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避難場所
台風だぁ 投稿日:2017年10月24日 03:45 No.11003
台風避難していた太平洋フェリーきその居場所をAISで確認したところ
津軽海峡をぐるぐる回ったあとに日本海へ顔を出したり陸奥湾へ入ったりと、
じっとしていない軌跡が残ってました。
通常の避難って、錨を降ろし じっとしているのだと思っていたのですが
燃料消費してでも動いたほうが良いのでしょうか?
Re: 避難場所 げんかい(管理人) 投稿日:2017年10月29日 02:41 No.11020
こんばんは。
荒天で欠航になったときの対応としては(1)岸壁に接岸したまま (2)どこかで錨泊 (3)航行しながらやりすごす の3パターンがあります。

(1)は、もやい綱などを増やして港にいるだけなので、一番荒天(強風)に弱く、もやい綱が切れたら事故になります。基本的にはやりませんが、あまり強くない低気圧(航行ルートは荒れているが、港は比較的穏やか)で良好な港の場合などにあります。
特徴的に思い浮かぶのは、北海道の室蘭港で、過去の経緯もあって、商船三井フェリーがたまに苫小牧から室蘭港(の旧フェリーターミナル)に移動して、低気圧をやり過ごしていることがあります。あとは、苫小牧港の奥にも弱い低気圧では避難しています。
少し驚いたのは、今回の台風がかなり接近した名古屋港で「いしかり」は接岸のままやり過ごしています。伊勢湾に出るよりも名古屋港のターミナルはいい場所のようです(南風メインだったから?)。

(2)は、仰る通りよく見られるもので、多くの場合は港外に出して、アンカーします。通常と違い多くの場合は左右両方のアンカーを入れます。ただ、アンカーだけでは風が強い時は流されますので、風の強さに応じてエンジンも併用します。それでも…流されることもあるようです。流されると周りの錨泊船への衝突や、浅瀬への乗り上げの危険があります。
瀬戸内海の場合は、地形的にもアンカーしやすい水深の浅い場所が多いので、そのときに適切な場所に移動してアンカーするパターンが多いように思います。今年の台風だと周防灘の本州側が多かったように思います。阪神側だと播磨灘の姫路沖、しまなみ海道の東側辺りはよくあります。
フェリーは構造上風の影響を受けやすいので避泊中の走錨事故はあるように思います。大型フェリーの走錨での事故で記憶にあるのは、2004年に燧灘で台風避泊中の「フェリーふくおか2」が走錨し貨物船に接触。だいぶ前ですが、1998年に「ほわいとさんぽう2」が走錨し防波堤に衝突しています。

(3)は、今回の「きそ」のパターンで、大型フェリーの場合は近くに適切な錨地がなく(2)をしない場合に多くやるように思います。場所は航行できるスペースはあるが、風上側に陸地があり影になる場所が多いです。(元々波に強くはない?)瀬戸内海のフェリーがやることは少なく、主に外洋航路のフェリーがやるように思います。水深が深く地形的にもいい湾がない、北海道航路は特に多く見ます。陸地の影になりやすい、津軽海峡周辺は新日本海フェリーも含め多いようです。このあたりだと、(2)で錨泊できるのは陸奥湾の東側ぐらいでしょうか。ここに太平洋フェリーが錨泊しているのも見たことがあります。太平洋フェリーの航路は(2)の避難ができる場所、伊勢湾ぐらいで少ないですね。
大阪湾や東京湾でも、ゆっくりと航行しながらやり過ごすのは、少数ですがあるようです。


荒天避難は、各社航路の特性などで特徴があるように思います。
沖縄航路は、島の方には避難場所がないので、基本的にすべて鹿児島側に引き上げて、強い時は八代湾に揃って行きます。
西日本の航路は、台風が接近しないサイドの瀬戸内海で錨泊。
商船三井フェリーは航路上に適切な錨地がないので、苫小牧港の奥もしくは室蘭港に係船、もしくは沖を低速で航行など。


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