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明治の和歌 山人 投稿日: 2012年03月01日 17:26:45 No.86 【Home】 【返信】

明治十九年
      伊那下神社
        奉詠御次第
       山家
音にだに聞けば淋しさまさりける山里遠み嶺のこがらし

世中のことのしげきに意ふればなを山が家は飽よしもかな

にごり水やすめば都と山里も世のうきよりはまさりぬるかな


明治の和歌 山人 投稿日: 2012年02月20日 16:43:54 No.85 【Home】 【返信】

明治十九年
      伊那下神社
        奉詠御次第
     紅葉
おぐら山時雨の後ぞおもひかる木々の梢も紅葉しぬらし

から錦おりかくばかり小くら山峯の梢も千々にそめけり

紅葉のちりかふ時は竜田水さくにをくようおるここちせり


伊那下神社献詠 山人 投稿日: 2012年02月18日 11:06:12 No.83 【Home】 【返信】

昭和二十三年  献詠

月下越山
思ふとち語り合ひつゝ名にしおふ山もこえけり月の光りに
夜よしと尾の上をゆけは風きよみ荒もよふなる月の山路に

閑庭霜
庭の面の春まつ梅の○かれに花とみるまて霜のふかしも
わか宿の庭の千草の上にさくこころおきなく○ける霜かな

豊年
天つ日の恵みはひろく千町田に黄金のたり穂重くなひけり
雨風は糧にかなひて秋の田の色にしらるゝ○たきみのりを

熊谷直空
もののふの道をわかふみ身をすてゝ三法の道をきはめし君
くたけちる須磨の浦波はかなみて世をのかれけむあはれこの君

立志
かきりなく進みゆく世に何か一つまさはやなさむ人のつとめを
怠らすつとめはけめば後ついに立てし心のとげざやめやは
人の中の人となるべく心さし人たる道にまつしくらゆく
わけ登る麓のみちはこいしくもゆめのほりなむ富士の神山

祈平和
いさかひのなとあるへき我も人もおなし神の子神につかへて
天の下みなはらからと思ひつゝむつみあふ世を祈るなりける
千萬の国の親しみいやか上に誓ふ心を神やうくらむ
四方の国むつみ和みて永遠に足り栄ゆく神にいのらむ
天の下遠近人もなへてみなむつみあひつゝ千代を経なまし
天地も人の心もなこみつゝたひらけき世をとはにこひのむ
うつし世に喪なく事なく人みなのなこみあふ世を神にこひのむ
人みなの心さやけくむつみあふ日をこそ祈れ神のみ前に

暮村落葉
山里のくれゆく秋をさひしけに色さへあせてちる落葉かな
夕暮の山風寒く秋くれて軒の落葉お音もさひしき
入日さす片山里の木からしにつもるともなく散る落葉かな
雨はれし夕の空に風たちて落葉みたるゝ山本の里
夕月のかげすみなから落葉して音にしくるゝ山中の村
ふきおろす夕の風に山本の里の落葉はあまきらひつゝ
杣の屋の軒端の紅葉落葉する音もかそけくたそかれにけり
山の端に夕やけ雲に紅の色をふかめてちる紅葉なな




