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投稿者:ルイジ・コメンチーニ
  [YouTube:9PmPA1xgH6M:R] ブーベの恋人(伊・仏合作) 1963年 14年の刑で投獄された恋人を二週間に一度、面会に列車に乗って会いに行くマーラ。 彼女は27歳になった。だがあと7年はこんな生活が続く。それでも彼女は彼への愛を貫く。それが彼女の生活のはかな い喜び。 彼女は回想する、1944年終戦。ファシズムの傷跡が残るイタリアの田舎町にあるマーラの家に、ブーベという青年が訪れる。終戦になって故郷に帰る途中、共にパルチザンとして戦ったマーラの兄の最期を伝える ため立ち寄ったのだ。マーラの父親は心からブーベを歓待するが、息子を失った母親は彼に冷たい対応をする。ブーベはパラシュートの白い絹布をマーラに贈った。次第にブーベに惹かれるマーラだったが・・・彼は追われる身に…。 監督 ルイジ・コメンチーニ 脚本 ルイジ・コメンチーニ マルチェロ・フォンダート 音楽 カルロ・ルスティケリ 主演 クラウディア・カルディナーレ(マーラ) 登場人物 マーラ: イタリア中部トスカーナ州の小さな村で暮らす女性。父親と兄は反ファシスト派の活動家で、戦争中に兄は逮捕されて銃殺された。 ブーベ: 第二次世界大戦中から反ファシストの活動に参加しており、終戦後もその活動を続けている。 ステファノ: ブーベが海外へ逃亡した後、マーラと出会う。 【起】 1944年7月。終戦を迎えたイタリア中部トスカーナ州の小さな村。賑やかなお祭りの日、ブーベという青年がマーラの父親を訪ねてくる。父親が留守にしていたので、マーラはブーベを家に入れてやる。 ブーベは、戦争中に反ファシスト活動をしていて銃殺された兄の仲間で、現在も反ファシスト活動を続けていた。マーラの父親も反ファシスト派で、ブーベのことを息子同然に歓迎する。マーラは政治活動には全く興味がなかったが、自分にシルクの布をプレゼントしてくれたブーベには好意を持つ。マーラの家は貧しく、スープに入れる塩もなかった。ブーベはマーラの家に一泊し、翌日故郷の村へ帰る。 それから1ヶ月が過ぎてもブーベからは何の音沙汰もなく、マーラは退屈な日々を送る。そんなある日、ブーベが突然やってくる。ブーベはファシストに追われながら、昼間は働き、夜は党の活動をするという忙しい日々を送っていた。しかしマーラに会いたくて、仕事を休んできたのだという。マーラは、あのシルクで作ったブラウスを着てみせる。しかしブーベは、慌ただしく帰ってしまう。 夏が終わり、秋になった頃、ブーベから塩とマーラへの手紙が届く。しかし手紙にマーラの期待した愛の言葉は書かれておらず、腹が立ったマーラは、塩を投げ捨てる。 冬になり、ブーベからは毎週手紙が届くようになる。彼は自分の近況を細かく知らせてくれたが、やはり愛の言葉は書いてくれなかった。 【承】 またブーベが突然やってきた。急にフィレンツェ近くの町へ引っ越すことになったので、マーラの父親に2人の交際を報告したいらしい。遠くへ引っ越すと聞いて、マーラはいじけてしまう。しかしブーベに「キスしよう」と言われ、初めてキスをする。そしてブーベは、慌ただしく行ってしまう。 その夜、父親が「ブーベとマーラが婚約した」と喜んで帰ってくる。マーラは、自分に許可もなく親と婚約を決めてしまったブーベに腹を立てる。 マーラはブーベのことを忘れたくて、村の若者たちを遊び始める。今日も酒場で踊っていると、幼い弟がマーラを呼びにくる。ブーベが来たので、父親が早く帰れと言っているらしい。マーラはそれに反発し、わざと遅くなって帰宅する。 家では父親とブーベが深刻な様子で話をしていた。昨日、友人2名と教会のミサに参加したブーベは、ファシスト寄りの司祭と揉め、友人が隠れファシストの准尉に射殺されてしまう。その後、もう1人の友人が准尉を射殺し、父親の死体を見て騒ぎ出した息子を、ブーベが射殺してしまったのだ。 父親は、「ブーベについていけ」とマーラに言う。マーラは、勝手に婚約を決めたことをまだ怒っていたが、ブーベがハイヒールを買ってくれるというので、ブーベに同行する。 町へ出て、マーラは高価なハイヒールを買ってもらい、初めてレストランへ行く。