「高度成長社会」から「高度成熟社会」へ

Johnny 投稿日：2018年10月12日 18:53 No.2045

五木寛之氏特別寄稿「高度成長社会」から「高度成熟社会」へ
2015年9月21日

　私たちの住むこの国の人口は、次第に減少しつつある。
それがおだやかに落ち着くとき、日本の総人口は、７０００万人くらいになっているだろうと言われている。
それを気遣う声も少くない。　国民の数が少くなれば、当然、経済も縮小するだろう。
少子化によって社会の活力が失われる可能性も考えられる。
　しかし、人口減少イコール国家の衰退、というわけでもあるまい。文化の成熟というのは、必ずしも高度成長期にもたらされるものではない。
あの輝かしいルネサンスは、人口減少期のヨーロッパにおこったという話を聞いて、なるほどと思ったものだった。
　人間のフィジカルな最盛期は、ふつう３０歳代から４０歳あたりまでだろう。年を重ねるにつれて、誰しも少しずつ、体力、気力ともに衰えていく。
　しかし、人の社会的立場や精神的成熟、また、実務能力や経験知などは、逆にその時期から大きくなってくるものである。
人口が増えていくということは、その国が若いということだ。成長期とは、言いかえれば未熟であることでもある。

　戦後７０年、この国はすでに若者ではない。どこまでも高度成長を続けていこうなどという青臭い夢からさめて、高度成熟社会への道を歩むことを構想すべきではあるまいか。
　などと、偉そうな意見を吐く気もないが、成長より成熟というのは一つの立場としてありうるように思うのだ。
　元気一杯の若者から、思慮分別に富む大人へ。そして、その先は智恵と諦念にみちた老人へ。

　それを衰退への道と考えるのは、まちがっている。世界は常に変化し、動きつつ存在するのだ。
永遠の青春などというものが、あろうはずはない。
「少子・高齢化社会」などと、よく言われる。正確には、「少生・多死社会」　と考えるべきだろう。
今後、団塊の世代７００万人が雪崩を打って高齢化していく。それは、この国にとって未曽有の現実だ。
高齢化とは、端的に言えば、多数の人びとが人生から退場していく社会ということである。死、という問題が、身のまわりにあふれ返る時代がやってくるのだ。

　いまの私たちに、そのような明日を引き受ける覚悟はあるのか。
私たちがめざすのは「高度成長社会」ではない。
「高度成熟社会」こそが、これからめざすべき目標ではないだろうか。

以前に送ってもらった五木さんのエッセイです。
まさに「下山の時代」ですね。経済成長だけが、測りの基本ではありません。科学技術の進歩は、必ずしも人間を幸福にはしません。核兵器を作り、不幸をもたらします。これからのドローンなども使い方によっては、格好の無人の殺人兵器にもなります。
ここで思ったのは、ブータンのＧＮＨ（国民総幸福）という考え方（ブータンも現実は「幸せな国」とは言えないようですが）、経済中心のＧＤＰ（国内総生産）の増加だけが、成長成熟ではないのです。
人口減少でも、いかに社会が成熟していくか、それは経済（もの）にもいえますし、人の心にもいえることでしょう。

Re: 「高度成長社会」から「高度成熟社会」へ　銀投稿日：2018年10月12日 19:38 No.2048

残念ながら国は今の政権は「高度成熟の社会」には向かってないようですねぇ( 一一)
労働力不足といって単純労働の人間もどんどん外国人を受入れてぇ( 一一)
実際低賃金で働かせないと成り立たない企業なんて存在自体おかしいですよねぇ
ブラックばかりですねぇ

このエッセイから記事から3年がたち段階も世代の末っ子もついに70歳に
なってしまいましたねぇ( 一一)先行きが思いやられます

Re: 「高度成長社会」から「高度成熟社会」へ　Johnny 投稿日：2018年10月12日 20:50 No.2052

安倍内閣のキャッチフレーズが「一億総活躍社会」「女性活躍社会」とか「７０歳定年」・・・
労働力不足といって、みんな働け働けばかりの政策ですねぇ。
それでいて新組閣は女性ひとりだとか～。

Re: 「高度成長社会」から「高度成熟社会」へ　銀投稿日：2018年10月12日 20:54 No.2054

貧乏人は
死ぬまで働けぇって言うのが本音なんだろうなぁ

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