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会報「私たちの自然」
よしの88 投稿日:2015年05月14日 14:32 No.4
●「私たちの自然」2015、5・6(No.598)、公益財団法人 日本鳥類保護連盟


今回は日本鳥類保護連盟の会報(隔月刊)の「私たちの自然」です。

日本鳥類保護連盟はその名称の如くに野鳥関係の団体ではありますが、会報には野鳥類のみならず、生きものや自然に関して、幅広く掲載されています。

今回の表紙はカルガモ君、特集は「都市の野鳥の今昔」です。

その中でひときわ興味を惹く記事がありました。

「都会の野鳥たちのいまは」(川内 博)です。

その中でまず冒頭に『増えた森林性の鳥、減った草原性の鳥』が論じられています。
現在の都会の状況を考えると森林も草原もどちらも減っているとは思うのですが、実際は依存する種類の増減は違っていると言うのが興味深いことです。

読み進めていくと、そうかと思ってきます。
都心部の緑地が生長し、疎林や草原がなくなっていったためにこう言う傾向が見られるとのことでした。

確かにそれは大いにあり得そうです。
長年の傾向を分析していけば、自ずとわかってくることでもあります。

明治神宮(東京都渋谷区)を例に取ると、ヤマガラ君が大変に多くなっている。
以前には冬鳥であった、ヒヨドリ君が留鳥になっている。
コゲラ君が棲みだした事、オオタカ君が冬鳥として姿を現したことなどが記されています。

反対に草原性の種類として、ホオジロ君やコジュケイ君などの種類が姿を消した、と記されています。

さて、この記述をうちの行く都心部の緑地フィールドに当てはめて見ますと確かにそう言った傾向はありそうです。
森林性の緑地でさすがにホオジロ君に出会うことは殆どないとも言えます。

これに関しては、様々な条件が重なり合って形成されている事も多分にありそうですので、フィールドに行った際にその鳥類相と森林環境を確かめることで、考えていきたいと思います。

この傾向が、都会の森林環境について何を示唆しているのか、考えてみたいと思います。
第2項には『減った都市鳥、増えた都市鳥』が論じられています。

いわば、街中での鳥類相です。

ここでは、身近にいた、スズメ君やツバメ君の減少をあげています。
確かにこれは誰でも大いに実感できることだと思います。


反対に増えている、都市で勢力を増している種類として、カラス君とムクドリ君をあげています。
これも確かにうなずけることだと思います。

ドバト君も減少の傾向、そして何よりも冬のカモ類が減少しているとの記述があり、これも特に気になっている事のひとつでもあります。

ここでは東京都台東区の上野恩賜公園での例をあげていますが、10年前は1万羽近くいた個体数が、現在では千羽以下、1/10以下です。
これはうちが同場所に撮影行に行った際にも毎回気になっていた事ですが、大きな原因は人間の行動に依存する部分が大きくあると考えています。
上野恩賜公園では数年前より、野鳥類への餌やり禁止に乗り出しました。
太って飛べなくなるとか、自然で食べ物を探せなくなるとか・・・など最もらしい事を書いて、その看板を随所に付けて、警備員を常時配置し、見回らせる、そして、餌やり行為の来園者には注意をし、やめさせる。その上に定期的に園内放送までと徹底した対策を取ってきました。
その行為が完全には間違っていなくとも、東京都都市公園条例での規定もありませんし、何よりも説得力がありません。
そこで上記の様な、強硬な手段に転じたのでしょう。

その対策で残念ながら、この場所のカモ類は激減しました。

あと気になっているのは、ここには書いてありませんが、オナガ君の動向です。
オナガ君も以前に比べますと都市にかなり進出して来ているような気がしてなりません。


まだ、掲載文は続きますが、意外とこの掲載文は我々のごく身近な問題でもあると思います。
そして、増えた、減った種類を考えると、その自然環境の変化が見えてくるはずです。
更には人間活動の変化、街並みの変化などに対しても見えてくるはずです。

原因や要因がなく、増えたや減ったと言うことは一般的には考えられない事であるからです。

鳥類を通して(勿論別の生きものも含め)、その場所の自然環境変化にも考えていくことが出来たら、更に今後様々な自然環境保護の場面でも応用できると言うことを痛感しました。




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