伊那下神社献詠 山人 投稿日: 2012年02月18日 09:22:36 No.82 【Home】 【返信】

昭和二十二年  献詠

豊穣

かりとりて初穂ささけむ秋の田の神の守りにみのりゆたけみ

豊けくも見えこそわこれ千町田のみのりにみのる秋の八束穂

今年はやゆたかにみのるおくてかり神にささけてともに祝はむ

とぼしきをうれひし糧もこの秋は神のめぐみにみのり豊けし

老の身に初の田植をかこちしが穂にあらはれてみるめうれしな

めくまれし日和に田畑みのり良く国内よろこひ唄ふみ民等

みまつりのいとゝ賑はし里人ら唄ひつ舞ひつ豊年をほく

天地の太し恵みにゆたけくも里田小山田尺穂なみうつ

大神の恵みの露のおきそひて八束足穂になびく千町田

ところせく秋のみのりを積みあげて田つらの里は見るめ豊けし

豊の秋黄金なみよる風の無たたり穂のしね重くたれたり
神苑虫


しくれふり猪名の公孫樹もみちして雲によえる鈴虫の声

廣前にぬかつく時をみつ垣のむしの音すめてなつかしきかな

かはらさるみ苑にすたく虫の音もいよゝすみつゝまく音さひしき

大前にぬかつき居ればさわやかに虫もかなてる朝ほらけかな

大前の杜の下草つゆしけみひるもなくなる虫の声する

森ふかき神の廣前清らけくなく虫の音もいとし賑つし

廣前の虫きくをれはおのつから浮の世はなるゝ心地こそすれ

秋ふかみ夕月清く風さえてみやしろちかく鈴虫の啼く

つづらをり松の山みちわけゆきて落葉かくれの木の子ひろはむ


秋興

もみち葉は色をふかめて湯の里のゆあみなからのながめゆかしき

友を誘い秋の山ふみ狩り得たる茸を下物にくみかはす酒

御祭の神饌に供ふる子松たけさはにかり得てかへる楽しさ

七草の花咲く野辺にあくかれてうつし世のうさ一日わすれぬ

笑み落し栗をひろいて家苞の重きもうれしまつに思へは

えみかはす栗の木かけや萩かもとなかめも近し雪のふしの嶺

秋の山紅葉いろこしくれなゐにうれし木の実も更にうれしな

ともし火に集ひし虫のかけひそみいざふみ入らむ敷しまの道

休み日に小等と秋の野さすらいてつとに七草さはに手おりつ

狩り得たる茸より更に歌ふくろ言葉草もさはにつみつつ

培ひし色香もたかき菊あはせみ国の秋を庭にあつめて

すみはたる月をめてつゝ友とちと雁の音つれきくもたぬしき

女郎花よそほへる野のあかなくにまねく尾花のもと茂とはまし

ふかめゆく秋の宮居の寄角力興味あふるゝとめの一番

あかすみし花野はくれて月出てぬ虫をきゝつつ家路たとらむ

千木高く月すむ庭の杜かけにこゑおもしろく鈴虫の啼く

廣前の木の間もくれる月かけにふり出でて鳴鈴虫の声
稲村真理先生評

豊穣

天   人心とみになこみぬ千町田の年ある秋の穂なみなかめて

地   いそしみしかひこそ見ゆれ千町田の八束穂垂穂に黄金波よる

人   海幸に濱はうるほひ千町田の秋は手あり神のめくみは


神苑虫

地   廣前の虫木ゝをれはおのつからこの世はなけく心地こそすれ
社頭祈世

まつろはぬ人もなきまて君か代をまもらせ給へ伊勢の大神

たちさわくあた波しつめ皇国の光かゝやく御代こそ祈れ

朝にふけ神のみむろの榊葉の栄えん御代を尚祈るかな

天てらす神のみ光外国の民の上にも恵みあれこそ

萬代も栄えむみ代をいやか上にまもらせ給へ天地の神



伊那下神社献詠 山人 投稿日: 2012年02月17日 17:30:07 No.81 【Home】 【返信】

昭和二十一年  献詠

海辺秋

松にふく風の音清し濱の辺の木すゑに高く月のかかりて

しら浪のしふきにぬれて浜松のみとりをてらす月のすゝしさ

