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『 父 中野好夫のこと』中野 利子(岩波書店92/11) 愉しい本棚 投稿日: 2020年06月29日 16:01:13 No.807

 ☆☆☆
後に『父のこと 母のこと』日本エッセイスト・クラブ編の一編として収録される。
 著者は慶応文学部を出てから、私立高校や公立中学、定時制高校などの教員それに産休補助教員などを経てフリーライターに。<君が代通信><教育が生まれる>等々。


『日本思想史』末木 文美士(岩波新書20/1) 再録 愉しい本棚 投稿日: 2020年06月26日 08:27:49 No.806

 ☆☆☆☆
〇 はじめに――必須としての日本思想史


第一章 日本思想史をどう捉えるか
1 日本思想史への視座
 日本に哲学はなかったか?
 日本思想史研究の黎明
 丸山眞男と戦後の日本思想史研究
 日本思想史の困難

2 日本思想史の構造――王権と神仏
 王権/神仏/思想
 大伝統の構造
 中伝統から小伝統へ

3 前提としての中国
 モデルとしての中国思想
 仏教の位置づけ
 中国思想と日本


Ⅰ 思想の形成〔古代〕 ~9世紀


第二章 日本思想の形成――飛鳥・奈良・平安初期
1 律令と神話
 国家の形成
 律令とその変容
 神話と歴史

2 神々と仏法
 神々の秩序
 仏教国家の理想
 新たな王法・仏法関係へ

3 儒学と詩歌
 漢学・儒学の受容
 漢詩・漢文と文人世界
 万葉の歌人たち


Ⅱ 定着する思想〔中世〕 10~15世紀


第三章 儀礼化する王権と神仏――摂関・院政期
1 王権と儀礼
 王権の重層化
 有職故実の形成
 王朝の知識人

2 祭祀と信仰
 神祇祭祀の整備
 密教呪法の肥大化
 信仰と実践

3 王朝の思想と文学
 歴史から和歌・物語へ
 言語・文字・学問
 末法・辺土観と三国史観


第四章 王権と神仏の新秩序――鎌倉期
1 重層化する王権
 王権の二元化
 神仏と共なる歴史
 東アジア世界の変容と神国意識

2 神仏の新秩序
 仏教再興運動
 実践的仏教思想
 神々の自覚

3 貴族・武士・隠者
 狂言綺語と有心
 武士の生きざま
 自由なる精神を求めて


第五章 中世文化の成熟――南北朝・室町期
1 王権の再編と理論
 天皇の再定義
 南北朝と正統問題
 室町の王権と東アジア

2 神仏と中世文化
 仏教宗派の盛衰
 禅林の文化
 「神道」の成立

3 室町ルネサンス
 古典の研究と秘伝化
 能楽とその理論
 バサラと天狗


Ⅲ 思想の多様化と変容〔近世〕 16~19世紀


第六章 大変動と再編――戦国・安土桃山期
1 分裂から再統一へ
 天皇・将軍・大名
 領国統治の理念
 天下統一と東アジア

2 一神教の衝撃
 一神教との出会い
 戦国の仏教
 統一国家と宗教

3 大名と町衆
 南蛮文化とグローバル世界
 闘茶からわび茶へ
 庶民の文芸


第七章 安定社会の構築――江戸初期
1 新しい秩序を目指して
 徳川の平和
 「武士道」の成立
 世界史の転換と鎖国

2 神仏儒の時代
 イデオロギーとしての神仏
 儒教の形成と儒仏論争
 儒教系神道と日本型華夷思想

3 多元化する倫理と文化
 生き方の探究
 貨幣経済と町人文化
 転換期としての元禄


第八章 思想の一斉開花――江戸中期
1 儒教的統治の具体策
 幕政の改革と朝廷
 儒者の朝幕論
 世界に開かれる目

2 復古と革新
 神話の再発見
 仏陀への回帰
 世俗と宗教

3 学問と生活
 言語・文献・思想
 科学から哲学へ
 農の思想


第九章 ナショナリズムへの道――江戸後期
1 国難と王権
 幕府の苦悩と朝廷
 国体の模索
 変革の思想

2 神道の躍動
 復古神道と草莽の国学
 庶民の信仰
 仏教者の対応

3 転換を求めて
 爛熟する江戸文化
 海外を見据えて
 近代国家の設計図


Ⅳ 世界の中の日本〔近代〕 19~20世紀


第十章 日本的近代の形成――明治期
1 国体の形成
 明治維新の精神
 憲法制定と教育勅語
 民権から大逆へ

