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サムライ
ジャン=ピエール・メルヴィル 投稿日:2018年04月07日 21:02 No.42



サムライ(仏・伊合作) 1967年 ランキング外

 寒々としたアパートで、たった一羽の小鳥とともに暮らす孤独な殺し屋。が、あるピアノ弾きの女と関わった事から警察にマークされた彼は、やがて自ら死地に赴いていく……。仏フィルム・ノワールの巨匠J=P・メルヴィル監督の傑作で、徹底した硬質な画面構成と氷のような色調が鮮やかな印象を残した。他人を一切寄せつけず、己のスタイルを貫き通して死んでいく殺し屋を、日本の侍のイメージとダブらせた演出は今なお語り草で、ファンの多い作品である。線路にかかった陸橋の上で、殺し屋が他のギャングに襲撃されるシーンの素晴らしさは、何度観ても息をのむ。

監督 ジャン=ピエール・メルヴィル
脚本 ジャン=ピエール・メルヴィル
音楽 フランソワ・ド・ルーベ
主演 アラン・ドロン(ジェフ・コステロ)

登場人物
ジェフ・コステロ: 一匹狼の暗殺者
ジャーヌ: コステロの愛人 コールガール
ヴァレリー: クラブ専属 ジャス・ピアニスト


【起】
舞台は1960年代のフランス、パリ。4月4日土曜日午後6時、ジェフ・コステロが動き出します。彼は一匹狼の殺し屋で、多額の報酬と引き換えに殺しの依頼を受けていました。帽子とコートを身につけたジェフは、寒々しいアパルトマンを出て路上に停まっていた車を盗み、愛人ジャーヌを訪ねます。彼女に午前2時15分前まで一緒にいたというアリバイ工作を頼み、今回のターゲットのもとへ向かいました。殺害対象はバーの経営者マルテ。バーに侵入したジェフは早々にマルテを射殺し、すぐに立ち去ります。ところが去り際に、クラブで働くピアニストのヴァレリーと鉢合わせてしまいました。近距離で顔を見られてしまったジェフは足早にクラブから出て行きます。その様子を、数人の従業員や客が訝しげに見つめていました。途中で銃を捨てたジェフは2時15分前までジャーヌと過ごします。帰り際、入れ違いでジャーヌのパトロンであるヴィエネルがやって来ました。

【承】
警察はすぐに動き始めました。目撃者の証言をもとに、犯人と似ている人間がパリ中から連行されます。ジェフもその1人でした。警察署で面通しが行われ、執拗な尋問が始まります。ジェフを怪しいと睨んだ捜査の主任警部は、アリバイを崩すためにジャーヌとヴィエネルを呼び出しました。しかしジャーヌは口裏合わせの通りに話し、ヴィエネルも自分がすれ違った男はジェフに似ていると証言。結果的にジェフのアリバイはより確かなものになりました。それでもジェフを疑う警部は、最後にもう一度ヴァレリーに確認します。近距離でジェフの顔を見たはずの彼女は、何故か「この人じゃありません」と断言しました。日曜日の午前6時15分前、ようやくジェフは釈放されます。しかし警部はジェフを容疑者から外さず、徹底した監視をつけることにしました。すぐに尾行に気付いたジェフは移動に移動を重ね、何とか警察を振り切ることに成功。そして依頼人との待ち合わせ場所に向かいます。

待ち合わせ場所の陸橋には、金髪の男が1人立っていました。彼は仕事の仲介人であり、殺し屋でもあります。男に突然銃撃され、ジェフは腕を負傷してしまいました。どうやら依頼人は警察に連行されたジェフに不信感を抱き、保身のために殺害を企てたらしいのです。警察はジェフのアリバイ崩しに躍起になっていました。ジェフの外出中、アパルトマンの部屋に侵入した警察は盗聴器を仕掛けます。その頃、ジェフはヴァレリーに会うためクラブへ行っていました。彼女の車に同乗したジェフは、何故偽証したのか尋ねます。ジェフはヴァレリーが依頼人を庇うため嘘をついたのだと考えていましたが、彼女は肝心な問いには一切答えません。ただ2時間後に連絡を、と言うだけでした。

【転】
月曜日の午前7時。警察はジェフのアリバイを崩すため、ジャーヌの部屋に押し入り強引な捜査を始めました。警部はあらゆる搦手でジャーヌの証言を覆そうとしますが、どんな脅しにも彼女は怯みません。一方、帰宅したジェフはヴァレリーに連絡を取ろうと電話の受話器を持ち上げます。ところが飼っている小鳥が妙に騒ぐのを不審に思い、部屋を調べて盗聴器を発見しました。そのため外に出て電話をかけますがヴァレリーは出ません。仕方なく部屋に帰ると、金髪の殺し屋が侵入していました。銃を突きつけた彼は誤解があったと和解を持ちかけます。マルテ殺しの報酬を渡し、新しい依頼について話し出す男。ジェフは隙を突いて男を殴り倒し、依頼人の名前と住所を聞き出します。依頼人の名はオリヴィエ・レイ。ヴァレリーのアパルトマンの隣室に住んでいました。

【結】
ジェフに盗聴器を見破られた警察は、捜査員を増やして何とかジェフの尻尾を掴もうとします。ジェフがオリヴィエ・レイを訪ねるため外に出ると、あちこちで警察の目が光っていました。地下鉄に詳しいジェフは移動に次ぐ移動で捜査員を撒き、車を盗んでジャーヌのもとへ。彼女に別れを告げ、「決着はつける」と言って去っていきました。オリヴィエ・レイの住所へ向かったジェフは彼と対面し、問答無用で射殺します。次にジェフはクラブへ行って演奏中のヴァレリーに近付きました。見つめ合った後、彼女に銃口を向けるジェフ。オリヴィエに依頼された次の標的は、ヴァレリーだったのです。その瞬間、店中に発砲音が響きました。クラブで張り込みをしていた警部達が一斉にジェフを銃撃したのです。銃弾を浴びたジェフはその場で死亡。騒然とする店内で警部がジェフの銃を拾い上げると、弾は全て抜かれていました。ジェフはヴァレリーに救われた恩義を返すため、この結末を選んだのです。まさに「侍(サムライ)」を彷彿とさせるジェフの最期と共に、この映画も終幕を迎えます。

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*フィルム・ノワール・・・虚無的・悲観的・退廃的な指向性を持つ犯罪映画 。







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