浪の上にかけをうつしててる月のひかりあまねし大和田の原

秋風に海士の小舟はかけもなく磯うつ波のひびきのみして

はれわたる秋空高く磯波の並木の松に紅葉ましなり

みとりこき浜松の枝にかけうつし小波よする松崎のうら

高砂の松うく風の音さえて秋のみ空のはれわたるけな

ふしの山さやかに見えてはれ渡るなかめゆかしき秋のみうら

海の上ふきくる風もあれめきて阿妻とま屋の夕は悲しも

千町田の稲穂わこりてふく風にかげもこほるゝ野の夜の月

仲秋

雨はれて月は昇れりもちの夜の山も海路もさやにてりつゝ

山田に穂なみ野へに千草の露ことに秋のも中の月そやとれる

天の原月かけさやに望の夜のつゆも匂ひて見るめあかれす

かけ高くはれ渡りけり秋の夜のも中の月のすみに澄みつゝ

すみ渡る大空高く望の夜の月の光りもいよゝさやけし

仰き見る月のかつらの中そらに高くかゝやき光あまねし

波の上に光うつして中空になかめうるはしもちの夜のそら

あまの原すみわたりたる秋の野の千草にやとる望の夜の月

時事所感

あひともにすなとりするも海士の子は今朝も寒けきいさみ声する

晴わたる秋の日和に野辺みれはすすきの浪にうかふ菅かさ

少女らのよそひうるはし野の夜の月にをとるもおもしろきかな

はま松につきはかゝりて匂ふまてさやにてりたり今宵すゝしも

空はれて月かけさやに秋の夜の露は玉なす足穂ゆたけき

むしの音のよはる野末の夕くれにまねく尾花の風そさひしき

たたかひにやふれしあとを身にしめて秋の実りに力そかむ


菊におくつねをかくして月かけのひかりさやかに匂ひこそすれ

菊におく露も匂らて玉とてる月のかつらのさやかなるかな

戦にやふれし秋は月かけの光りもあはし伊那のみ社

戦にやふれて死せし兵百万木の葉みたるゝ伊那の上宮

詠史

七たひも生まれかはりて大きみにつくす誠は千代もつらぬく

父の教母のみちひき正行のゆるかぬ誠残る失しりに

たらちねのをしへ守りて梓弓なきかすに入る君そたふとき

司人あらそひ草をなけすてゝ真のこころ国につくせよ

家をあげて七たひ生れかはりつゝみ国守れる楠の一むら

みなと川高く立てたる石ふみは朽ちぬいさをと千代に残れる

桜井のうまやのわかれ学び舎の子等をみちひく鏡とはなる

仇なみの扇のまとはゆるくともこめし心はいさを高しも

ふみ見てもあはれおもほゆ八島潟弓矢とる身の心くみつし

吹き来たる風にみたれしすすき原みねをしつかに白雲はゆく



伊那下神社献詠 山人 投稿日: 2012年02月17日 15:41:48 No.80 【Home】 【返信】

昭和二十年献詠  社頭祈世

天か下むつみあふこそたのしけれ内外 の国の栄え祈りつ

あらた世のもそしき 道にかへりきてさらにぞ祈る千代の和みを

人木高くそらにそびゆるみ社に称き所そ奉れ千代の和みを

すさみつる千代安かれ皇国のみいつ乞祈む神の廣前

ありかたき大綾威 をみやしろに国安かれて禰宜奉るなり

あさなあさな神のみ前に天津日のあまねく照らす御代をこそ祈れ

ゆたかにも見えこそ渡れをしねかる田の面にきほふ秋このころ

ときめきし軍つかさも小山田に稲を刈りつつ世をなけくらむ

防人も家にかへりていそしくも妻のつくりし八束穂をかる

あまの原沁みてかゝよふ秋の日に稲刈る田人みれはともしも

ゆたかにも見え渡るかな秋ふけて里賑はしくをしねかるなり

つちかひし殻や如何にと少女子の刈り取る稲の重けなりける

小春そら風あたたかに家族たち稲かるさまも見えて賑はし

朝な夕なはけみ耕す田人らの黄金のみつ穂かるやたのしき

千町田のかりたる稲の豊けさはいそしむ民の力なりけり