2 国体と神仏
 神道国教化の行方
 家父長制国家と神仏
 キリスト教の受容と仏教界の革新

3 啓蒙と国粋
 啓蒙から国粋、そして煩悶へ
 お雇い外国人から留学帰りへ
 文学者の抵抗


第十一章 戦争と思想――大正・昭和前期
1 デモクラシーから総力戦へ
 大正デモクラシー
 マルクス主義から超国家主義へ
 国体と大東亜共栄圏

2 受難と協力
 生命主義とオカルティズム
 変貌する社会と宗教
 戦争と宗教

3 激動の中の哲学
 女性の目覚め
 政治か芸術か
 京都学派と近代の超克


第十二章 平和の理想と幻想――昭和後期
1 平和と民主
 戦後憲法の理想と天皇
 平和・経済・再軍備
 五五年体制の安定

2 新しい政教関係
 神道指令と政教分離
 大衆の宗教、知識人の宗教
 ヤスクニとヒロシマの戦後

3 知識人から大衆文化へ
 戦後知識人の諸相
 知識人の終焉
 女性参政権からフェミニズムへ


むすび――幻想の終焉〔平成〕
 象徴天皇という物語
 冷戦と五五年体制の終結
 理想の消失
 災害・テロと大量死


『悪魔と呼ばれたヴァイオリニスト』浦久俊彦(新潮新書18/7) 愉しい本棚 投稿日: 2020年06月23日 17:16:43 No.805

 ☆
〇紀伊国屋書店より
ニコロ・パガニーニ。全身黒ずくめの姿で繰り出す超絶技巧で人々を熱狂させた、空前絶後のヴァイオリニストである。「悪魔ブーム」をブランディングに用い、巨万の富を築いた守銭奴にして女好き。「無神論者」の烙印を押され、遺体となっても欧州をさまよった彼には、「幽霊となっても音楽を奏でている」との伝説も生まれた。十九世紀に鮮やかな刻印を残した「西洋音楽史のメフィストフェレス」、本邦初の伝記。
目次

第1章 悪魔誕生
第2章 ナポレオン一族との奇縁
第3章 喝采と栄華の日々
第4章 悪魔に魂を奪われた音楽家たち
第5章 晩年と死
第6章 パガニーニ幽霊騒動
第7章 神秘の楽器ヴァイオリン
著者等紹介

浦久俊彦[ウラヒサトシヒコ]
1961(昭和36)年生まれ。文筆家・文化芸術プロデューサー。一般財団法人欧州日本藝術財団代表理事。代官山未来音楽塾塾頭。サラマンカホール音楽監督 


『文春新書 日本兵捕虜は何をしゃべったか』山本 武利(文春新書01/12) 愉しい本棚 投稿日: 2020年06月22日 14:33:35 No.804

 ☆☆☆
〇紀伊国屋書店より
 内容説明

太平洋戦争で捕虜になった日本兵は、米軍の尋問に協力的だったが、重要機密は洩らしても天皇への畏敬の念は失わなかった。この日本人独自の心性への理解は、マッカーサーの対天皇政策の原型となる。アメリカは日系二世を中心に組織的な諜報活動を展開。情報戦争ですでに日本は負けていたのだ。更にアメリカは、戦時中に習得した日本人捕虜への対応のノウハウを、戦後の占領政策に適用した。アメリカ国立公文書館で原資料を読破した著者が、米軍の諜報活動の実態と日本兵捕虜たちの生態を発掘した労作。
〇目次

序章 捕虜第一号
第1章 米軍の対日諜報システム
第2章 日系二世の秘密戦士たち
第3章 ずさんな日本軍の情報管理
第4章 ガタルカナル戦線
第5章 ニューギニア、フィリピン戦線
第6章 中国、ビルマ、インド戦線
終章 捕虜と日本占領
〇山本武利[ヤマモトタケトシ]
1940年、愛媛県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。一橋大学教授を経て、現在、早稲田大学政経学部教授。マスコミ論、情報史を専攻。96年から98年にかけて、安倍フェローシップを受け、アメリカ国立公文書館にてOSSなど公開機密資料を収集・分析する。


『赤ちゃんは世界をどう見ているのか』山口 真美(06/5 平凡社新書) 愉しい本棚 投稿日: 2020年06月21日 16:51:26 No.803

  ☆
 〇赤ちゃんの目に映る世界は、大人と同じじゃないの? それはどうして? 視覚の発達は、脳の発達と密接に関わっている。世界でもユニークな「赤ちゃん実験」で解明する、「モノを見る能力」と、脳の発達の謎とメカニズム! 


