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マンションの復旧Q&A、マンションの建替えQ&A ( No.187 )
日時: 2017年07月13日 22:37
名前: トンボめがね [ 返信 ]
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◆ マンションの復旧Q&A


Q:マンション 708号室を区分所有して住んでいる者です。
地震でマンションが大きく損壊してしまいました。
復旧させるには、法律上どうしたらよいのでしょうか。
A: まず、マンションの自室部分は、建物の区分所有に関する法律(以下「区分所有法」といいます。)上、専有部分に当たります。
専有部分の復旧は、区分所有者が各自の負担でしなければなりません(区分所有法61条1項)。
よって、自室部分の復旧工事はあなたの負担ですることとなります。


Q:ロビーやエレベーター等の復旧についてはどうなりますか。
A: ロビーやエレベーター等は、区分所有者全員で「共有する部分」であり区分所有法上、共用部分に当たります。
同法では、マンションの損壊の程度を「小規模滅失」と「大規模滅失」に分けた上で、異なった取り扱いがなされております。


Q:まず、小規模滅失の場合の復旧手続について教えて下さい。
A: 「小規模滅失」とは、建物の価格の2分の1以下が滅失した場合をいいます。
この場合は、規約で別段の定めがない限り、集会の普通決議、すなわち区分所有者の頭数と議決権(専有部分の床面積によって決まります)の過半数で決まります(同法61条3項)。
また、集会で復旧の決議がなされるまでは、各区分所有者が単独で復旧工事をすることもできます(同条1項)。


Q:修繕費用の負担はどうなりますか。
A: 規約で別段の定めがない限り、各区分所有者が専有部分の床面積の割合に応じて負担することとなります。


Q:次に、大規模滅失の場合の復旧手続について教えて下さい。
A: 「大規模滅失」とは、建物の価格の2分の1を超えて滅失した場合をいいます。
この場合は、区分所有者の頭数と議決権の4分の3以上の賛成がないと復旧工事ができません(同法61条5項)。


Q:区分所有者の中には、復旧費用が多額となった場合、決議に反対すると言っている人がいます。
反対者にはどのような権利が認められているのですか。
A: 所有する区分所有権及び敷地利用権を賛成者に時価で買い取らせて、区分所有関係から離脱することが認められています(同条7項)。


Q:大規模滅失と小規模滅失はどう区別するのですか。
A: 被災前後の建物の価格の比較によって決まります。
もっとも、判定が困難なケースも多いと思います。
最終的には不動産鑑定士による鑑定が必要となる場合もあります。




Q:当マンションは今回の地震により、建替えをしなければならないほどに損傷してしまいました。
建替えに当たってはどのような手続が必要でしょうか。
A:区分所有者の頭数と議決権(専有部分の床面積によって決まります)の各5分の4以上の多数決があれば、建替えができます(区分所有法62条1項)。
なお、決議の内容や決議に至るまでの手続については、区分所有法に細かい定めがなされています。


Q:区分所有者の中には、決議に反対すると言っている人がいます。
反対者は法律上どのように扱われるのでしょうか。
A:マンションの建替えに賛成した区分所有者等は、反対者に対して、区分所有権及び敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができます(区分所有法63条4項)。


Q:マンション建替えの決議をした場合、その後の建替えの手続はどのように行うのでしょうか。
A:自主再建方式、全部譲渡方式のほか、マンション建替法に基づく手続によることが考えられます。


Q:自主再建方式とはどのような手続でしょうか。
A:建替え参加者(決議に賛成した区分所有者など)が主体となって、建設会社等と契約し、被災マンションを取り壊し、新しいマンションを建てるという方法です。


Q:全部譲渡方式とはどのような手続でしょうか。
A:デベロッパー(開発・分譲業者)が、建替え参加者の持っている区分所有権、敷地所有権をいったんすべて譲り受け、建物を取り壊して新たにマンションを建設し、改めて建替え参加者に新築マンションを分譲するというものです。


Q:マンション建替法に基づく手続とはどのようなものでしょうか。
A:建替え決議後に設立されるマンション建替組合が作成した権利変換計画案に基づいて権利変換が行われるというものです。
ここでの権利変換とは、従前のマンションに関する区分所有権などの権利を、新しく建てられるマンションに関する権利に置き換えることをいいます。
市街地開発事業においてよく用いられるものです。