そこでブーベの友人と出会い、3人でバスに乗ってブーベの村へ向かう。そのバスには、ファシストとドイツ軍に加担した村の司祭も乗っており、家族を殺された村人たちが司祭を糾弾し始める。村に到着し、みんなは司祭を嬲り殺しにしようとするが、ブーベがそれを止め、司祭を憲兵に引き渡す。 【転】 2人がブーベの実家で過ごした翌日、ブーベが指名手配になったことを仲間が知らせにくる。ブーベは、党の決定で工場跡地に身を隠すことになり、マーラも彼についていく。 何もない工場跡地での逃亡生活は不便だった。しかし、初めてゆっくりとした時間を過ごしたマーラとブーベの間には、落ち着いた愛情が芽生えていく。マーラはブーベの気持ちがわかるようになり、彼のことを守ってあげたいと思うようになる。 憲兵の捜査が厳しくなり、ブーベが海外へ逃亡することになる。明朝迎えがくるという日の夜、結婚前ではあったが、マーラは彼に体を許す。2人は心から愛し合うようになっていた。しかしブーベは、翌朝行ってしまう。 村へ戻ったマーラは、周囲の人々の視線が疎ましくなり、友人を頼って町へ出る。町では友人の姉の家に居候させてもらい、アイロンがけの店で働く。ブーベからは何の連絡もなかったが、マーラは一途に彼の帰りを待っていた。 友人はそんなマーラに同情し、ステファノという男を紹介する。マーラは、他の男と遊ぶ気など全くなかったが、ステファノは誠実で優しい男性で、マーラも好感を持つ。ステファノも彼女と別れたばかりで、寂しい日々を送っていた。 後日、町で偶然再会した2人は、穏やかに話をする。ステファノは、職場の印刷所を案内してくれ、自作の詩を読んでくれる。そしてマーラに印刷所の仕事を紹介してくれる。 同じ職場で働き始めた2人は、急速に惹かれ合っていく。マーラはブーベと婚約していることや、彼が逃亡中であることも打ち明ける。ブーベが行ってしまって1年以上経っていたが、相変わらず連絡はなかった。ステファノとマーラはお互いに気持ちが抑えきれなくなり、ついにキスをしてしまう。マーラは、ブーベのことを諦めるつもりだった。 【結】 ところが、ユーゴスラビアに逃げていたブーベが、国境で逮捕され、留置所に入れられたという知らせが入る。マーラだけ面会が許されることになり、彼女は複雑な想いを抱えてブーベに会いにいく。 久しぶりに会ったブーベは、マーラの顔を見て泣き出す。ブーベはずっとマーラのことだけを愛しており、彼女の心変わりを心配していた。マーラはそんなブーベが哀れになり、“私がついているわ”と言ってしまう。 ステファノは真剣にマーラとの将来を考えてくれており、マーラは2人の間で苦しむ。マーラはステファノのことを愛していたが、寂しそうなブーベを放っておくこともできなかった。 ブーベの裁判が始まった。マーラは毎回裁判を傍聴し、彼のために証言台にも立つ。仲間はブーベの刑が少しでも軽くなるよう尽力していたが、ブーベは人間不信になり、味方はマーラだけだと思い込んでいた。 マーラはステファノに、ブーベの裁判のことを打ち明ける。マーラは今でもステファノが好きだったが、「わかって、私はブーベの恋人よ」と言って、別れを告げる。ステファノはマーラの苦しみを理解し、彼女のもとを去っていく。 ブーベの裁判は二転三転し、どんな判決が出るかを予想するのが難しかった。ブーベに助けられた村の司祭も彼に有利な証言をしてくれるが、ブーベは悲観的だった。マーラはそんな彼を励まし続ける。 結局ブーベには懲役14年の判決が下る。彼が刑務所に入ってからも、マーラは2週間おきの面会を欠かさずに続けていた。 そして7年後。マーラは駅でステファノと再会する。ステファノも結婚し、元気でやっているようだ。マーラは笑顔でステファノと別れ、ブーベに会いにいくための汽車に乗り込む。マーラは14年も待ち続けられるのか不安だったが、今ではその不安も消え、ブーベが出所してからの2人の将来を考える余裕もできていた。ブーベと出会った時はまだ18歳だったマーラも、27歳の強い大人の女性へと成長していた。 The End _MIHOシネマ  GyaO 無料配信中
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