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エレベーターの非常止め装置 ( No.41 )
日時: 2017年06月03日 23:06
名前: チェッカマン [ 返信 ]
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主ロープが全て切れたら!

機械安全装置

1) 非常止め装置

・ 電気的安全装置が壊れたり、
・ 駆動装置のブレーキが効かなかったり、
・ 綱車とロープの摩擦力が減少してロープが滑ったり、
・ 最悪 主ロープが全て切れた場合、かご自体を停止させる必要がある。

そこで、かごの速度を検出して異常を検知した場合には、かごを停止させることのできる非常止め装置を備えている。
* 調速機 (ガバナー) は、かごの速度を検出するための装置。
* 非常止め装置は、かごを強制的に停止させるための装置。

かごに固定されたガバナーロープは、かごの走行に応じて調速機主輪を回転させる。
かごの走行速度が異常に速くなると、主輪に連結した振子が遠心力で外側に開き、OSスイッチを作動させ、巻上機の電源を遮断するとともに巻上機のブレーキを動作させてかごを停止させる。(電気安全装置)
しかし、電気的安全装置の故障や主ロープの全切断で、さらにかごの速度が増加した場合は、振子がさらに大きく開き、ガバナーロープを掴むためのトリップ (TR) スイッチを動作させる。
この動作速度は法規により定格速度の 1.4倍以内に定められている。

TRスイッチが動作すると、ガバナーロープは調速機のロープキャッチにより固定される。
かごがさらに走行することにより、かご下でガバナーロープに連結された非常止めレバーが引き上げられ、非常止め装置が動作する。
非常止めはシューでガイドレールをしっかりと掴み、かごを強制的に停止させる。
(くさび状のシューが引き上げ棒によって引き上げられ、くさび効果によってレールに押し付けられその摩擦力によってかごを停止させる。)

非常止め装置が作動した場合、かご内の乗客が衝撃により怪我をしたりする可能性があるため、一般には平均減速度は 9.8m/s2 以下になるように設計されている。
●つまり、自分の体重の2倍の衝撃力を受けることになる。


2) 緩衝器

ピストン内のオイルがオリフィスの隙間を流れるときの流体抵抗で生じる減衰作用によって、かごの衝突による衝撃を低減する構造になっている。
かごが緩衝器に衝突したときの衝撃力は かご自重と速度によって決まるが、その平均減速度は、定格速度の 115% で衝突したときに 9.8m/s2 以下となるように設計されている。
なお、比較的短いストロークでも安全に停止させることのできる定格速度 60m/分以下のエレベーターでは、ばね緩衝器が使用されている。
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無題 ( No.68 )
日時: 2017年06月14日 22:12
名前: チェッカマン [ 返信 ]
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■ ガバナーロープまで切れたら、下まで落ちます!

建築基準法では、2009年9月28日以降に着工した建物には下記の安全装置の設置も義務づけられました。

・ 電磁ブレーキの不具合があった場合のフェイルセーフとして、電磁ブレーキの二重化。
・ つり合いおもりの落下に伴うかごの昇降路頂部への衝突防止のため、『 上向きの非常止め装置 』。
・ 地震時管制運転装置(予備電源 [停電時自動着床装置など] 共)
・ 戸開走行防止装置
など。

しかしながら、非常止め装置の仕組み(作動原理)は今も従来と同じようです。

エレベーターかごの落下をくい止める、まさしく、最後の頼みの綱が、「 ガバナーロープ 」です。

これが切れたら ・・・・、下まで落ちます!



■ 絶対にあってはならないことです!

-----------------------------------------------------------------
空気抵抗無い物体の自由落下
t = √( 2h/g )
v = √( 2gh )

h: 落下距離 [ m ]
g: 重力加速度 [ m/s2 ] ⇒ 9.8 m/s2
t: 経過時間 [ 秒 ]
v: その時の落下速度 [ m/s ]

(※1 厳密には空気抵抗があるため自由落下ではないですが、ここでは自由落下として概算しています。)

衝撃力 F [N] = 2mgh/l
m: 質量 [ kg ]
l: 衝撃を吸収し、速度 ゼロ になるまでの物体の移動量 [ m ]
1N = 0.102 kgf

-----------------------------------------------------------------
Ⅰ番館 階高:
1 - 2 F: 2.85 m
2 - 3 F: 2.85 m
3 - 4 F: 2.85 m
4 - 5 F: 2.80 m
5 - 6 F: 2.80 m
(ピット深さ: 1.50 m )

Ⅱ番館 階高:
1 - 2 F: 4.50 m
2 - 3 F: 2.85 m
3 - 4 F: 2.85 m
4 - 5 F: 2.85 m
5 - 6 F: 2.85 m
6 - 7 F: 2.80 m
7 - 8 F: 2.80 m
(ピット深さ: 1.50 m )


◇ Ⅰ番館の油圧式エレベーター (間接式)

プランジャーの動きをロープを介して間接的にエレベーターのかごに伝え、昇降を行います。
主ロープが全て切れた場合にはロープ式エレベーターと同じ仕組みで非常止め装置が作動し、かご自体を停止させます。

主ロープ全切断による落下のリスクは Ⅰ・Ⅱ 番館ともに同じです。

●先述のように、非常止め装置が作動した場合、かご内の乗客が衝撃により怪我をしたりする可能性があるため、一般には平均減速度は 9.8m/s2 (≒ 1G ) 以下になるように設計されています。
(つまり、非常停止時に人間が受ける衝撃力は最大でも自身の質量 (kgf) の 2倍程度ということになります。)
また、非常止め装置が作動する速度は法規により定格速度の 1.4倍以内に定められています。

なお、最悪の例として、6階付近からピットまで自由落下したときに質量 60kg の人間が受ける衝撃力 F [N] は、先述の式 ( F [N] = 2mgh/l ) から約 60KN ※1 となります。すなわち、衝撃力は質量の単位で 6 トン程度です。
(※1 l = 0.3mとした場合)


◇ Ⅱ番館 ロープ式エレベーター

非常止め装置が作動したときに人間が受ける衝撃力は最大でも自身の質量 (kgf) の 2倍程度です。

なお、最悪の例として、ある階からピットまで自由落下したときに質量 60kg の人間が受ける衝撃力 F [N] は、
・ 8階から ・・・ 約 90KN (質量の単位で 9 トン程度 )
・ 6階から ・・・ 約 70KN (質量の単位で 7 トン程度 )
・ 4階から ・・・ 約 45KN (質量の単位で 4.5 トン程度 )
・ 2階から ・・・ 約 23KN (質量の単位で 2.3 トン程度 )
(何れも l = 0.3mとした場合)
です。


◆ ご安全をお祈りします。

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