Q:専有部分に抵当権を設定したり、専有部分を賃貸している区分所有者がいます。
建替えの実行に当たり、抵当権者や賃借人はどうなるのでしょうか。
A:抵当権者や賃借人の同意がないと建物の取り壊しはできません。
ただし、マンション建替法による建替えの場合には権利変換により抵当権・借家権を新たに建てたマンションに移行することができます。




◇ 「売り渡し請求」 とは、適正な価格を提示して建替え賛成者が反対者に対して住戸の買取の意思を表明すれば売買契約が成立するという法律行為です。


◆ 「売り渡し請求」 についてはいろいろ厄介な問題があります。
まず、何といっても 「お金」 です。誰が売買代金を出すのでしょう?
少子化&住宅余りの時代のマンション建替えは自己負担を前提に考える必要があります。(デベロッパーの参画は無いものと考える。)
すると、自己負担分に加えて組合員が買い取り費用も負担しなくてはなりません。
マンション建替え完了後に売却すればお金は戻ってくることになりますが、何年も多額の立替をすることもありますし、また希望価格で売れる保証もありません。
1戸、2戸の買取ならまだいいかもしれませんが、反対者が増えればそれだけ負担も大きくなります。
買取分が将来暴落したり、売れなかったりしたら、組合員のリスクは計り知れないものがあります。
そんな危険を冒してまで5分の4の賛成で建替えに突き進むのは余りに無謀といえます。


◆ 問題は他にもあります。
・ 時価と言っても誰がどのように決めるのか?
・ 請求を受けた者は時価に不満があればどうするのか?
・ 賃借人がいる場合は?
・ 担保権が付いてる場合は?
・ どうしても立ち退かないときはどうするのか?

これらの問題はこじれればすぐ訴訟に発展していきます。
事実、裁判で争われたケースも何件もあります。
特に賛成、反対と対立していると感情問題につながりやすく、訴訟の長期化を招きやすいものです。
裁判は、時間とお金がかかり、建替えそのものの頓挫にもつながりかねません。

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【売り渡し請求と買取請求について】
賛成の組合員から反対の組合員への請求は 「売り渡し請求」 となり、
一方、反対の組合員が賛成の組合員に請求するのが 「買取請求」 となります。

※ 「売渡請求権」 「買取請求権」 は形成権であり請求した段階で法的効力が発生します。



【買取請求権】
建物の大規模滅失 (建物価格の2分の1を超える滅失) の場合の、復旧決議 (区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数決) がなされ、復旧決議の日から2週間を経過したときは、
決議賛成者以外の区分所有者、つまり決議に反対した者は、決議賛成者の全員または一部に対し、区分所有権および敷地利用権を、時価で買い取るべきことを請求できる(区分所有法 61条 7項)。
この買い取るべきことを請求する権利を買取請求権という。
買取請求権は形成権であるとされ、相手方の承諾の意思表示を必要とせず、一方的に法律行為が成立するものとされる。
つまり、この請求権が行使されると同時に相手方との間で売買契約が成立し、決議に反対した者の区分所有権および敷地利用権は自動的に相手方に移転する。
そのため、請求権を行使した者は区分所有関係から離脱したことになり、復旧に要する費用を負担する必要がなくなり、相手方は時価による売買代金支払の義務が生じることとなる。
直ちに代金を支払うことができないときは、裁判所に相当の支払期限の猶予を請求することが認められている(同法 61条 13項)。



【売渡請求権】
建替え参加者 (建替え決議に賛成した区分所有者等) およびその承継人または買受指定者 (建替え参加者の全員の合意により、建替え事業に参加することが認められた外部から参加するデベロッパーや建設会社等をいう) は、
建替え不参加者またはその承継人に対して、区分所有権および敷地利用権を売り渡すことを請求することが認められている(区分所有法 63条 4項)。
この権利を売渡請求権という。この請求権を行使できる期間は、書面による催告が到達した日から2カ月経過した後2カ月以内である。
売渡請求権は形成権であるとされ、その請求権行使の意思表示が相手方に到達すると、直ちに相手方の区分所有権および敷地利用権を目的とする時価による売買契約が成立する。
不参加者の承諾の意思表示など必要なく、自動的に契約が成立したとみるのである。
したがって、建替え不参加者は建物引渡し義務が生じ、この建物明渡しと売買代金支払とは同時履行の関係 (民法 533条) に立つが、即時明渡しは生活上の困難を強いる場合があるので、明渡し期限の猶予※1の制度がある。

(※1 区分所有法 63条 5項)

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