の通訳なので勇敢にも必死にさがしあてるという話です。多感な小中学生がそれぞれの子供が背負う各国の文化の違いに戸惑いながら、学校生活を送るだけでもユニークなことですが、その体験を民族紛争の収まらない国々の中を潜り抜けていくという意欲。それだけ子供のころの体験が米原さんを形作っていたからだと思います。
ちょうど私の大人になった時代と重なるので興味深かったです。
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