『右傾化する日本政治』中野 晃一(岩波新書15/7) 愉しい本棚 投稿日: 2020年06月21日 11:07:31 No.802

 ☆☆☆☆
〇紀伊国屋書店より
 日本は右傾化しているのか、それとも「普通の国」になろうとしているだけなのか。いったい、どちらなのか?―政治主導のもと、寄せては返す波のように時間をかけて、日本社会の座標軸は右へ右へと推し進められていった。そのプロセスを丹念にたどりつつ、新しい右派連合とその「勝利」に直面した私たちの現在を描き出す。
〇目次

自由化の果てに(現在を生んだ新右派転換;なぜ「反自由の政治」へ向かったのか)
第1章 五五年体制とは何だったのか―旧右派連合の政治(二つの歯車―開発主義と恩顧主義;革新勢力―「三分の一」の役割と限界;なぜ旧右派連合は破綻したのか)
第2章 冷戦の終わり―新右派転換へ(新自由主義の時代へ;自由化・多様化する日本政治;国家主義―新右派連合を支えるもう一つの柱)
第3章 「自由」と「民主」の危機―新右派連合の勝利(小泉政権―「政治の新自由主義化」の時代;安倍政権―そして「反自由の政治」が現出した;寡頭支配時代へ―立憲主義破壊の企て;日本政治は右傾化したのか)
オルタナティブは可能か(民主党の成功と挫折;「リベラル左派連合」再生の条件)
〇中野晃一[ナカノコウイチ]
1970年生まれ。東京大学文学部哲学科および英国オックスフォード大学哲学・政治コース卒業、米国プリンストン大学で博士号(政治学)を取得。現在、上智大学国際教養学部教授。専門は比較政治学、日本政治、政治思想


『われわれはみな外国人である』野崎 歓(五柳叢書07/6) 愉しい本棚 投稿日: 2020年06月18日 17:40:21 No.801

  ☆☆☆
 〇著者
学歴

1974年 新潟大学教育学部附属新潟中学校卒業
1977年 新潟県立新潟高等学校卒業 東京大学教養学部文科三類入学
1981年 東京大学文学部仏文学科卒業
1981年 東京大学大学院人文科学研究科仏語仏文学専攻修士課程入学
1985年 東京大学大学院人文科学研究科仏語仏文学専攻博士課程進学
1985年より1989年まで フランス政府給費留学生としてパリ第3大学仏文学科博士課程に留学
1989年3月 東京大学大学院人文科学研究科仏語仏文学専攻博士課程中途退学

職歴 1989年 東京大学文学部助手
1990年 一橋大学法学部法律学科専任講師
1993年 一橋大学法学部法律学科助教授
1997年 一橋大学大学院言語社会研究科助教授
2000年 東京大学大学院総合文化研究科・教養学部助教授
2007年 東京大学大学院人文社会系研究科・文学部准教授
2012年 教授 
2019年 同退任(早期退職)・東大名誉教授・放送大学教授

人物ジャン=フィリップ・トゥーサン『浴室』(1990年)の邦訳が人気を博し、以後、現代フランス文学の翻訳・紹介者として活躍を続けている。エルヴェ・ギベール、ミシェル・ウエルベックといった先端的な作家の翻訳に尽力。2000年にはトゥーサン作品の翻訳により、ベルギー・フランス語共同体翻訳賞を受賞している。また専門であるフランス19世紀文学の研究・翻訳でも活躍し、バルザック『幻滅』(共訳)、ネルヴァル『東方紀行』(共訳)、スタンダール『赤と黒』などを翻訳。

フランス文学だけでなく、日本文学についても『谷崎潤一郎と異国の言語』を著すなど、旺盛に評論活動を展開している。

映画に関してもさまざまな著作があり、とりわけフランス・ヌーヴェルヴァーグの父として知られるジャン・ルノワールについては、その後半生を通して20世紀映画史を綴った評伝『ジャン・ルノワール 越境する映画』を刊行し、2001年サントリー学芸賞を受賞した。[2]ルノワールに関してはほかにも、その知られざる傑作小説『ジョルジュ大尉の手帳』を訳出して映画批評家・山田宏一に絶賛されている(『山田宏一のフランス映画誌』)。同じくルノワールの小説『イギリス人の犯罪』や『ジャン・ルノワール エッセイ集成』も刊行。紀伊國屋書店から出た「ジャン・ルノワールDVD-BOX I~III」には「21世紀のジャン・ルノワール」と題するエッセイを三回連続で寄せている。

また、近年は東アジア映画、とりわけ中国語圏の映画を熱心に論じ、香港映画の大ファンとして知られている。『香港映画の街角』が評判を呼び、香港‐日本交流年となった2005年には香港の映画監督ウォン・ジン(バリー・ウォン)、スター女優セシリア・チャンとシンポジウム[3]を行った。

