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2/6 九州商船『いのり』進水式@内海造船瀬戸田工場
でんすけ 投稿日:2019年02月07日 01:27 No.12782
 げんかいさん、みなさんこんばんは。
2月6日、かねてより内海造船瀬戸田工場にて建造されていた九州商船株式会社の佐世保~上五島航路用の『いのり』の進水式が行われました。
 通常の場合、船名は命名されて初めて公表されるものですが、今回はあらかじめ船社から公表されていました。


でんすけ 投稿日:2019年02月07日 01:41 No.12783
 内海造船第805番船は『いのり』と命名されました。

でんすけ 投稿日:2019年02月07日 01:45 No.12784
 支綱が切断されると同時に船台用フックがリリースされ、船体が滑りおりてゆきました。

でんすけ 投稿日:2019年02月07日 01:50 No.12785
 進水作業が完了してタグボート2隻に支援されて岸壁へ向かいます。

でんすけ 投稿日:2019年02月07日 02:21 No.12786
 レーダーマストとメインマストは鋼管を組み合わせた特別な形になっています。煙突もケーシングを廃止して、排気管がむき出しになっています。
 船橋甲板にはART(アンチローリングタンク)が設置されていて、これによりフィンスタビライザーは非装備になります。
 港内機動性向上のために、バウスラスタ2基及びバルブ付高揚力舵を2舵装備して効率的な離接岸を図るとのことです。バリアフリー設備として左舷側にエレベータも装備します。
 第5甲板は遊歩スペースと旅客用展望回廊が設置されて、航海中の景色を楽しめるようになります。
 このあと艤装工事を行い4月下旬に完工予定とのことです。
 
 『いのり』主要目
 全長:約80.00m、型幅:14.40m、計画満載喫水:3.70m、総トン数:約1,450t、載貨重量:約450t、車両搭載能力:8mトラックにて17台、旅客定員:432名、乗組員:18名
 主機関:ダイハツディーゼル 6DKM-26e型ディーゼル機関2基 2軸固定ピッチプロペラ推進、連続最大出力:1,912kW(2600PS)×750/253RPM×2基(主機総出力:3,824Kw/5,200PS)、航海速力:約16.0ノット


せんとぽーりあ 投稿日:2019年02月07日 16:40 No.12787
でんすけ様
お疲れ様です。
いつも進水式などのレポートと画像ありがとうございます。

最近の九州商船などの船舶にしては、ブリッジの造りなどがクラシックな感じがします。
何か意図があるんですかね。
でんすけ 投稿日:2019年02月07日 23:27 No.12793
 せんとぽーりあさま、返信ありがとうございます。
 九州商船『いのり』のブリッジに関して、私見ですがブリッジ内の機器の配置が以前のものと変わっているのではないでしょうか。配置の最適化も図られて構造が変わっているのではないでしょうか。

 ウイングの側面窓は下方も見える2段窓が採用されるなど近年のトレンドは抑えているようです。
 ブリッジ中央部の5枚の窓は内側3枚が平行型ワイパー、外側2枚には旋回窓が採用されています。この構成は直近建造船の『椿』などとは異なっています。『椿』では外側2枚には旋回窓ではなく扇型ワイパーが設置されていました。
 この昭和の時代からある『旋回窓』は、視界確保の面では『ワイパー』に比べて優れていますが、メンテナンス性や重量面では『ワイパー』が優れているようです。
 近年は性能が向上した『ワイパー』が採用される事例が多くなっていますが、小型船や、しけた海で大波をかぶり続けることが想定される場合などは、大量の水が連続的に滝のような水流となって窓に降り注ぐために往復動作の『ワイパー』ではアームの往復以上の払拭は行えず十分な対処ができないのに対して、『旋回窓』であれば回転している部分すべてにおいて常に視界が確保できるメリットが重視されて採用される事例があります。
 『椿』の前船『万葉』では、『いのり』と同様に『旋回窓』が設置されていたことから考えると、『ワイパー』では能力不足だったため『旋回窓』の再採用になったのではないでしょうか。

 マストが今までの強固な構造をやめて鋼棒や鋼管を組み合わせた軽量な造りにしたのは、ファンネルのケーシングを廃止して排気管をむき出しにしていることと合わせて、できるだけ上部重量を削減し重心降下と風圧横面積の軽減を図っているように感じました


げんかい(管理人) 投稿日:2019年02月08日 00:05 No.12794
こんばんは。
このサイズでバウスラスターは2つあるんですね。
外見上は、船首の作業甲板が張り出しているのが特徴的です。船尾も航海士が立つスペースが作られていたり、実用性重視で作られている印象です。
マストは船首も含めずいぶんと細いタイプになりましたね。
Re: 2/6 九州商船『いのり』進水式@内海造船瀬戸田工場 霧舟蒼魚 投稿日:2019年02月08日 01:02 No.12800
拝啓、進水式の画像を興味深く拝見しました。
やはり独特のマストが目に着きますね。
五島は教会群が有名ですので、教会の鐘楼からヒントを得てマストのデザインを考えたのか?とも思いました。
根拠は有りませんが(^^ゞ
敬具
でんすけ 投稿日:2019年02月08日 01:38 No.12801
 バウスラスター2基装備は、近年の中・小型フェリーで採用される例が増えてきています。
 理由としては、大推力を求めて大径スラスターにした場合、十分に深い位置にスラスタートンネルが設置できず、載荷状態によってはトンネル上端が海面に近接してしまい、水だけでなく付近の空気まで吸い込んでしまうなどの効率の著しい低下や、激しい負荷変動による故障の原因となります。このため2基設置するコスト上昇をしのんで小径スラスターの複数装備が増えてきているようです。
 おそらく、九州郵船の『エメラルドからつ』(総トン数984t、平成19年竣工、かもめプロペラ製バウスラスタ:TCB-55MA×2台装備)を皮切りにして採用例が増えてきているようです。


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