久方の雲井響し秋の夜の月にと渡る雁の一つら

月照りて波もしつけき青海原かすよむはかり雁わたるなり

てる月に清見か関のあとこへて海原遠く雁わたるみゆ

宵ことにすみ渡りゆく大空に雁の音きくそさひしかりける

かりかねにいさこととはむみ軍にゆきし吾子のつらいなきかと

雁は来るた綾威よりいかにとこの日ころ待つ人こひし空なかめつつ

山の端のすみたる空に初雁の列もみたさぬ秋の夕くれ

夕やけの雲うつくしき秋のそら雁の一つら遠にとひゆく

雨はれて野辺の八千草露しけくふみわけかたき花の色かな

秋の雨しつけくはれて野も山も木々の紅葉そ色まさりける

雨はれて梢の紅葉おのみから濃くも薄くもそむる色かな

雨はれに○○を辿れは八千草に名残りの露も紅葉せりけせり

あめはれて風にそよめき雲うすく山の木立は黄葉しにけり

雨はやめと山下風の寒けきに野辺遠近に秋そふけゆく

あめすきて朝霧みたれたつ山はおのつからなる秋のいろかな

雨はれて松の木の間の紅葉のいよゝ色濃く産土神の杜

村雨のなごりの露をてらす日に一入はゆる野辺のもみち葉

清見潟月すむ夕さやかにも海原こへて雁渡る見ゆ

雁は来る○はかへるゆきあひの早稲田の稲はあからみにけり


伊那下神社献詠 山人 投稿日: 2012年02月17日 13:31:49 No.79 【Home】 【返信】

昭和十八年献詠  秋田

怠らす耕すちからおのつから秋のみのりにあらはれにけり

千町田の足穂みのりて豊の秋民の栄えを祝ふうれしさ

秋の田に黄金の稲穂うちなひきさやけき風のふき渡り行く

小車はすすみゆけとも千町田のこかねのなみをはなれさりけり

千町田に黄金の波をうちよせてゆたけき年とみのる稲かな

雨風もときにかなひて此の秋の田面ゆたけき足穂八束穂

神々のまもるめくみの秋の田の実のりゆたけし露のたりほに

みはるかす山もとまでにつゝきけり黄金の波のよする千町田

黄金いろなひく稲けのゆたけさにいくさの刀いよゝますらむ

八束穂のたりほみのりて千五百秋みつほの国は秋ゆたかなり

老の身のとりつくりたる小山田のあきゆたかにも見へ渡るかな

産土の神まつりの賑はしく田の面ゆかにみゆる秋かな

  紅葉

もろ人のみ国をおもふまごころの色にや出し山の紅葉

神垣の池にうつして伊豆の山の子ごひの杜は紅葉しにけり

見渡せば木には紅葉の称せり富士の裾野の秋の夕くれ

こえくれし天城の高嶺山をふかみ紅葉色濃く秋をみせつつ

雄々しくも紅葉の赤き心もて学ふ男の子かいくさたちすも

廣前の一葉のもみち夕はへて宮もみそのも黄金なりけり

ますら男の赤き心をそのままにそめてうるはし庭のもみち葉

秋ふかくなりゆくままに瑞籬のこずゑの紅葉色まさりよく

廣前の老松か枝の蔦もみち夕日にはえて秋の色にし


遠情

夜をふかみ銃をまくらのゆめさめて今年も忍ぶ秋のみまつり

紅葉のたよりをきけは古の秋にあひたる心地こそすれ

ふるさとを遠くはなれて軍人 紅葉のさかりしらすやあらなむ

月はすめとはるかに物のおもほえて和めかねたる我か心かな

夢さめて先つこそ思へいくさ人いすこの山にかりねすらむと




みなと出て幾日過けむ今日もまた目路に陸なし大和田の原

さゝ波は茜いろさす空はれて秋の夕の海しつかなり

夢のこと初嶋うかひ波もなし相模の海はおだやかにして

東の海あたなみ高き一時も神の綾威にやがて凪きけん

天さかる南の海もたゝかえるますら武夫のいさをゝそおもふ

夕まくれ風もなこみて駿河湾伊豆のかなたに月は昇りぬ


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