また大学時代、バンドでドラムを叩いていた野崎は大のロックファンであり、「芸術新潮」2008年1月号でキャロル・キング、「東京人」2008年12月号でザ・フーについて礼讃文をつづっている。2008年、東大文学部現代文芸論の学生誌「本郷通り、」のロック特集では、柴田元幸と対談している。

子育ての苦労と喜びをつづった『赤ちゃん教育』では講談社エッセイ賞を受賞。

2004年から2年間、読売新聞読書委員を務めた。

日本経済新聞の映画評欄「キネマ万華鏡」および月刊誌「すばる」で、随時映画評を執筆。読売新聞読書欄「本のソムリエ」にも随時執筆している。

2008年12月より文芸誌「群像」でネルヴァル論の長期連載を行い、それをまとめた 『異邦の香り―ネルヴァル「東方紀行」論』 で2011年に第62回読売文学賞研究・翻訳賞を受賞。広く評論・執筆活動を展開している。
『赤と黒』翻訳論争

立命館大学文学部教授の下川茂は、野崎の訳したスタンダールの『赤と黒』(光文社文庫、2007年)に対し、誤訳が多すぎるとの批判を行っている。下川は「前代未聞の欠陥翻訳で、日本におけるスタンダール受容史・研究史に載せることも憚られる駄本」[4]としたうえで「仏文学関係の出版物でこれほど誤訳の多い翻訳を見たことがない」[4]と指摘し「まるで誤訳博覧会」[4]と主張している。2008年3月付の第3刷で同書は19ヶ所を訂正したが、下川は「2月末に野崎には誤訳個所のリストの一部が伝わっている。今回の訂正はそこで指摘された箇所だけを訂正したものと思われる」[5]と批判したうえで、誤訳の例を列挙し「誤訳は数百箇所に上る」[5]と指摘している。下川は、いったん絶版として改訳するよう要請する書簡を野崎宛てに送付した[6]。

しかし、光文社文芸編集部の編集長は「読者からの反応はほとんどすべてが好意的ですし、読みやすく瑞々しい新訳でスタンダールの魅力がわかったという喜びの声だけが届いております。当編集部としましては些末な誤訳論争に与する気はまったくありません」[6]と反論している。

この件について作家の戸松淳矩は、光文社側は読者の反応ではなく翻訳の適否について回答すべきと指摘し、瑣末な誤訳と主張するなら反証を示すべきと述べ、野崎の訳文における問題点についての言及がないことに批判している[7]。また内田樹は、誤訳との指摘に対し訳者が応えるように双方向的な公開性の担保が重要だと指摘し、「野崎訳をめぐる問題は『指摘と修正』の円滑なコミュニケーションが成り立たなかったことが原因[8]」と考察している。その一方で、「(指摘と修正の)効率についての配慮[8]」を欠いた、「いきなり大上段から相手の脳天を斬りつける[7]」ような下川の手法にも、戸松・内田とも苦言を呈している。

また藤井一行、中島章利は、自身のホームページにて、同文庫から出されている亀山郁夫訳『カラマーゾフの兄弟』や、森田成也訳のトロツキー『レーニン』『永続革命論』にも誤訳が多数あることを指摘し、『赤と黒』に限らず誤訳の指摘と改訳の事実を伏せたまま改訳を行っている同文庫の編集姿勢を強く批判している[9]。そのほか北海道大学の佐藤美希は、野崎の単純なミスによる誤訳を認めつつ、論争の背景には「新訳ブーム」における新しい翻訳観と、下川の持つ規範的な翻訳観との根本的な対立があると論じている[10]。
著作
単著

『ジャン・ルノワール越境する映画』青土社 2001
『フランス小説の扉』白水社 2001/白水Uブックス 2010
『谷崎潤一郎と異国の言語』人文書院 2003/中公文庫 2015
『香港映画の街角』青土社 2005
『赤ちゃん教育』青土社 2005/講談社文庫 2008
『五感で味わうフランス文学』白水社 2005
『カミュ『よそもの』きみの友だち』みすず書房〈理想の教室〉 2006
『われわれはみな外国人である-翻訳文学という日本文学』五柳書院 2007
『こどもたちは知っている-永遠の少年少女のための文学案内』春秋社 2009
『異邦の香り―ネルヴァル『東方紀行』論』講談社 2010/講談社文芸文庫 2019
『フランス文学と愛』講談社現代新書 2013 
『翻訳教育』河出書房新社 2014
『映画、希望のイマージュ 香港とフランスの挑戦』弦書房 2014。ブックレット
『アンドレ・バザン 映画を信じた男』春風社 2015
『夢の共有 文学と翻訳と映画のはざまで』岩波書店 2016
『水の匂いがするようだ 井伏鱒二のほうへ』集英社 2018


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